10 / 45
10
しおりを挟む
ケガを回復させたとはいえ、もともとが重症だったのだ。
回復魔法が使えて本当に良かった。
それでも全回復できるわけではない。
軋む体にムチ打ち、アルバイトに行くと、不機嫌そうな店主が椅子に座っていた。
「おはようございます」
「リリアちゃん、けがは大丈夫なのかい?」
「……どうして知っているんですか?」
「今、学生が食べに来てその話で盛り上がっていたんだ。
あまりにも不愉快なので学園側に抗議しに行くところだよ!」
「今頃町中の人間が抗議に出かけようと話し合っているところだ」
「……なぜそこまで親切にしてくれるんですか?」
「何故?
そりゃーリリアちゃんはここの従業員出し、大事な仲間だからに決まっているだろ」
「地味でブスなのにですか?」
「地味? ブス?
リリアちゃんが?」
私はうなずき、今までのことを話して聞かせると、憤慨していた。
「学園で、一人で実験だと!!!!!!
ふざけんのもいい加減にしろ!!!!!!!!
教師もみてみぬふりだと!!!!
どれだけ偉い貴族が通っているか知らないが、あそこは身分は関係ないはずだ!」
そういうと町のみんなと話し合い抗議に行ってしまった。
あたふたしていると、同じアルバイトで入っているルークさんに頭を撫でられた。
「大丈夫ですよ、町のみんなの他にあの人が動きますからね」
訳のわからないことを言う彼に首を傾げ胡散臭げに見てしまった私は悪くないと思う。
俺は町のみんなを代表して来ている。
学園長は冷や汗ダラダラで顔色が悪い。
部屋に入るとその理由が分かった。
確かにこれでは気の弱い学園長はひとたまりもないな。
「ところで、なぜリリアはあれだけのけがをしたんですか?」
「それはですね……」
学園長の話はリリアとは真逆でリリアが実験で失敗し暴発させたとのこと、一人で実験していたのも先生が何度も他の人と一緒にやれと言っても聞かなかったと言っていた。
「そうですか、それを言っているクラスの全員と先生が共犯ということですか、わかりました」
「共犯だなんて、すべてリリア嬢の独断でのことです」
すると、隣にいた男は変な機械を取り出し壁に何かを映し出していた。
それはクラスで孤立するリリアで、周りでクスクス笑うご令嬢の姿だった。
先生も見て見ぬふりをしているようだ。
「これでもそう言い切れるんですか、ならこれはどうです?」
すると今度はあの事故の場面だ。
確かにリリアは一人で実験をしているし、隣で実験していた子たちはわざとリリアにケガをさせるために爆発させたようだ。
「これを見てまだ言い切れるんですか?」
「……こんなことって……すみません、あのクラスには有力な貴族の子供たちもいまして、先生たちも逆らえなかったみたいなんです」
「だからと言って、嘘はいけませんよね」
学園長はうなだれ、処罰されることが決定されたようだ。
その後、噂で聞いたのだが、リリアにケガをさせた貴族たちは陛下によってそれなりの罰が与えられたと、いつも来る常連客が語っていた。
回復魔法が使えて本当に良かった。
それでも全回復できるわけではない。
軋む体にムチ打ち、アルバイトに行くと、不機嫌そうな店主が椅子に座っていた。
「おはようございます」
「リリアちゃん、けがは大丈夫なのかい?」
「……どうして知っているんですか?」
「今、学生が食べに来てその話で盛り上がっていたんだ。
あまりにも不愉快なので学園側に抗議しに行くところだよ!」
「今頃町中の人間が抗議に出かけようと話し合っているところだ」
「……なぜそこまで親切にしてくれるんですか?」
「何故?
そりゃーリリアちゃんはここの従業員出し、大事な仲間だからに決まっているだろ」
「地味でブスなのにですか?」
「地味? ブス?
リリアちゃんが?」
私はうなずき、今までのことを話して聞かせると、憤慨していた。
「学園で、一人で実験だと!!!!!!
ふざけんのもいい加減にしろ!!!!!!!!
教師もみてみぬふりだと!!!!
