婚約者様覚悟してくださいませ、ざまあさせていただきます

りまり

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 今日の私は人形です。

 気分は人形になったようだ。

 あの後部屋を荒らされたことを両親に知らせに走ってもらったり、部屋を片付けてもらったりと朝からバタバタとしてしまったがようやくパーティーに行く準備が始められる。

 時間をかけられないにも関わらず見事に結い上げてくれ、化粧をして出来上がった時は別人となっていた。

 もともと化粧が好きではなかったので普段も薄く塗ってもらっていたぐらいだし、髪も邪魔にならないように後ろで三つ編みにしてもらっていたのだが、侍女たちはかなり不満だったようだ。

 だいたい私は妹と違い見てくれがいいわけではないのだから、化粧したからと言って変わるわけではないと思っていたが今日判明した。

 かなり変わる!

 やばい、これ本当に詐欺だわ!

 今日のドレスは、私の髪の色と瞳の色をモチーフにしてあり婚約者様のカラーである金色も入っている。

 ちなみに私の髪の色は朱銀に金色の瞳です。

 目立つ配色の為よく見つけやすくって助かるとよく言われます。

 顔は地味なのに髪と瞳は目立つのだ。

 ちなみに妹は茶色の髪に茶色の瞳です。

 どうも御先祖様に同じ配色の方がいたらしく、時たま生まれるらしいのですが妹はそれも気に入らないみたいですね。

 それなりに見れるようにしてもらったところで玄関ホールに向かう途中ホールが騒がしくなった。

 侍女が様子をみに行ってくれたのだが、どうもまた妹が騒ぎの原因らしい。

   リオがセオリ通りエスコートするためにきてくれたのを妹は当たり前のようにリオの腕にしなだれている。

 それも困ったようにしているリオも振り払うことはない。

 「あなたはなんてみっともないことをしているんです」

 「え~お姉さまより私のほうがかわいいし、それに見てこれ素敵でしょ」

 「……」

 決して配色は間違っていないが、今回のリオの衣装はどう見ても私をイメージした配色です。

 妹に促されて出て行く婚約者様にあきれつつも私は黙っていた。

 こちらをちらりちらりと見てくるが無視に決まってます。

 妹も私の気配に気付いたのか勝ち誇ったような顔でこちらを見てきます。

 さすがにムカつきますが我慢です。

 ちらりとこちらを見るも私が何も言わないので仕方なくと言った感じで妹を連れ出してくれましたが、さてこれからが大変ですわね。

 でもなぜリオはこちらを見ていたのでしょう?

 それも捨てられた子犬のような目で見てきます。

 解せぬですわ。


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