邪魔者は消えようと思たのですが……どういう訳か離してくれません

りまり

文字の大きさ
上 下
24 / 31

24 シオンside7

しおりを挟む
 俺の想像をはるかに超えたことが起こった。

 殿下たちはレナに近づきだしたのだ。

 レナは俺の言いつけを守りそっけなくしていたが、余りにもしっつこく付きまといレナが折れたのだ。

 それからというものレナの両隣は殿下たちの物になってしまった。

 俺のレナにベタベタと触るな!!!!!

 俺は卒業してから騎士団に入団し近衛兵にまで上り詰めた。

 殿下の護衛として学園に行くこともあるのだが……そのたびに腸が煮えくり返る思いがしていた。

 ただ救いなのはレナは殿下たちに興味がなくベタベタされることも嫌いそのたびにイヤそうな顔で対応している姿を目撃するたびにざまあみろと思ってしまう俺は心が狭いと言われても仕方ない。

 仕方ないが、俺の初恋であり心の支えのレナを殿下たちに与えるつもりはない!!!!!

 それにあいつが動き出したのも気になるしな。

 俺は両親と話し合いシナの封印を弱くし、あいつに備えることにしたのだ。

 その為には俺自らが犠牲となり、シナの信用を勝ち取るためにシナの元を訪れた。

 始めはおじいさまも反対していたが、レナを傷つけたあいつだけは許せなかったのだ。

 最新の注意を払い俺自身がシナの魅了にかかからない様にした。

 かかったふりをしシナを持ち上げた。脳内お花畑のこいつはすぐに俺を信用し俺の言いなりになってくれた。

 後少しだ……あいつも今年入学してくると聞いた。

 留学していたようでレナと学年が違うので関わらないと思うが念のためだ。

 この二年間でかなり殿下たちとレナの距離は縮まったみたいだが、今回ばかりはあいつから守ってもらうために目をつぶることにしたんだが、俺のレナに触るな!!!!!!

 入学式当日俺と両親は式に出席していた。

 レナの姿も確認したが殿下たちの奴レナにベタベタ触ってやがる!!!!!

 怒りに任せてそちらに向かいそうになったが、両親に止められ我に返りグッとこらえた。

 今すぐそっちに行ってレナを抱きしめたい。

 レナの匂いを堪能したい!!!!!!!

 でもあいつを地獄に叩き落とすまでは……殿下たちにも説明し協力を仰ごう。

 俺ばかり損な役回りはムカつくからな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「わかれよう」そうおっしゃったのはあなたの方だったのに。

友坂 悠
恋愛
侯爵夫人のマリエルは、夫のジュリウスから一年後の離縁を提案される。 あと一年白い結婚を続ければ、世間体を気にせず離婚できるから、と。 ジュリウスにとっては亡き父が進めた政略結婚、侯爵位を継いだ今、それを解消したいと思っていたのだった。 「君にだってきっと本当に好きな人が現れるさ。私は元々こうした政略婚は嫌いだったんだ。父に逆らうことができず君を娶ってしまったことは本当に後悔している。だからさ、一年後には離婚をして、第二の人生をちゃんと歩んでいくべきだと思うんだよ。お互いにね」 「わかりました……」 「私は君を解放してあげたいんだ。君が幸せになるために」 そうおっしゃるジュリウスに、逆らうこともできず受け入れるマリエルだったけれど……。 勘違い、すれ違いな夫婦の恋。 前半はヒロイン、中盤はヒーロー視点でお贈りします。 四万字ほどの中編。お楽しみいただけたらうれしいです。 ※本編はマリエルの感情がメインだったこともあってマリエル一人称をベースにジュリウス視点を入れていましたが、番外部分は基本三人称でお送りしています。

ご安心を、2度とその手を求める事はありません

ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・ それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望

【完結】愛されない令嬢は全てを諦めた

ツカノ
恋愛
繰り返し夢を見る。それは男爵令嬢と真実の愛を見つけた婚約者に婚約破棄された挙げ句に処刑される夢。 夢を見る度に、婚約者との顔合わせの当日に巻き戻ってしまう。 令嬢が諦めの境地に至った時、いつもとは違う展開になったのだった。 三話完結予定。

もう、愛はいりませんから

さくたろう
恋愛
 ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。  王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。

真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください

LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。 伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。 真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。 (他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…) (1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)

お久しぶりですね、元婚約者様。わたしを捨てて幸せになれましたか?

柚木ゆず
恋愛
 こんなことがあるなんて、予想外でした。  わたしが伯爵令嬢ミント・ロヴィックという名前と立場を失う原因となった、8年前の婚約破棄。当時わたしを裏切った人と、偶然出会いました。  元婚約者のレオナルド様。貴方様は『お前がいると不幸になる』と言い出し、理不尽な形でわたしとの関係を絶ちましたよね?  あのあと。貴方様はわたしを捨てて、幸せになれましたか?

女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜

流雲青人
恋愛
子爵令嬢のプレセアは目の前に広がる光景に静かに涙を零した。 偶然にも居合わせてしまったのだ。 学園の裏庭で、婚約者がプレセアの友人へと告白している場面に。 そして後日、婚約者に呼び出され告げられた。 「君を女性として見ることが出来ない」 幼馴染であり、共に過ごして来た時間はとても長い。 その中でどうやら彼はプレセアを友人以上として見れなくなってしまったらしい。 「俺の事は忘れて幸せになって欲しい。君は幸せになるべき人だから」 大切な二人だからこそ、清く身を引いて、大好きな人と友人の恋を応援したい。 そう思っている筈なのに、恋心がその気持ちを邪魔してきて...。 ※ ゆるふわ設定です。 完結しました。

平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。 平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。 家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。 愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。

処理中です...