邪魔者は消えようと思たのですが……どういう訳か離してくれません

29

　とうとう妹のシナが入学してきた。

　これで私の楽しかった学園生活は終わる。

　仲良くなった仲間たちはみんな離れて行ってしまう。

　そう思っていたのだけど……

　妹のシナが来たんだけど……思っていたようなことが起こらない。

　それに何だろう……シナ太った？

　だいぶふくよかになったような気がするのだ。

　「あの人すごくない？」

　「あれって、騎士科にいるレナ様の妹君だそうよ」

　「あの人が！！！！」

　聞こえてくる声は私と妹を比べるものだが……今までと違うような……なんていえばいいかわからない。

　それでも今までと違うことに私はホッとしていた。

　「安心した？」

　「どうなっているの？
　前だったらこうもてはやされていたような気がするんだけど……」

　「知ってしまえば防ぐこともできる。
　彼女は魅了と言う魔法を無意識にまき散らしていたからねそれを封印したんだよ」

　「……実感がわきません。
　では兄のシオンがしきりにシナの所に通うっていたのも魅了にかかっていたからなんですね」

　「シオンは光属性があるからかからないよ。
　シオンが通っていたのはシナ嬢を太らせるために色々と策を練っていたようだよ」

　「かなりふくよかになったね」

　「ですよね、以前の二倍にはなっていますよね」

　「これもある王族がふくよかな女性を好む傾向にあるというからだけどね」

　どうも殿下たちの話はよくわかりません。

　確かに一年生に留学生がいるのは知っていますが……それとこれとどういう関係があるのでしょう？

　それにしてもシナは肥えましたね。

　お兄さまもあそこまで肥えさせるのにどれだけの物を与えたのでしょうか？

　そういえばお兄さま鍛錬を頑張っていたような……

　今のシナの姿は、お兄さまのたゆまぬ努力の賜物なのですね。

　誰からも相手にされずシナの顔は怒りに満ちていたがここで問題を起こせばただでは済まない。

　長かった入学式も滞りなく終わり、私たちも教室に向かった時一年生に呼び止められたのだ。