16 / 53
15
しおりを挟む
領地に来て三年がたち、僕はここでの生活に満足していた。
でもいつまでのここで生活することはできないのもわかっている。
リアムの魅了を封じることが出来ずに僕は学園に入学する年になってしまった。
僕は屋敷に戻ることなく寮に入り、お父さまにそろえてもらった制服や普段着をクローゼットにしまっていたらいきなり部屋のドアが開きお兄さまが入ってきたのだ。
「会いたかったよ」
お兄さまに抱きしめられ、僕は苦しかった。
「兄さま苦しいです」
「久しぶりだったからついリリーを補充したかったんだ」
そうなのです。寮生活するにあたりお兄さまと同室でならと赦してくれたのだ。
お兄さまはスキンシップが激しくって僕はドキドキだよ。
持ってきた洋服や教科書を片付け終わると、お兄さまが寮の中を案内してくれた。
お風呂は大浴場があり後でお兄さまと入る約束をさせられたが……身の危険を感じるのは気のせいだよね。
図書館に売店と本当に何でもそろっているのだ。
僕はここには平民のリリーとして入学している。下手に公爵家のリリシャとなればあの噂で冷静な判断はされないだろうと王家・公爵家・学園側との話し合いで決定された。
今だリアムの魅了を相殺するすべが定まらないので仕方ないことだが、学生には念のため浄化の付与された学年カラー別のピアスを付けてもらっている。
それは生徒の保護者には説明済みでの配布となるので生徒たちは勿論教師たちも浄化の付与されたアクセサリーを身に着けていた。
一応公爵家での実験の結果ピアスを透けていると魅了に係ずらくなるのがわかった。
僕の魔力がまだ強くないので今は仕方ないけど、練習すれば強くなると言うのでこの三年は魔力強化の練習に明け暮れたのだが、そのかいあってそれなりの魔力量になり魔法騎士団に入団できる魔力量だと言ってもらえたのだ。
その為学園全体に浄化の結界と状態異常回復の結界を二重にかけても魔力切れを起こさないまでに成長できたんだけど、魔力切れの時の処置が嫌だから回避のために頑張ったなんて口が裂けても言えないんですけどね。
これでリアムが入学するまでの下準備はできた。
でもいつまでのここで生活することはできないのもわかっている。
リアムの魅了を封じることが出来ずに僕は学園に入学する年になってしまった。
僕は屋敷に戻ることなく寮に入り、お父さまにそろえてもらった制服や普段着をクローゼットにしまっていたらいきなり部屋のドアが開きお兄さまが入ってきたのだ。
「会いたかったよ」
お兄さまに抱きしめられ、僕は苦しかった。
「兄さま苦しいです」
「久しぶりだったからついリリーを補充したかったんだ」
そうなのです。寮生活するにあたりお兄さまと同室でならと赦してくれたのだ。
お兄さまはスキンシップが激しくって僕はドキドキだよ。
持ってきた洋服や教科書を片付け終わると、お兄さまが寮の中を案内してくれた。
お風呂は大浴場があり後でお兄さまと入る約束をさせられたが……身の危険を感じるのは気のせいだよね。
図書館に売店と本当に何でもそろっているのだ。
僕はここには平民のリリーとして入学している。下手に公爵家のリリシャとなればあの噂で冷静な判断はされないだろうと王家・公爵家・学園側との話し合いで決定された。
今だリアムの魅了を相殺するすべが定まらないので仕方ないことだが、学生には念のため浄化の付与された学年カラー別のピアスを付けてもらっている。
それは生徒の保護者には説明済みでの配布となるので生徒たちは勿論教師たちも浄化の付与されたアクセサリーを身に着けていた。
一応公爵家での実験の結果ピアスを透けていると魅了に係ずらくなるのがわかった。
僕の魔力がまだ強くないので今は仕方ないけど、練習すれば強くなると言うのでこの三年は魔力強化の練習に明け暮れたのだが、そのかいあってそれなりの魔力量になり魔法騎士団に入団できる魔力量だと言ってもらえたのだ。
その為学園全体に浄化の結界と状態異常回復の結界を二重にかけても魔力切れを起こさないまでに成長できたんだけど、魔力切れの時の処置が嫌だから回避のために頑張ったなんて口が裂けても言えないんですけどね。
これでリアムが入学するまでの下準備はできた。
236
お気に入りに追加
3,065
あなたにおすすめの小説
婚約者は愛を見つけたらしいので、不要になった僕は君にあげる
カシナシ
BL
「アシリス、すまない。婚約を解消してくれ」
そう告げられて、僕は固まった。5歳から13年もの間、婚約者であるキール殿下に尽くしてきた努力は一体何だったのか?
殿下の隣には、可愛らしいオメガの男爵令息がいて……。
サクッとエロ&軽めざまぁ。
全10話+番外編(別視点)数話
本編約二万文字、完結しました。
※HOTランキング最高位6位、頂きました。たくさんの閲覧、ありがとうございます!
※本作の数年後のココルとキールを描いた、
『訳ありオメガは罪の証を愛している』
も公開始めました。読む際は注意書きを良く読んで下さると幸いです!
