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 僕が領地に来て六ヶ月たった。

 その間僕は教会で奉仕活動をしていたんだけど、この度王都から偉い人が来ると言われた。

 領主さまが案内してくるんだって、なら僕は身を隠さなければと思ったけどどうやら僕の治癒を見学に来るのだと言われては隠れることもできないじゃん。

 ここは街から離れているので知らなかったけど、治癒を受けに来た人がおしえてくれた。

 今街では領主さまの次男が行方不明で探しているんだと……話を聞いて僕を探してくれているのかと思った。

 領主さまのお屋敷で働いていた人たちは全員解雇され新たに雇われた人達なんだって、独断で僕を放り出したからと言っていた。

 僕はここでの生活が気に入っている。

 どうせ領地にリアムがくれば新しい人も前の人のように僕を排除しようとするに違いないんだ。

 なら僕はここでのんびり暮らしたい。

 街での騒動とは別にここは静かだった。

 次の日お父様とお兄さまが、お兄さまと同年代の方を付えてきたのだ。

 お父様とお兄さまは僕と目が合うと目を見開きいきなり抱き着いてきたのだ。

 「よく無事でいてくれた」

 「良かった……」

 「御心配させて申し訳ございません」

 「無事でいてくれただけでいいんだ。
 だが、あいつらはただじゃ済まさないから安心しろ」

 「大丈夫だから安心してね」

 お兄さまが一番安心できないんですけど……とは流石に言えず苦笑いしか出なかった。

 「きちんとご飯食べれているようだね」

 「うん!!!
 だから少しだけど体重が増えたんだ」

 「可愛くなったね」

 「可愛いから誰かに攫われないか心配だよ」

 お兄さまは僕をぎゅーと抱きしめ離してくれなくなっちゃいました。

 「お兄さま、ここには治癒を見学に来たんでしょ?」

 「そうだった、治癒師はどちらに?」

 それまで黙っていた司祭様はオロオロしていたが意を決したように僕を指さした。

 「リデア様が抱きしめている方がここで治癒を施しているリリーです」

 「「……リリシャ……」」

 「お屋敷に行ったら追い出されて行く当てがない時、司祭様に拾われたんだ」

 お父様とお兄さまに今までのことを話て聞かせた。

 始めは怖い顔をしていたけど、最終的には僕がここで皆と生活することを赦してくれたんだ。

 

 
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