嫌われ令嬢は戦地に赴く

りまり

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 私の記憶が正しければ物心つくころには私は家族に疎まれていたと思う。

 兄さまや姉さまに家庭教師は付いても私にはつけてもらえなかったり、食事は一人部屋で取ったり家族で出かける時や旅行は私は連れて行ってもらえなかったりと数え上げたらきりがない。

 そんな中私を哀れに思ったのか、一人でも生きていけるように執事が剣や魔法の使い方を教えてくれ、執事の行動を見て時間の空いた侍女たちが、一通りのマナーや勉強を教えてくれたのだ。

 彼らの愛情により私は感情を表に表すことが出来るようになったが、両親を前にすると無表情になり気持ち悪がられ虫の居所が悪かったり嫌なことがあると毎回殴る蹴るの暴行を加えられた。

 その度に執事や家令に医師に連れて行ってもらい診断書を貰いその足で教会のシスターに懺悔を聞いてもらった。

 決して両親を訴えようとしたわけではないしただの保険の代わりだった。

 あれから数年たちかなりの診断書がたまり、シスターや牧師たちからも心配されいつでも逃げてきていいと勧められたりとそれなりの生活をしていた。

 教会は独立した場所なので高位貴族と言えど手を出すことが出来ない。

 私もまだ貴族籍に入っているので、貴族の子供は十五歳になると学校に入学することが義務付けられ、私も例外なく入学しなければならなかった。

 ドレスなど着たことのない私は執事に教えてもらった剣と魔法を活かした騎士科に入学することにしたのだ。

 この家にいなくていいのならどこだっていいと思っていたから、学校に入り寮での生活は天国だった。

 まだまだ女性が騎士になろうと思うものはおらず、今年も私一人だけだと言っていたぐらいだ。

 学校と協議した結果、あえて男として入学し寮生活を送ることにしたのだ。

 今は魔道具という便利な道具もあるし、魔法で男に見せかけることもできる。

 こうして私の学校生活がスタートしようとしていた。

 

 

 
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