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今日がお城でのデビュー当日です。
私以外は喜々として新しいドレスに身を包み、お城でのパーティーに出かけていきました。
新しいドレスを新調する金があるなら私のドレスぐらい新調出来たろうにと思いましたが、余計なことは言いません。
私は、その間に荷物を持って出ていくことなったのです。
執事とメイド長に挨拶をすると馬車に乗り込み学校まで送ってもらいました。
学校は休みと合ってガランとしていましたが、事情は話してありますし、義兄が色々手を回してくれて寮に早めに入れるようにしてくれたので本当に頼りになる兄です。
ありがたいです。
多分私がデビューなのを知っているので今日を楽しみにしてくれていたと思いますが、それだけが残念でなりません。
出来た義兄ですので、察してくれるでしょう。
「すみません、リリア ハットフルです」
「聞いているよ。
女子寮は受付を出て右側だ。
これが部屋のカギだ。
部屋は二階の一番奥、わからないことがあれば寮長に聞くと良い」
「ありがとうございます」
私は荷物を持って部屋に向かった。
荷物もそんなにないのですぐに片付けが終わり外を見て回ることにした。
たまたま入った食堂で従業員募集の張り紙を見て、すぐに店の主人に声をかけるそれはそれは大柄な男性が出てきたのだ。
「食堂は夕方からないんだ、もう少ししたら来てくれ」
「違います、確かにやっていれば食べたかったですけど、従業員募集の張り紙を見て声をかけたんです」
「ああ、あれな結構荒くれどもも来るがそれでもいいなら明日から来てくれ」
「ありがとうございます、明日からよろしくお願いします」
「何か言われたりされたら気兼ねなく言ってくれよ」
「はい」
気のいい店主でここならやっていけそうだと思った。
食堂を後にすると、早めの夕食を食べるために出店に向かいサンドイッチを買い寮に戻ったのだ。
少し早めの夕飯を食べシャワーで一日の疲れを取り早めの就寝となった。
思ったより疲れていたのかすぐに眠りについてしまった。
その頃ハットフル家ではリリアがいないのに気付かずに今日の出来事を思い出し笑っていた。
「私よりきれいな令嬢はいなかったわね」
「そりゃーお前は自慢の娘だからな、もしかしたら王子妃も狙えたかもな」
「それもいいかもしれないわ、でも私王子様はあまり趣味じゃないの、だから侯爵様でいいわ」
「欲がないな、お前なら王子妃も夢じゃないだろ」
「王子妃だと制限があるから、やはりそこはある程度自由な侯爵が一番よ、それに顔が好みなのよ」
下品な会話に耳を塞ぎたくなったが耐えた。
子爵家に仕えている者に防犯の為に侯爵さまが支給してくれたものだ。
もちろん子爵家の者は誰も知らない、メイドにピアス型の防犯カメラで一部始終を録画されているとも知らずにべらべらと喋る。
メイドは何故こんな親からリリアのような良い子が生まれたのかと不思議でならなかった。
ハットフル家の使えるメイドは執事とメイド長以外全員新しいメイドたちにされている。
少しでもローザの機嫌を取るためにとられた処置だった。
私以外は喜々として新しいドレスに身を包み、お城でのパーティーに出かけていきました。
新しいドレスを新調する金があるなら私のドレスぐらい新調出来たろうにと思いましたが、余計なことは言いません。
私は、その間に荷物を持って出ていくことなったのです。
執事とメイド長に挨拶をすると馬車に乗り込み学校まで送ってもらいました。
学校は休みと合ってガランとしていましたが、事情は話してありますし、義兄が色々手を回してくれて寮に早めに入れるようにしてくれたので本当に頼りになる兄です。
ありがたいです。
多分私がデビューなのを知っているので今日を楽しみにしてくれていたと思いますが、それだけが残念でなりません。
出来た義兄ですので、察してくれるでしょう。
「すみません、リリア ハットフルです」
「聞いているよ。
女子寮は受付を出て右側だ。
これが部屋のカギだ。
部屋は二階の一番奥、わからないことがあれば寮長に聞くと良い」
「ありがとうございます」
私は荷物を持って部屋に向かった。
荷物もそんなにないのですぐに片付けが終わり外を見て回ることにした。
たまたま入った食堂で従業員募集の張り紙を見て、すぐに店の主人に声をかけるそれはそれは大柄な男性が出てきたのだ。
「食堂は夕方からないんだ、もう少ししたら来てくれ」
「違います、確かにやっていれば食べたかったですけど、従業員募集の張り紙を見て声をかけたんです」
「ああ、あれな結構荒くれどもも来るがそれでもいいなら明日から来てくれ」
「ありがとうございます、明日からよろしくお願いします」
「何か言われたりされたら気兼ねなく言ってくれよ」
「はい」
気のいい店主でここならやっていけそうだと思った。
食堂を後にすると、早めの夕食を食べるために出店に向かいサンドイッチを買い寮に戻ったのだ。
少し早めの夕飯を食べシャワーで一日の疲れを取り早めの就寝となった。
思ったより疲れていたのかすぐに眠りについてしまった。
その頃ハットフル家ではリリアがいないのに気付かずに今日の出来事を思い出し笑っていた。
「私よりきれいな令嬢はいなかったわね」
「そりゃーお前は自慢の娘だからな、もしかしたら王子妃も狙えたかもな」
「それもいいかもしれないわ、でも私王子様はあまり趣味じゃないの、だから侯爵様でいいわ」
「欲がないな、お前なら王子妃も夢じゃないだろ」
「王子妃だと制限があるから、やはりそこはある程度自由な侯爵が一番よ、それに顔が好みなのよ」
下品な会話に耳を塞ぎたくなったが耐えた。
子爵家に仕えている者に防犯の為に侯爵さまが支給してくれたものだ。
もちろん子爵家の者は誰も知らない、メイドにピアス型の防犯カメラで一部始終を録画されているとも知らずにべらべらと喋る。
メイドは何故こんな親からリリアのような良い子が生まれたのかと不思議でならなかった。
ハットフル家の使えるメイドは執事とメイド長以外全員新しいメイドたちにされている。
少しでもローザの機嫌を取るためにとられた処置だった。
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