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20 父side4

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 陛下にも連絡すると事の重大さから陛下が指揮を執ることになった。

 私としてはこの上なく不満だが仕方あるまいと深呼吸した。腹の虫が収まらない、行き場を逃したものが腹の中で渦巻く。

 抑えきれない苛立ちが陽炎となって揺らめく。

 「父上落ち着いてください」

 「落ち着いている」

 「魔力が抑えられていません。
 部下が怖がっています」

 「そんなの知るか!!!!!
 リリシャにもしものことがあったら、あいつらも同じ目に合わせてやる」

 「それは同感ですが、今は怒りを収めてください」

 私は陛下の方を見るが、困ったような顔をして頷くと陛下は話始めた。

 「それで何故そのような暴挙に出たのだ?」

 「我々は魔法の練習をしていただけです。
 たまたま打った先に彼がいただけで……それに彼は平民ですから大事には至らないですよね」

 「何故初級ではなく中級の魔法の練習をしていたんだ?」

 「それは……我々は既に初級をマスターしておりますので中級の練習をしていたのです」

 「確か学園では魔法の授業の時レベル別に練習を行うんだったな、中級の彼らが何故初級に入っていたのだ?」

 「それは私から説明します」

 淡々と話す陛下は彼らの平民だからと言う言葉を丸っと無視した。それには彼らの親もあせったようでオロオロし始めた。

 「彼らは初級をマスターしたと言いますが、コントロールが出来ずに初級でもう一度練習中なのです。なので彼らの言うマスターしたと言うのは誤りであります」

 「そうなると中級魔法を扱ったのは罰則対象になるな」

 「待ってください!!!!
 何故平民ごときに魔法をぶつけただけでこんな審議が行われるのです」

 「平民……学園は平等だ。
 それにお前たちがケガをさせた子は平民ではなく上位貴族だ」

 「「「「えっ」」」」

 「彼リリシャは公爵家の次男だ。
 平等に扱ってもらうために身分を隠し学園に入学したのに……」

 彼らはもう一度一学年からやり直しをし、卒業後は騎士団に入団し精神を鍛えなおすことに決まった。

 我々家族は不服だったが、陛下の決断だ覆ることはないだろう。

 
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