嫌われ者の僕はひっそりと暮らしたい

りまり

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 仲の良い三人を眺めながら僕はお父さまに聞いた。

 「リアムは闇属性ですか?」

 「そうとしか思えない。
 どうにかあの子の魅了を封印できればいいのだが……」

 「そうですよね……僕の光属性を付与した何かを身に着けてみてはどうでしょう」

 「それも当時の光属性に頼み試したが駄目だった」

 「難しいですね」

 「弟を助けたくって色々試したが駄目だったんだ」

 「そうなんですね。
 後は何があるんでしょうか?」

 本気でお父様と悩んでいると不意にお兄さまが言ったのだ。

 「初めはリアムの魅了に飲まれそうだったが、リリシャに口移しで水を飲ませるようになってから魅了が効かなくなったんだ」

 「どういうことだ……あいつは……」

 それ以上お父様は語らなくなってしまったが、お兄さまが教えてくれた。

 「母が光属性なんだ」

 「お母さまが……なら何故放置したんです?」

 「それもわからないんだ。
 リアムの力が強いからと言ってみたり何かにつけて力を使わないんだ」

 どうして?

 お母様が早く力を使ってくれれば僕はここまでひどくされなかった。

 「リリシャの言いたいこともわかるが今はまずリアムを抑えることが優先だ」

 リアムに似合いそうな宝石に光属性の浄化を付与した。

 念のために小さな宝石を使ったピアスに同じように付与すると皆で身に着けたのだ。

 王子さまはピアスを付けると僕を抱きしめていた時と同じ効果があると言っていたので成功だ。

 これ以上の被害をださないためにも頑張らなくっちゃ!!!!!

 僕の未来の為にだ!!!!!

 
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