どれだけ偉い貴族が通っているか知らないが、あそこは身分は関係ないはずだ!」
そういうと町のみんなと話し合い抗議に行ってしまった。
あたふたしていると、同じアルバイトで入っているルークさんに頭を撫でられた。
「大丈夫ですよ、町のみんなの他にあの人が動きますからね」
訳のわからないことを言う彼に首を傾げ胡散臭げに見てしまった私は悪くないと思う。
俺は町のみんなを代表して来ている。
学園長は冷や汗ダラダラで顔色が悪い。
部屋に入るとその理由が分かった。
確かにこれでは気の弱い学園長はひとたまりもないな。
「ところで、なぜリリアはあれだけのけがをしたんですか?」
「それはですね……」
学園長の話はリリアとは真逆でリリアが実験で失敗し暴発させたとのこと、一人で実験していたのも先生が何度も他の人と一緒にやれと言っても聞かなかったと言っていた。
「そうですか、それを言っているクラスの全員と先生が共犯ということですか、わかりました」
「共犯だなんて、すべてリリア嬢の独断でのことです」
すると、隣にいた男は変な機械を取り出し壁に何かを映し出していた。
それはクラスで孤立するリリアで、周りでクスクス笑うご令嬢の姿だった。
先生も見て見ぬふりをしているようだ。
「これでもそう言い切れるんですか、ならこれはどうです?」
すると今度はあの事故の場面だ。
確かにリリアは一人で実験をしているし、隣で実験していた子たちはわざとリリアにケガをさせるために爆発させたようだ。
「これを見てまだ言い切れるんですか?」
「……こんなことって……すみません、あのクラスには有力な貴族の子供たちもいまして、先生たちも逆らえなかったみたいなんです」
「だからと言って、嘘はいけませんよね」
学園長はうなだれ、処罰されることが決定されたようだ。
その後、噂で聞いたのだが、リリアにケガをさせた貴族たちは陛下によってそれなりの罰が与えられたと、いつも来る常連客が語っていた。
23
お気に入りに追加
1,653
あなたにおすすめの小説
どうやら私(オタク)は乙女ゲームの主人公の親友令嬢に転生したらしい
海亜
恋愛
大交通事故が起きその犠牲者の1人となった私(オタク)。
その後、私は赤ちゃんー璃杏ーに転生する。
赤ちゃんライフを満喫する私だが生まれた場所は公爵家。
だから、礼儀作法・音楽レッスン・ダンスレッスン・勉強・魔法講座!?と様々な習い事がもっさりある。
私のHPは限界です!!
なのになのに!!5歳の誕生日パーティの日あることがきっかけで、大人気乙女ゲーム『恋は泡のように』通称『恋泡』の主人公の親友令嬢に転生したことが判明する。
しかも、親友令嬢には小さい頃からいろんな悲劇にあっているなんとも言えないキャラなのだ!
でも、そんな未来私(オタクでかなりの人見知りと口下手)が変えてみせる!!
そして、あわよくば最後までできなかった乙女ゲームを鑑賞したい!!・・・・うへへ
だけど・・・・・・主人公・悪役令嬢・攻略対象の性格が少し違うような?
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいと思います!
この作品をよろしくお願いします!m(_ _)m
【完結】転生したら脳筋一家の令嬢でしたが、インテリ公爵令息と結ばれたので万事OKです。
櫻野くるみ
恋愛
ある日前世の記憶が戻ったら、この世界が乙女ゲームの舞台だと思い至った侯爵令嬢のルイーザ。
兄のテオドールが攻略対象になっていたことを思い出すと共に、大変なことに気付いてしまった。
ゲーム内でテオドールは「脳筋枠」キャラであり、家族もまとめて「脳筋一家」だったのである。
私も脳筋ってこと!?
それはイヤ!!
前世でリケジョだったルイーザが、脳筋令嬢からの脱却を目指し奮闘したら、推しの攻略対象のインテリ公爵令息と恋に落ちたお話です。
ゆるく軽いラブコメ目指しています。
最終話が長くなってしまいましたが、完結しました。
小説家になろう様でも投稿を始めました。少し修正したところがあります。
悪役令嬢?いま忙しいので後でやります
みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった!
しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢?
私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
築地シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
【完結】悪役令嬢に転生したのでこっちから婚約破棄してみました。
ぴえろん
恋愛
私の名前は氷見雪奈。26歳彼氏無し、OLとして平凡な人生を送るアラサーだった。残業で疲れてソファで寝てしまい、慌てて起きたら大好きだった小説「花に愛された少女」に出てくる悪役令嬢の「アリス」に転生していました。・・・・ちょっと待って。アリスって確か、王子の婚約者だけど、王子から寵愛を受けている女の子に嫉妬して毒殺しようとして、その罪で処刑される結末だよね・・・!?いや冗談じゃないから!他人の罪で処刑されるなんて死んでも嫌だから!そうなる前に、王子なんてこっちから婚約破棄してやる!!
恋愛戦線からあぶれた公爵令嬢ですので、私は官僚になります~就業内容は無茶振り皇子の我儘に付き合うことでしょうか?~
めもぐあい
恋愛
公爵令嬢として皆に慕われ、平穏な学生生活を送っていたモニカ。ところが最終学年になってすぐ、親友と思っていた伯爵令嬢に裏切られ、いつの間にか悪役公爵令嬢にされ苛めに遭うようになる。
そのせいで、貴族社会で慣例となっている『女性が学園を卒業するのに合わせて男性が婚約の申し入れをする』からもあぶれてしまった。
家にも迷惑を掛けずに一人で生きていくためトップであり続けた成績を活かし官僚となって働き始めたが、仕事内容は第二皇子の無茶振りに付き合う事。社会人になりたてのモニカは日々奮闘するが――
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる