6 / 31
6
しおりを挟む
私たちには多少なりとも魔力があり属性によって使える魔法が違うのだ。
私とお兄さまは全属性持ちで、魔力量も多く剣術とともに魔法も習っていたのだ。
それに比べ妹は闇属性で魔力量も少なく、体が弱いということで剣術も魔法も習わなかったのだ。
もしこの異常が妹の持っている闇属性によるものなら、妹は魔力を封じられ一生出てこれない修道院に入れられてしまうだろう。
それぐらい闇属性は危険な属性なのだ。
知っているはずの両親が何故と思うが、無意識に魅了の魔法を使っているのならあの子が王都に行けば大変なことになるのが目に見えていた。
私や兄が魅了にかからないのは闇属性を持っているからに過ぎない。
そんなことを思いながら私はウトウトしていた。
その頃ようやくギルドのある大きな街に入ることが出来た辺境伯軍にギルドマスターは慌てて出てきた。
「遠路はるばるありがとうございます」
「ここに来る途中かなりの魔物に出くわしたが、かなりひどいな」
「それに魔物除けの施されている小屋も破壊されていた」
小屋の破壊を知らせるとギルドマスターだけでなく周りにいた冒険者たちもすごい顔になった。
「小屋が破壊されていたって……あの子は無事なんですか?」
「あの子とは……?」
「辺境伯のご息女です!!
あの小屋で一人で暮らしているんですよ!!!」
「やっぱりあの子を一人にするんじゃなかった……いくら辺境伯の力を借りるからって……」
「妹は無事に暮らしていたのですね!!!」
「すみません、辺境伯の力を借りるためご息女にはここに近寄らない様にしてもらっていたのです」
「そんな……」
一人の冒険者が森に向かって走り出したのをきっかけに数人が後に続いた。
「辺境伯にはこれを付けてもらいます」
「これは?」
「ご息女の話を聞き急遽作らせたものです。
状態異常回復と言う魔法が込められた魔石をブレスレットとにしてあります」
「これを付けるとどうなるんだ?」
「今あなたは魅了と言う魔法にかかっています。
それははっきり言えば禁忌の魔法と言われているのです」
「私はそんなものにかかっていないぞ!!!」
「それとこれから戦う魔物の中には幻覚や麻痺など毒を含む魔物もいますので、付けておくに越したことはありません」
そう説得し、付けさせると辺境伯の体から陽炎のような黒い煙が立ち上りいきなり苦しみ出したのだ。
私とお兄さまは全属性持ちで、魔力量も多く剣術とともに魔法も習っていたのだ。
それに比べ妹は闇属性で魔力量も少なく、体が弱いということで剣術も魔法も習わなかったのだ。
もしこの異常が妹の持っている闇属性によるものなら、妹は魔力を封じられ一生出てこれない修道院に入れられてしまうだろう。
それぐらい闇属性は危険な属性なのだ。
知っているはずの両親が何故と思うが、無意識に魅了の魔法を使っているのならあの子が王都に行けば大変なことになるのが目に見えていた。
私や兄が魅了にかからないのは闇属性を持っているからに過ぎない。
そんなことを思いながら私はウトウトしていた。
その頃ようやくギルドのある大きな街に入ることが出来た辺境伯軍にギルドマスターは慌てて出てきた。
「遠路はるばるありがとうございます」
「ここに来る途中かなりの魔物に出くわしたが、かなりひどいな」
「それに魔物除けの施されている小屋も破壊されていた」
小屋の破壊を知らせるとギルドマスターだけでなく周りにいた冒険者たちもすごい顔になった。
「小屋が破壊されていたって……あの子は無事なんですか?」
「あの子とは……?」
「辺境伯のご息女です!!
あの小屋で一人で暮らしているんですよ!!!」
「やっぱりあの子を一人にするんじゃなかった……いくら辺境伯の力を借りるからって……」
「妹は無事に暮らしていたのですね!!!」
「すみません、辺境伯の力を借りるためご息女にはここに近寄らない様にしてもらっていたのです」
「そんな……」
一人の冒険者が森に向かって走り出したのをきっかけに数人が後に続いた。
「辺境伯にはこれを付けてもらいます」
「これは?」
「ご息女の話を聞き急遽作らせたものです。
状態異常回復と言う魔法が込められた魔石をブレスレットとにしてあります」
「これを付けるとどうなるんだ?」
「今あなたは魅了と言う魔法にかかっています。
それははっきり言えば禁忌の魔法と言われているのです」
「私はそんなものにかかっていないぞ!!!」
「それとこれから戦う魔物の中には幻覚や麻痺など毒を含む魔物もいますので、付けておくに越したことはありません」
そう説得し、付けさせると辺境伯の体から陽炎のような黒い煙が立ち上りいきなり苦しみ出したのだ。
5
お気に入りに追加
3,488
あなたにおすすめの小説
私と結婚したくないと言った貴方のために頑張りました! ~帝国一の頭脳を誇る姫君でも男心はわからない~
すだもみぢ
恋愛
リャルド王国の王女であるステラは、絶世の美女の姉妹に挟まれた中では残念な容姿の王女様と有名だった。
幼い頃に婚約した公爵家の息子であるスピネルにも「自分と婚約になったのは、その容姿だと貰い手がいないからだ」と初対面で言われてしまう。
「私なんかと結婚したくないのに、しなくちゃいけないなんて、この人は可哀想すぎる……!」
そう自分の婚約者を哀れんで、彼のためになんとかして婚約解消してあげようと決意をする。
苦労の末にその要件を整え、満を持して彼に婚約解消を申し込んだというのに、……なぜか婚約者は不満そうで……?
