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私は自分を虐めていた姉のローザがざまぁされていたとは露知らず、学校が始まり勉学にバイトに頑張っていた。
勉強は楽しかった。
それに侯爵さまはたまに来てはお話を聞いてくれ、おいしいご飯を食べさせてくれたり、ケーキを食べさせてくれたりと楽しい時間を過ごさせてくれた。
でもたまに良いのかと思っている。
まかりなりにもお姉さまの婚約者だ。
変な噂がたったら大変なことになってしまう。
さりげなく聞いたが、大丈夫の一点張りでそれ以上は聞けなった。
私は侯爵さまとおしゃべりできて嬉しいけど、侯爵様は私なんかといて楽しいのか疑問にも思っていた。
そんな時、侯爵さまと他の女性が話しているところに出くわしてしまい、すぐに身を隠してしまった。
「クリス様お久しぶりです」
「これはこれはどうされたんですか?」
「クリスさまが時たま町に出かけていると、風の噂で聞きましたので、クリスさまに会いたくて来てしまいました」
「わざわざこのようなところに来るなど御身に何かあったらどうするのですか?」
「その時はもちろん責任取ってくれますよね?」
「それなら責任ではなく私でよければ喜んでお相手と務めますよ」
「あら、悪い人ね、ここには会いに来ている子がいるのでしょ?」
「ああ、あれは違いますよ。
あんな地味な女私の趣味じゃありません」
「本当に悪いお人ね。
その気にさせて落とすなんて……」
「向こうもいい思いしたんですから、それに潮時です」
私は目の前が暗くなってしまった。
そうだよね。
「優しいから勘違いしちゃった。
大丈夫、いつものことじゃないか!
今回も大丈夫!」
私はどうやって寮まで帰ってきたのかわからないが、ひとしきり泣くと眠ってしまったのか、目を覚ますと朝になっていた。
鏡を見ると目が真っ赤に腫れていた。
「……、回復」
回復魔法で目の腫れを治すと朝食を取らずに学園に向かい教室にはいった。
はっきり言えば学校も馴染めずにいたのだ。
私は社交界に出たことがないので貴族といえど、周りの人が誰なのかわからない。
それに貴族だけあって、このクラスは美男美女しかいないクラスで、私一人地味でおブスなのだ。
友達さえできずに絶賛お一人様だ。
先生でさえ私を見て見ぬ振りをして、授業を進めている。
「……」
家族でさえそうなのなら他人はもっとシビアなのは仕方ないよね。
実験もグループに入れてもらえないので一人でやっているのだ。
侯爵さまとはあれ以来会っていない、すべて断っているのだ。
あんな事聞いたら、素直に会うことが出来ない。
そんな時隣のグループの失敗に巻き込まれケガをした時、慌てて駆けつけてくれた侯爵さまにお礼だけ言って帰ってもらった。
身動きが取れずにいるので、欲しいものがあっても誰も助けてもらえないのは当たり前だ。
何とか、回復魔法で歩けるまで回復させ、アルバイトに出かけた。
勉強は楽しかった。
それに侯爵さまはたまに来てはお話を聞いてくれ、おいしいご飯を食べさせてくれたり、ケーキを食べさせてくれたりと楽しい時間を過ごさせてくれた。
でもたまに良いのかと思っている。
まかりなりにもお姉さまの婚約者だ。
変な噂がたったら大変なことになってしまう。
さりげなく聞いたが、大丈夫の一点張りでそれ以上は聞けなった。
私は侯爵さまとおしゃべりできて嬉しいけど、侯爵様は私なんかといて楽しいのか疑問にも思っていた。
そんな時、侯爵さまと他の女性が話しているところに出くわしてしまい、すぐに身を隠してしまった。
「クリス様お久しぶりです」
「これはこれはどうされたんですか?」
「クリスさまが時たま町に出かけていると、風の噂で聞きましたので、クリスさまに会いたくて来てしまいました」
「わざわざこのようなところに来るなど御身に何かあったらどうするのですか?」
「その時はもちろん責任取ってくれますよね?」
「それなら責任ではなく私でよければ喜んでお相手と務めますよ」
「あら、悪い人ね、ここには会いに来ている子がいるのでしょ?」
「ああ、あれは違いますよ。
あんな地味な女私の趣味じゃありません」
「本当に悪いお人ね。
その気にさせて落とすなんて……」
「向こうもいい思いしたんですから、それに潮時です」
私は目の前が暗くなってしまった。
そうだよね。
「優しいから勘違いしちゃった。
大丈夫、いつものことじゃないか!
今回も大丈夫!」
私はどうやって寮まで帰ってきたのかわからないが、ひとしきり泣くと眠ってしまったのか、目を覚ますと朝になっていた。
鏡を見ると目が真っ赤に腫れていた。
「……、回復」
回復魔法で目の腫れを治すと朝食を取らずに学園に向かい教室にはいった。
はっきり言えば学校も馴染めずにいたのだ。
私は社交界に出たことがないので貴族といえど、周りの人が誰なのかわからない。
それに貴族だけあって、このクラスは美男美女しかいないクラスで、私一人地味でおブスなのだ。
友達さえできずに絶賛お一人様だ。
先生でさえ私を見て見ぬ振りをして、授業を進めている。
「……」
家族でさえそうなのなら他人はもっとシビアなのは仕方ないよね。
実験もグループに入れてもらえないので一人でやっているのだ。
侯爵さまとはあれ以来会っていない、すべて断っているのだ。
あんな事聞いたら、素直に会うことが出来ない。
そんな時隣のグループの失敗に巻き込まれケガをした時、慌てて駆けつけてくれた侯爵さまにお礼だけ言って帰ってもらった。
身動きが取れずにいるので、欲しいものがあっても誰も助けてもらえないのは当たり前だ。
何とか、回復魔法で歩けるまで回復させ、アルバイトに出かけた。
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