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 目が覚めるとベッドの上だった。

   散々暴行を受けた体は寝返りさえ打てない。

 僕が目を覚ましたことに気付いた僕付きの従者が飲み薬をもってきてくれた。

 どうやら満身創痍だが助かったようだ。

   彼によると兄に送ったSOSを正確に読み取ってくれ両親を連れて僕の部屋まで駆けつけてくれたらしい。

   僕のこの姿を見てようやく事の重大さに気づいた両親は慌てて侍女を取り押さえ兵を呼び、毒を飲ませ暴行した侍女を騎士団に突き出してくれた、もちろん証拠の録音水晶も一緒にね。

 散々喚き散らしていたようだが誰も相手にしなかったそうだ。

   それで蟠りがなくなるとは思わないけど、少しはマシになると思うよ。

 今更だが僕の名前はリリシャ ブライアンと言います。

 公爵家の次男としてそれなりに切磋琢磨しているつもりでも努力が実を結ばないのです。

 ましてや長男は優秀でそれなりに鍛えているのか均衡のとれた体をしているのです。弟はそれはそれは愛らしい天使のようにかわいいので皆メロメロなんです。

 僕の容姿は見目麗しい両親や兄弟から比べると下の下なので、両親は僕を見ようともせず執事が何かと見てくれるのです。

   そんな僕でも兄は可愛がってくれたからなんとか耐えられたけど、兄も本当は僕といるのが嫌だったんだと今ならわかるよ。優しい人だから突き放す言葉が言えなかったんだと思うと申し訳ないと思うよ。

   でもこれだけは言えるよ。兄に嫌がられていると思ったのは学園に入って周りから言われ始めてからだから、今の僕はまだ嫌われてないのでさっき侍女に言った言葉は正しい。今回は確たる証拠も持っているからね。

 「本当であれば治癒魔法で治すのですが、あなた様に使う治癒魔法はないとお断りされました」

 「そうか……これぐらい大丈夫だよ」

 「そうですね。毒の時も解毒剤だけで苦しみましたからね」

 この従者は弟に付きたかったと毎回漏らし、最低限のことしかしてはくれないけどそれでもしてくれないよりはいいと思っている。

 これからこれ以上のことが起こるんだから、今回は兄を頼るつもりはないから下手したらここで命を落としたとしても魔物に切られるよりましだと思う。

 僕は薬が効いてきたのか眠くなりそのまま意識を手放した。

 

 
 

 
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