邪魔者は消えようと思たのですが……どういう訳か離してくれません

りまり

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 帰ってきて一週間たちますが……改善されません。

 料理長が気を利かせて料理を持ってきてくださいますが毎日ではありません。

 やっぱり戻ってくるんじゃなかった。

 あれ以来お父さまとお兄さまに会うことはかないませんでした。

 それに侍女による嫌がらせが酷くなっていったのです。

 そんな時祖父母たちが視察と言う名の旅行から帰ってきたのです。

 お二人は食卓に私がいないことに疑問を持ち探しに来てくれたのです。その頃になって皆の腕に同じようなブレスレットが付いていることに気が付きました。

 「これはどういうことだ……どうしてレナがこんな目に合っているんだ」

 「この子は妹を虐めているんです。当然の報いですわ」

 「レナそうなのか?」

 「違う!!!
 私は毎日剣術と魔法の練習でそんなことしている暇はないわ!!!!
 それに……私がいない間も私が虐めたと言っていたのよ、その時隣の領地にある街にいてギルドに名を連ねて冒険者として頑張っていました」

 「そろそろ演技もいいですね。
 レナすまん守ると言っておきながら守り切れなかったね」

 「レナが虐められているのを見て腸が煮えくり返る思いだったよ、だが一気に片を付けるためには状態異常回復の魔石でブレスレットを作って皆に配らなければならなかったからね。
 皆もとに戻ったが……やはり長くいすぎて中々母上の意識が戻らなくって焦ったよ」

 「息子よこれはどういう事だ」

 「父上面目次第もございません。
 妹のシナは闇属性でして、魔力も微々たるものでしたので戦闘には向かないと思い上二人とは別のメニューで勉強させたのですが……」

 「父さん違いますよ、シナは物心つくころからレナの持っているものを欲しがり、無理だと知ると侍女を使って持ってこさせていたんです。
 流石にそれは見逃せないので母上に相談し、その時の侍女はやめさせました。その頃から少しずつ屋敷の中がおかしかったのです」

 「我々は討伐など家を空けることが多かったし、騎士たちは屋敷にはあまり入りませんのでかからなかったのですが屋敷にいるようになり、お恥ずかしいのですが魅了の魔法にかかってしまったのです」

 「わかった、シナと言ったなお主の魔力は封じさせてもらう」

 「何故ですか!!!
 私が何をしたというのです」

 「魅了の魔法はご法度じゃ、無意識とはいえかけてしまっておる。
 このままにすればどれだけの被害者が出ることか……」

 「シナは何故レナの物を欲しがるのです?」

 「レナより私の方がかわいいからです。
 レナの物は私の物です」

 それを聞き母が泣き出してしまったのです。

 「これは手遅れでしかありませんね」

 おばあさまの意見に賛成だ。何をもって私の物がシナの物になるのだろう。

 もはや手遅れどころの話ではないですね。

 おじいさまとおばあさまは私とお兄さまを連れおじいさまたちの住まいに向かったのです。

 

 
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