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 言われるがまま中に入りびっくりした。

 外から見るとやたらと狭いと感じるのに中に入ると想像以上に広いのだ。

 「あほ面していないでいい加減座ってくれない?」

 「あほ……面って失礼ですね……」

 「実際あほ面して眺めていたんだからそうだろ、それにしても……ここの領主はいい人で有名だが……女によって変わるとは思わなかったよ」

 「そうですね……私もこれには同感です。
 人の心を惑わす薬など……ありますね……こちらも旅の魔導士にポーションの作り方を聞きそれから作っているのですが、その時言われたのです」

 「旅の魔導士で、ポーションを作るって……そりゃー賢者だな」

 「賢者……道理で……その賢者さまが言っていたのです。
 ポーションがうまく作れるようになったら、どんな薬でも作れるようになると、確かにポーションが完璧に作れるようになると、毒消しや魔力回復のポーションも作れるようになりました」

 「お前……それ他に言えば……一生外に出れない案件だぞ」

 「マジですか!!!!!
 ヤバいですよね、話がそれたんですけど、薬を作るのが面白くなり、独自で色々調べた時にわかったのですが、人の心を惑わず薬が存在します。
 多分なのですが、妹はそれを見て薬師に頼んだのかもしれません」

 「そういうことか……わかった。
 こちらも解毒薬を探してみよう、あの見張りはどうする?」

 「もちろん巻きます」

 「わかった。
 当分はここにいるなら、ここの上に部屋が開いているから使っていいぞ」

 「ありがとうございます!!!!」

 「家具はないから揃えなきゃだが、今から行くか」

 「そういえば、自己紹介してませんでしたね、私はエムルと言います。
 よろしくお願いします」

 「俺はここでギルドマスターをしているギドだ。
 元S級冒険者だ」

 「どこかお怪我でもしたのですか?」

 「足と腕をやられて、それ以来ここでギルマスをやっている」

 「……それ治りますよ……」

 私はギドに上級ポーションを渡した。

 「これは上級ポーションです。
 それならあなたのケガも治りますよ」

 「……ちょっと待て!!!
 上級ポーションなんてこの世界に賢者しか作れないんだぞ!!!!」

 「うーん……そうみたいなんだけど作れちゃったんです。
 なので、定期的に作ってます」

 「それ一本で一体いくらするんだか……」

 「普通のポーションでも三万ギルはしますから、ざっと見積もっても三百ギルはするんじゃないのですか」

 リンゴが1個百ギルだ。

 それを考えるといい値段だ。

 「それをポンポン渡すな!!!!」

 「うーんなら、色々迷惑かけると思うからお詫びの印です」

 「迷惑かける前提かよ……わかったよ」

 ギドは頭をぼりぼり掻くと一気に飲み干した。

 

 
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