勘違いとすれ違いの恋模様のお話です。
ざまぁものではありません。
婚約破棄タグ入れてましたが、間違いです!!
申し訳ありません<(_ _)>
婚約者は私を愛していると言いますが、別の女のところに足しげく通うので、私は本当の愛を探します
早乙女 純
恋愛
私の婚約者であるアルベルトは、私に愛しているといつも言いますが、私以外の女の元に足しげく通います。そんな男なんて信用出来るはずもないので婚約を破棄して、私は新しいヒトを探します。
余命わずかな私は家族にとって邪魔なので死を選びますが、どうか気にしないでくださいね?
日々埋没。
恋愛
昔から病弱だった侯爵令嬢のカミラは、そのせいで婚約者からは婚約破棄をされ、世継ぎどころか貴族の長女として何の義務も果たせない自分は役立たずだと思い悩んでいた。
しかし寝たきり生活を送るカミラが出来ることといえば、家の恥である彼女を疎んでいるであろう家族のために自らの死を願うことだった。
そんなある日願いが通じたのか、突然の熱病で静かに息を引き取ったカミラ。
彼女の意識が途切れる最後の瞬間、これで残された家族は皆喜んでくれるだろう……と思いきや、ある男性のおかげでカミラに新たな人生が始まり――!?
お父様お母様、お久しぶりです。あの時わたしを捨ててくださりありがとうございます
柚木ゆず
恋愛
ヤニックお父様、ジネットお母様。お久しぶりです。
わたしはアヴァザール伯爵家の長女エマとして生まれ、6歳のころ貴方がたによって隣国に捨てられてしまいましたよね?
当時のわたしにとってお二人は大事な家族で、だからとても辛かった。寂しくて悲しくて、捨てられたわたしは絶望のどん底に落ちていました。
でも。
今は、捨てられてよかったと思っています。
だって、その出来事によってわたしは――。大切な人達と出会い、大好きな人と出逢うことができたのですから。
本日私は姉を卒業します!
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
公爵令嬢のアンジェリカには双子の妹アンジェラがいる。
生まれたのが数秒早かっただけで人生こんなに変わるもの⁈と思う程の依怙贔屓。
アンジェリカは妹の我儘に付き合わされながら日々を過ごしてきた。両親も何故か妹には甘々で、正直平等など存在しない。
ある日妹のアンジェラが王太子の元へ嫁ぐ事になり婚姻の儀が執り行われた。他国の来賓者達も出席する中アンジェリカはある事を実行に移す。アンジェラの姉として王太子とアンジェラに祝いを述べた最後に。
「アンジェラ、私は本日で貴女の姉を卒業します」と宣言した。無論周囲は騒然とする。妹は呆然と立ち尽くし、王太子は王太子妃を侮辱したとして不敬罪だと激怒し、国から追放すると言う。 アンジェリカは覚悟の上だったが「なら彼女は僕が妃に貰うよ」と隣国の王太子が名乗りを上げた。彼は超がつく程の美男子で実は妹が以前アプローチをしていた人物だった。妹は発狂して…婚儀はめちゃくちゃに…。
これでも全属性持ちのチートですが、兄弟からお前など不要だと言われたので冒険者になります。
りまり
恋愛
私の名前はエルムと言います。
伯爵家の長女なのですが……家はかなり落ちぶれています。
それを私が持ち直すのに頑張り、贅沢できるまでになったのに私はいらないから出て行けと言われたので出ていきます。
でも知りませんよ。
私がいるからこの贅沢ができるんですからね!!!!!!
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
信用してほしければそれ相応の態度を取ってください
haru.
恋愛
突然、婚約者の側に見知らぬ令嬢が居るようになった。両者共に恋愛感情はない、そのような関係ではないと言う。
「訳があって一緒に居るだけなんだ。どうか信じてほしい」
「ではその事情をお聞かせください」
「それは……ちょっと言えないんだ」
信じてと言うだけで何も話してくれない婚約者。信じたいけど、何をどう信じたらいいの。
二人の行動は更にエスカレートして周囲は彼等を秘密の関係なのではと疑い、私も婚約者を信じられなくなっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる