14 / 31
14
しおりを挟む
あっという間に学園に入ることになり王都に行くことになったのだが……お兄さまの笑顔が怖いのです。
私はこれでも辺境伯の娘ですから入学するのはもちろん騎士科なのですが……どうやらお兄さまはそれがお気に召さないようで朝から仏頂面なのです。
「いい加減にしなさい、騎士科なら自分より強い女など嫁にはしたくないはずです。
このままでいけばシオンの花嫁なんですよ。
男ならドンと構えていなさい」
「どうせ俺は許容範囲が狭いですよ。
それは仕方ないではありませんか!!!!
同じ学年に殿下たちがいるんですよ。
あの人たちに気に入られれば手の届かない所に行ってしまうではありませんか!!!!!」
どっちみち気に入られれば手も足も出ないですよね。
だいたいお話に聞く殿下たちはハイスペックな人たちで、女性に対してもかなり高い教養を求めていると風の噂で聞いた。
「お兄さまそれはありませんよ。
王妃になるためにはそれなりの教養が必要だと聞きました。
私が入学するのは騎士科です。そんな女を王妃にとは思いませんよ」
私はお兄さまに笑って答えた。
「お前は分かっていないんだ。
あの人たちはそんなこと気にするような人たちじゃないんだ」
お兄さまは一体何を心配しているんだと思うのだが……お兄さまはあれ以来本当に嫉妬深いのだ。
「お兄さま大丈夫です。
大好きなのはお兄さまですよ」
そういうとお兄さまは蕩けるような笑顔で私を抱きしめてきた。
マジでお兄さまは私を口説いてくるようになって少し困っているのだが、それを言うとお兄さまは私を屋敷から出してもらえなくなるのだ。
「シオンは遠慮しなくなったみたいだね」
「対応に困ります」
「それだけ本気だったんだろ、いい加減諦めたらどうだい」
「それはそれで負けたような気がしますし……」
「程々にしないとシオンを誰かに取られちゃうからね」
「そうですね。
でも私と結婚するよりいいと思います。
お兄さまを愛してくれる人の方がお兄さまも幸せだと思うます」
「そうとは限らないけど……シオンも言い寄られているようだから時間の問題だね」
おばあさまは何が可笑しいのか笑いながら去っていった。
時たまおばあさまの行動がわからなくなってくる。
「レナこれからは俺のことをシオンと呼んでくれ」
「お兄さまはお兄さまだよ」
「大丈夫だ、父上も賛成してくれているから卒業したら婚約して結婚だ」
兄よ話を進めないでくれ!!!!!!
最近の兄は話が通じないのは困るよ!!!!!!
私はこれでも辺境伯の娘ですから入学するのはもちろん騎士科なのですが……どうやらお兄さまはそれがお気に召さないようで朝から仏頂面なのです。
「いい加減にしなさい、騎士科なら自分より強い女など嫁にはしたくないはずです。
このままでいけばシオンの花嫁なんですよ。
男ならドンと構えていなさい」
「どうせ俺は許容範囲が狭いですよ。
それは仕方ないではありませんか!!!!
同じ学年に殿下たちがいるんですよ。
あの人たちに気に入られれば手の届かない所に行ってしまうではありませんか!!!!!」
どっちみち気に入られれば手も足も出ないですよね。
だいたいお話に聞く殿下たちはハイスペックな人たちで、女性に対してもかなり高い教養を求めていると風の噂で聞いた。
「お兄さまそれはありませんよ。
王妃になるためにはそれなりの教養が必要だと聞きました。
私が入学するのは騎士科です。そんな女を王妃にとは思いませんよ」
私はお兄さまに笑って答えた。
「お前は分かっていないんだ。
あの人たちはそんなこと気にするような人たちじゃないんだ」
お兄さまは一体何を心配しているんだと思うのだが……お兄さまはあれ以来本当に嫉妬深いのだ。
「お兄さま大丈夫です。
大好きなのはお兄さまですよ」
そういうとお兄さまは蕩けるような笑顔で私を抱きしめてきた。
マジでお兄さまは私を口説いてくるようになって少し困っているのだが、それを言うとお兄さまは私を屋敷から出してもらえなくなるのだ。
「シオンは遠慮しなくなったみたいだね」
「対応に困ります」
「それだけ本気だったんだろ、いい加減諦めたらどうだい」
「それはそれで負けたような気がしますし……」
「程々にしないとシオンを誰かに取られちゃうからね」
「そうですね。
でも私と結婚するよりいいと思います。
お兄さまを愛してくれる人の方がお兄さまも幸せだと思うます」
「そうとは限らないけど……シオンも言い寄られているようだから時間の問題だね」
おばあさまは何が可笑しいのか笑いながら去っていった。
時たまおばあさまの行動がわからなくなってくる。
「レナこれからは俺のことをシオンと呼んでくれ」
「お兄さまはお兄さまだよ」
「大丈夫だ、父上も賛成してくれているから卒業したら婚約して結婚だ」
兄よ話を進めないでくれ!!!!!!
最近の兄は話が通じないのは困るよ!!!!!!
83
お気に入りに追加
3,675
あなたにおすすめの小説

「わかれよう」そうおっしゃったのはあなたの方だったのに。
友坂 悠
恋愛
侯爵夫人のマリエルは、夫のジュリウスから一年後の離縁を提案される。
あと一年白い結婚を続ければ、世間体を気にせず離婚できるから、と。
ジュリウスにとっては亡き父が進めた政略結婚、侯爵位を継いだ今、それを解消したいと思っていたのだった。
「君にだってきっと本当に好きな人が現れるさ。私は元々こうした政略婚は嫌いだったんだ。父に逆らうことができず君を娶ってしまったことは本当に後悔している。だからさ、一年後には離婚をして、第二の人生をちゃんと歩んでいくべきだと思うんだよ。お互いにね」
「わかりました……」
「私は君を解放してあげたいんだ。君が幸せになるために」
そうおっしゃるジュリウスに、逆らうこともできず受け入れるマリエルだったけれど……。
勘違い、すれ違いな夫婦の恋。
前半はヒロイン、中盤はヒーロー視点でお贈りします。
四万字ほどの中編。お楽しみいただけたらうれしいです。
※本編はマリエルの感情がメインだったこともあってマリエル一人称をベースにジュリウス視点を入れていましたが、番外部分は基本三人称でお送りしています。

夫と親友が、私に隠れて抱き合っていました ~2人の幸せのため、黙って身を引こうと思います~
小倉みち
恋愛
元侯爵令嬢のティアナは、幼馴染のジェフリーの元へ嫁ぎ、穏やかな日々を過ごしていた。
激しい恋愛関係の末に結婚したというわけではなかったが、それでもお互いに思いやりを持っていた。
貴族にありがちで平凡な、だけど幸せな生活。
しかし、その幸せは約1年で終わりを告げることとなる。
ティアナとジェフリーがパーティに参加したある日のこと。
ジェフリーとはぐれてしまったティアナは、彼を探しに中庭へと向かう。
――そこで見たものは。
ジェフリーと自分の親友が、暗闇の中で抱き合っていた姿だった。
「……もう、この気持ちを抑えきれないわ」
「ティアナに悪いから」
「だけど、あなただってそうでしょう? 私、ずっと忘れられなかった」
そんな会話を聞いてしまったティアナは、頭が真っ白になった。
ショックだった。
ずっと信じてきた夫と親友の不貞。
しかし怒りより先に湧いてきたのは、彼らに幸せになってほしいという気持ち。
私さえいなければ。
私さえ身を引けば、私の大好きな2人はきっと幸せになれるはず。
ティアナは2人のため、黙って実家に帰ることにしたのだ。
だがお腹の中には既に、小さな命がいて――。

婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)

ご安心を、2度とその手を求める事はありません
ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・
それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望


もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。

【完結】愛されない令嬢は全てを諦めた
ツカノ
恋愛
繰り返し夢を見る。それは男爵令嬢と真実の愛を見つけた婚約者に婚約破棄された挙げ句に処刑される夢。
夢を見る度に、婚約者との顔合わせの当日に巻き戻ってしまう。
令嬢が諦めの境地に至った時、いつもとは違う展開になったのだった。
三話完結予定。

婚約者を追いかけるのはやめました
カレイ
恋愛
公爵令嬢クレアは婚約者に振り向いて欲しかった。だから頑張って可愛くなれるように努力した。
しかし、きつい縦巻きロール、ゴリゴリに巻いた髪、匂いの強い香水、婚約者に愛されたいがためにやったことは、全て侍女たちが嘘をついてクロアにやらせていることだった。
でも前世の記憶を取り戻した今は違う。髪もメイクもそのままで十分。今さら手のひら返しをしてきた婚約者にももう興味ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる