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はっきり言ってしんどいんですけど、喉は喘ぎすぎて枯れているし身体を動かそうとしても思い通りにはならないしでかなり頭に来ていた。
指一本動かすのもおっくうなのだ。
体中が痛い。
それに体中べとべとで気持ち悪いのだ。
こんなこと言いたくないがあそこがヒリヒリして痛いんです。
いったいどれぐらい抱かれていたんだかわからない、今日が何日なのかもわからないのだ。
ここに来てから、目が覚めれば抱かれまた気を失うの連続だった。
「目が覚めたみたいだね、体は動かさないほうがいいよ」
「あれから何日たったの?」
「五日かな」
「五日も立っているなんて、大体何が目的なの?」
「俺たちが焦りたくなるのも当たり前だろ、各国が君を獲得するために王子たちを送り込んできたんだ。
それもお前を獲得すれば好きな女と結婚していいという条件付きでだ」
「……意味わからないんだけど」
「君を獲得するために皆必至なんだよ」
「もう一人Sランクがいますけど」
私はもう一人のSランクの持ち主を示すと首を振り「ダメに決まっているだろ」と言われてしまった。
平民かもしれないがSランクには違いない。
「彼女はギルドの定めた規定に違反していたんだ」
「……取り消されたの?」
「そういうことだ」
体が震えた。
私しかいないとなれば共存か奪い合うために戦争になる。
「ようやく事の重大さに気が付いたみたいだね」
「安心しきっていたけど、それなりにランクの上の子を獲得すればいいだけじゃないの?」
「最近は質が落ちているからね、その中の頂点が君なんだから喉から手が出るほど欲しいに決まっているだろ」
それでようやくレオが私の中に子種を注いだのかわかった。
わかったからって受け入れられるわけじゃない。
「悪いと思っている。
そうじゃないと、不安で仕方なかったんだ」
いつの間にか目を覚ましたレオが私にしがみついていた。
「あの一件で俺との結婚は考えられないと言っていたよな、各国の王子だって必至なんだ」
「私の気持ちは二の次なんですね」
「気持ちはそのうちついてくると考えての行動だ」
「……」
「好きな人間と結婚出来ればそれに越したことはないが、前例がない以上無理だ」
「……」
私は道具でしかないと言っているのだ。
好きな人と結婚したければ私を王妃に迎えろと言っているのだ。
「レオも好きな人と結婚したいから私と結婚するの?」
「それは違うよ。
今も昔も俺の好きなのはメリーだけだよ」
「……」
確かにレオは旅に出てから、いつも言っていた「好きだよ」と、うれしかったけど素直になれなかった。
「俺は、メリーだけを愛している、だから結婚してくれないか?」
「……」
「黙ってみてれば、僕にも求婚する権利はありますよね」
「いい加減あきらめろ」
「いやに決まっているじゃないですか!」
私は顔を赤らめ、真っ向から告白され嬉しさのあまり頬が緩んでしまった。
指一本動かすのもおっくうなのだ。
体中が痛い。
それに体中べとべとで気持ち悪いのだ。
こんなこと言いたくないがあそこがヒリヒリして痛いんです。
いったいどれぐらい抱かれていたんだかわからない、今日が何日なのかもわからないのだ。
ここに来てから、目が覚めれば抱かれまた気を失うの連続だった。
「目が覚めたみたいだね、体は動かさないほうがいいよ」
「あれから何日たったの?」
「五日かな」
「五日も立っているなんて、大体何が目的なの?」
「俺たちが焦りたくなるのも当たり前だろ、各国が君を獲得するために王子たちを送り込んできたんだ。
それもお前を獲得すれば好きな女と結婚していいという条件付きでだ」
「……意味わからないんだけど」
「君を獲得するために皆必至なんだよ」
「もう一人Sランクがいますけど」
私はもう一人のSランクの持ち主を示すと首を振り「ダメに決まっているだろ」と言われてしまった。
平民かもしれないがSランクには違いない。
「彼女はギルドの定めた規定に違反していたんだ」
「……取り消されたの?」
「そういうことだ」
体が震えた。
私しかいないとなれば共存か奪い合うために戦争になる。
「ようやく事の重大さに気が付いたみたいだね」
「安心しきっていたけど、それなりにランクの上の子を獲得すればいいだけじゃないの?」
「最近は質が落ちているからね、その中の頂点が君なんだから喉から手が出るほど欲しいに決まっているだろ」
それでようやくレオが私の中に子種を注いだのかわかった。
わかったからって受け入れられるわけじゃない。
「悪いと思っている。
そうじゃないと、不安で仕方なかったんだ」
いつの間にか目を覚ましたレオが私にしがみついていた。
「あの一件で俺との結婚は考えられないと言っていたよな、各国の王子だって必至なんだ」
「私の気持ちは二の次なんですね」
「気持ちはそのうちついてくると考えての行動だ」
「……」
「好きな人間と結婚出来ればそれに越したことはないが、前例がない以上無理だ」
「……」
私は道具でしかないと言っているのだ。
好きな人と結婚したければ私を王妃に迎えろと言っているのだ。
「レオも好きな人と結婚したいから私と結婚するの?」
「それは違うよ。
今も昔も俺の好きなのはメリーだけだよ」
「……」
確かにレオは旅に出てから、いつも言っていた「好きだよ」と、うれしかったけど素直になれなかった。
「俺は、メリーだけを愛している、だから結婚してくれないか?」
「……」
「黙ってみてれば、僕にも求婚する権利はありますよね」
「いい加減あきらめろ」
「いやに決まっているじゃないですか!」
私は顔を赤らめ、真っ向から告白され嬉しさのあまり頬が緩んでしまった。
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