婚約破棄と国外追放をされた僕、護衛騎士を思い出しました
カシナシ
BL
「お前はなんてことをしてくれたんだ!もう我慢ならない!アリス・シュヴァルツ公爵令息!お前との婚約を破棄する!」
「は……?」
婚約者だった王太子に追い立てられるように捨てられたアリス。
急いで逃げようとした時に現れたのは、逞しい美丈夫だった。
見覚えはないのだが、どこか知っているような気がしてーー。
単品ざまぁは番外編で。
護衛騎士筋肉攻め × 魔道具好き美人受け
【完結】疲れ果てた水の巫子、隣国王子のエモノになる
カシナシ
BL
僕はシュリエル・エバンス公爵令息。貴族というよりも、ルルーガレス王国を代表する水の巫子をやっている。水の巫子としての能力や、血筋から選ばれて、王子様と婚約していた。
幼い頃に結ばれた婚約だが、ディルク殿下に恋をしてから、ずっと自己研鑽に努めてきた。聖女が現れても、殿下に相応しいのは僕だと、心の中で言い聞かせるようにしていたが、
殿下の隣には、いつの間にかローズブロンドの美しい聖女がいた。
なんとかしてかつての優しい眼差しに戻ってほしいのに、日が経つ毎に状況は悪くなる。
そんなある日、僕は目を疑うものを見てしまった。
攻め・威圧系美形
受け・浮世離れ系美人
(HOTランキング最高3位、頂きました。たくさんの閲覧ありがとうございます!)
※ざまぁというより自業自得
※序盤は暗めですが甘々になっていきます
※本編60話(約16万字)+番外編数話くらい
※残酷描写あります
※ R18は後半に
虚構の愛は、蕾のオメガに届かない
カシナシ
BL
リスティアは公爵家に産まれた唯一のオメガのため、第一王子であるマルセルクと産まれた時からの婚約者だ。長年の研鑽の成果と、オメガの中でも希少である『花紋持ち』のリスティアは王太子妃として相応しく、反対意見など皆無なまま、今日、晴れて夫婦となった。
王太子となったマルセルクとは、相思相愛。
彼にはフィルという、これも花紋持ちオメガである男爵令息の愛妾がいるが、アルファ性の強い王子には必要な事。
承知の上で結婚した、つもりだった。
初夜から段々と距離を置かれていく。リスティアは自分に言い聞かせるように奮闘するものの、全く効果はなく、追い詰められ、ついには自死してしまう。
やっと楽になれたと思いきや、目を開ければ学園時代にまで遡っていた――――。
女性向けHotランキング最高位4位、頂きました。沢山の閲覧、本当にありがとうございます!
第11回BL小説大賞にて7位、そしてなんと優秀賞を頂きました。たくさんの応援ありがとうございました!
※旧題:蕾のオメガは貴方など愛している場合じゃない
から変更させて頂きました。
※攻め以外との行為表現あり
※攻め、一人ではありません。地雷の方はご自衛を
※11月中に本編完結+番外編予定のため、更新頻度は都度調整します
※オメガバースの設定を拝借しております(独自設定あり)
※エロあっさりめ(多分)
僕の策略は婚約者に通じるか
藍
BL
侯爵令息✕伯爵令息。大好きな婚約者が「我慢、無駄、仮面」と話しているところを聞いてしまった。ああそれなら僕はいなくならねば。婚約は解消してもらって彼を自由にしてあげないと。すべてを忘れて逃げようと画策する話。
フリードリヒ・リーネント✕ユストゥス・バルテン
※他サイト投稿済です
※攻視点があります
婚約破棄されたら囚われた
たなぱ
BL
卒業パーティーで婚約破棄された
やっと自分の居場所ができると思ったのに…
相手は第二王子、おれは公爵家の嫡男、だが幼くして母を無くし、父は再婚、義理の弟が公爵家を継ぐ…
一滴も公爵家の令嬢であった母の血を引かない義弟が、おれは父と再婚した母にとって邪魔でしかない存在
そんなおれでも第二王子との婚約が決まり、この国を良くしていくそう思っていたのに…
誰からも必要とされてないおれはどうしたらいい?誰でもいいから必要としてくれ…
そう願ったおれは、囚われた
前中後編
呪われた王子×不憫悪役令息
【完結】乙女ゲーの悪役モブに転生しました〜処刑は嫌なので真面目に生きてたら何故か公爵令息様に溺愛されてます〜
百日紅
BL
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でしたーー。
最後は処刑される運命の悪役モブ“サミール”に転生した主人公。
死亡ルートを回避するため学園の隅で日陰者ライフを送っていたのに、何故か攻略キャラの一人“ギルバート”に好意を寄せられる。
※毎日18:30投稿予定
同室のアイツが俺のシャワータイムを侵略してくるんだが
カシナシ
BL
聞いてくれ。
騎士科学年一位のアイツと、二位の俺は同じ部屋。これまでトラブルなく同居人として、良きライバルとして切磋琢磨してきたのに。
最近のアイツ、俺のシャワー中に絶対入ってくるんだ。しかも振り向けば目も合う。それとなく先に用を済ませるよう言ったり対策もしてみたが、何も効かない。
とうとう直接指摘することにしたけど……?
距離の詰め方おかしい攻め × 女の子が好きなはず?の受け
短編ラブコメです。ふわふわにライトです。
頭空っぽにしてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる