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旦那さまとは恋愛結婚でした。
学生時代お互いに一目惚れし、結婚にまで至ったんですが……旦那様には兄君と年の離れた弟君がおりまして兄君は剣術の腕を買われ辺境伯に婿として結婚しましたが弟君はそれはそれは愛くるしい方で、ご家族からも愛されておりました。
今思えばあれは以上でしたとしか言いようがありません。
溺愛……と言うよりはそうしなければならないかのような愛情ぶりでした。
その空間に私が入ることで、淀んだ空気が一層されるがごとく誰も弟君の相手はしなくなったんです。
あれだけ溺愛していたのが嘘のようでした。
「ありがとう。これで少しはマシになる」
私には何に対してのお礼なのかがわかりませんでしたが、とりあえず「どういたしまして?」とだけ言っておきました。
のちに知ったのですが、治癒や浄化に特化された光属性はそれ自体珍しく本当であれば王家の庇護を受けなければならなかったのです。
ちなみに私の属性は光です。
光属性の私が公爵家に入ったことで何かが浄化され正常になったということらしいです。
それで終わればよかったのですが、私たちが学園を卒業すると入れ違いに弟君が学園に入学することになり寮生活になります。
私は卒業とともに公爵家に花嫁修業をしに屋敷に住むことになったのです。
私が屋敷で生活していても弟君の話は出ないのです。心配さえしてません。
本当に平和でした。順調に花嫁修業は進んでいき結婚式の日取りやドレス選びなど目まぐるしく日にちが過ぎた時事件は起こったのです。
それなりに楽しくやっているだろうと思っていた弟君が王子様の婚約者にケガをさせたと言うではないですか!
その頃には籍だけでも入れておこうと言うことで籍は入っていたので、公爵家の人間として旦那様と一緒に学園に行ったのですが……その状況を見て驚愕しました。
屋敷に私が初めて行った時と同じ状況だったのです。
弟君は最高学年に在籍している王子様に恋してしまい、婚約者さまにされてもいないことをさもされたように演じていたと言うではありません!!!!
相思相愛で仲睦まじい関係だったのに……彼らの関係を壊したことに罪悪感は感じていないし、自分は愛されて当然なのだと思っている。
王子は勝気な瞳はなりを顰め、虚ろな目をしてどこを見ているのかわからなかった。
私は王子さまに近づき彼に触れると、彼にまとわりついた何かが一瞬にして消し飛んだようだった。
「私は何をしていたんだ……」
「これでいいですか?」
「ああ、それにしてもこれは一体……」
後から知ったのですが、弟君は闇属性でその能力で周りを魅了していたそうです。
その後弟君は北の塔に幽閉されてしまったのですが……まさか私の子に弟君と同じ属性の子が生まれるとは思ってもいませんでした。
私をもしのぐ力があり、屋敷の者をほとんど魅了していたなど……
これからどうすればいいのでしょうか……
今はため息しか出ません。
学生時代お互いに一目惚れし、結婚にまで至ったんですが……旦那様には兄君と年の離れた弟君がおりまして兄君は剣術の腕を買われ辺境伯に婿として結婚しましたが弟君はそれはそれは愛くるしい方で、ご家族からも愛されておりました。
今思えばあれは以上でしたとしか言いようがありません。
溺愛……と言うよりはそうしなければならないかのような愛情ぶりでした。
その空間に私が入ることで、淀んだ空気が一層されるがごとく誰も弟君の相手はしなくなったんです。
あれだけ溺愛していたのが嘘のようでした。
「ありがとう。これで少しはマシになる」
私には何に対してのお礼なのかがわかりませんでしたが、とりあえず「どういたしまして?」とだけ言っておきました。
のちに知ったのですが、治癒や浄化に特化された光属性はそれ自体珍しく本当であれば王家の庇護を受けなければならなかったのです。
ちなみに私の属性は光です。
光属性の私が公爵家に入ったことで何かが浄化され正常になったということらしいです。
それで終わればよかったのですが、私たちが学園を卒業すると入れ違いに弟君が学園に入学することになり寮生活になります。
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本当に平和でした。順調に花嫁修業は進んでいき結婚式の日取りやドレス選びなど目まぐるしく日にちが過ぎた時事件は起こったのです。
それなりに楽しくやっているだろうと思っていた弟君が王子様の婚約者にケガをさせたと言うではないですか!
その頃には籍だけでも入れておこうと言うことで籍は入っていたので、公爵家の人間として旦那様と一緒に学園に行ったのですが……その状況を見て驚愕しました。
屋敷に私が初めて行った時と同じ状況だったのです。
弟君は最高学年に在籍している王子様に恋してしまい、婚約者さまにされてもいないことをさもされたように演じていたと言うではありません!!!!
相思相愛で仲睦まじい関係だったのに……彼らの関係を壊したことに罪悪感は感じていないし、自分は愛されて当然なのだと思っている。
王子は勝気な瞳はなりを顰め、虚ろな目をしてどこを見ているのかわからなかった。
私は王子さまに近づき彼に触れると、彼にまとわりついた何かが一瞬にして消し飛んだようだった。
「私は何をしていたんだ……」
「これでいいですか?」
「ああ、それにしてもこれは一体……」
後から知ったのですが、弟君は闇属性でその能力で周りを魅了していたそうです。
その後弟君は北の塔に幽閉されてしまったのですが……まさか私の子に弟君と同じ属性の子が生まれるとは思ってもいませんでした。
私をもしのぐ力があり、屋敷の者をほとんど魅了していたなど……
これからどうすればいいのでしょうか……
今はため息しか出ません。
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