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 目を覚ますとそこは知らないところだった。

 天蓋付きの大きなベットに両手を兄が握っている。

 握られた手から暖かい魔力が流れている。

 魔力切れを起こして倒れたのか、それにしても兄さまたちの魔力は暖かいな。

 魔力にしたっていると、兄たちが起きた。

 「おはよう」

 「体は大丈夫かい?」

 「ありがとうございます。
 魔力切れ起こしていたんですよね」

 「ああ、無茶をするよ」

 「心臓が止まるかと思ったよ」

 「王様は大丈夫?」

 俺は魔力切れを起こした原因の陛下のことが気になった。

 「ああ、大丈夫だよ」

 「エリーより軽傷だよ」

 まだ体が動かないが、帰ると言うので兄に抱っこしてもらいかえることになった。

 帰る前に陛下に挨拶をして帰ると言うので、陛下の執務室に行くとのんびりとお茶を飲んでいる母がいた。

 母よいったい何してるんですか?

 母を前に土下座をしている王様の構図は皆見て見ぬふりをしている。

 「どうしたんだ」

 「これはね、エリーちゃんを連れて帰ると言い出したジェーン様に、父上が待ったをかけたんだ」

 「そこを頼む」

 「ダメです」

 「俺の魔力を抑えられるなど相当の魔力量だろ」

 「それでもだめです」

 「これを逃したら他にいないじゃないか」

 「誰が好き好んでバツイチに男のところに嫁がせますか」

 「?」

 誰が嫁ぐんだろ?

 あれだけ威厳のあった王様が、母の前だと子供みたいだ。

 「父上いい加減にしてください!」

 「父は真剣だ!」

 「なおさら悪いわ!」

 母は懐から張りせんをとりだし王様をたたいた。

 「サーいきますよ」

 母はそういうと部屋を出た。

 俺たちも後に続いた。

 王子たちは手をふり見送ってくれたので一安心だと思う。

 たぶん、本当にたぶん大丈夫だよね……



 
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