邪魔者は消えようと思たのですが……どういう訳か離してくれません

16 シオンside 2

　始めのうちは叱っていたことも時がたつにつれ言わなくなり、使用人たちの態度もだんだんに冷たいものになっていったのだ。

　食卓にもレナは現れなくなった。

　どんどん痩せていくレナに事情を聴くと、兵士たちと取る昼食以外はご飯を食べていないことがわかったのだ。

　俺は使用人たちに話を聞くと、シナに意地悪するので罰で食事を出さないと言ったのだ。

　「レナは朝から晩まで俺や兵士、各学科の先生たちと一緒にいるんだぞ！！！！
　そんな多忙なレナが意地悪している時間などないだろ！！！！」

　「……シナさまがそう言ってたんです」

　どの使用人たちもみなシナがシナがというだけだった。

　そんな時父上が一人の少年を連れてきた。

　レナの婚約者だという少年は病弱で、空気が良いここに養生しに来たのだがこいつがレナに対して暴言を吐きまくり、レナがいるからとほざいたおかげでレナは魔の森にある小屋に行かされることとなってしまったのだ。

　俺は腸が煮えくり返る思いがした。

　レナの婚約者だというだけでも許せないのに、何も知らないこいつがレナに暴言を吐くなど許せなかった。

　さらに悪いことに、シナはこいつを気に入り婚約者の地位まで奪ったのだ。

　俺としてはレナを失わないで済んだので感謝しかないが……俺は教師たちと手分けしてこの状況がどうしてなっているかを調べていった。

　その間もレナは危険な目にあっているのだ。

　兵士たちもレナの様子を手分けして見に行くように自主的に行動してくれたので大事には至らないと思うが、なんとしても原因を突き止めたい。

　俺はレナが登録したギルドに行き、俺自身も登録しギルドマスターに相談したのだ。

　あれだけ苦労したこともギルドマスターの力で解明できたし、レナを保護してもらえたのには感謝しかない。

　それから何か月かはレナの安全が保障された。