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 大丈夫じゃなかった。

 次の日から毎日会いに来ては、手を握りうっとりと見つめてくる。

 真面目にきもいんですけど……

 「本当にごめんね」

 第一王子も一緒に来てくれ変なことをしないように見張ってくれているが、この人たち仕事大丈夫なのだろうかと家臣の人たちの心配をしてしまう。

 「仕事はどうしたんですか?」

 「家臣に任せた」

 「俺はきちんと仕事しない人は嫌いです」

 それだけ言うと握られていた手を振り払うと自分の部屋に行こうとした。

 「やるから、やるから一緒にいて下さい」

 「家臣の人に任せるんではなく自分でしてくださいね」

 そう約束させ今日のところは帰らせた。

 次の日から家臣の人たちから城で住んでくれとお願いされた。

 それはそれは涙ながらに訴えられては嫌とは言えず、母と父はしぶしぶ承諾したが、まさか家族で王城に部屋をもらい住むとは思わなかったけど、離れないで済んだのでうれしいです。

 城に来た日から俺の日課は勉強の他に騎士団に行き剣術の鍛錬をしていた。

 実践感覚で打ち合うので俺は体術を生かし相手を負かしていった。

 「変わった型だな」

 「そうですね、でもこれが俺の強さなんで」

 「そうだな、こんな小さいのにな」

 「小さいは余計です」

 俺から仕掛けたが、あっさりいなされてしまった。

 この人には今の俺では勝てないのは分かっていたが、やってみたかったと言うのが正直な気持ちだ。

 「やはり、団長ともなれば強いですね」

 「当たり前だよ。
 あっさり負けてしまっては国が滅んでしまうからね」

 「俺も頑張らないと」

 団長にはあっさり負けてしまったが、悔しくはないと言えば語弊があるがここまで強いと尊敬してしまう。

 俺はその次の日から毎日通い剣術を習ったのは言うまでもないです。

 絶対に今以上に強くなってやる!

 
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