私の憧れの人は姉の婚約者様

りまり

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 こんにちは、サーシャです。

 ただいま隠れている王子を探している最中なのですが……お城は迷路みたいです。

 はっきり言ってやっていける気がしません。

 お父様に連れてこられて早一週間ですが、いまだに見つけられた試しがありません。

 王子様を探すのが、私の日課になりつつあります。

 王子様が見つからない以上他の仕事が出来ないので、他の侍女たちからは嫌味を言われるようになりました。

 そんなこと言われても、王子様ことレオン様はいつも私が行く頃には姿をくらましているんです。

 まともにあったのは初めてここの来た時ぐらいでしょうか?

 初見で私の姿を見て眉をひそめたので嫌われたのは確実です。

 レオン様を見つけられない私は騎士様たちからも役立たずと思われているみたいで、毎日ため息を吐かれ軽蔑の目で見られてます。

 レオン様付きの侍女はどなたも3日で辞めてしまうのもうなずけます。

 肩身の狭い思いをしていますが仕方ありません。公爵家に私の居場所はないので嫌だから公爵家に帰る、とは到底いえません。

 我慢するしかないのです。

 イヤなら今後は平民として自立しなければなりません。

 今日もレオン様付きの騎士様と一緒に探し歩いています。

 ただ一つご褒美があるとすれば遠くからではありますが、お姉さまの婚約者様のお一人でお姉さまの大好きな騎士様のお姿が見れることでしょうか、嫌われているのでご挨拶することもかないませんが……好きな騎士様の姿が見れて私はそれだけで満足です。






 お城に来て二週間になりますが、ようやく見つけられるようになりました。

 ですが……見つけた頃には私はへとへとになり、レオン様と一緒に受けている勉強も半ば居眠りしながら聞いているので頭に入ってきません。

 それもそのはずです。

 私は王子さまを見つけられるようになり、ノア様の頼んでお勉強を教えてもらっているのです。

 それが面白くなかった侍女のお姉さまたちにより、私は王子さまを探す以外の仕事を任されるようになったのが、寝不足の始まりです。

 王子様付きの騎士様は王子様が見つかるまで一緒にいてくれるだけなので、他の時間は一人なのが災いしてしまったのですが、王子さまとのお勉強もしっかり受け、午後からは洗濯場に行き洗濯をするのです。

 それが終わらなければ私の一日は終わりませんし、夕飯さえもらえないのです。

 なので眠いですけど頑張って洗濯をこなしていきます。

 すべて終わったのは深夜になってからですが、すでに眠気に勝てず食事をせずにそのままベットに入って眠ったのです。

 今日は騎士様にお会いできなかったので明日は見れると言いなと思いながら眠りにつきます。

 

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