邪魔者は消えようと思たのですが……どういう訳か離してくれません

りまり

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 婚約者だと紹介され彼の顔を見た途端走馬灯のようにあの苦しかった日々が思いだされた。

 私はその場で気を失ってしまったおかげでその場は解散になったようだが、両親は一体何を考えているのだ。

 道理で兄が険しい顔で私を気遣ってくれたと思った。

 私は幼少期彼のせいで死にかけたことがあるのだ、だから幼少期に言っていた婚約者云々というのは流れたと思っていたのに今更なんで蒸し返してきたんだ。

 私の名前はレナ・マグニエールと言います。

 辺境伯家の長女として生まれ、当たり前のように兄と一緒に剣術と体術を習い馬も操っていた。

 それは辺境伯家に生まれた者の定めで、領民でさえそれは同じなのだ。

 だから妹が生まれ当たり前のように私たちと一緒に練習をするのだと思っていたのだが、妹は生まれつき体が弱く成人まで生きられないとさえ言われたぐらい年中熱を出していた。

 妹が生まれてから妹中心の生活が始まり、お姉ちゃんなんだからと我慢をさせられ10歳になるころには両親を頼ろうとは思わなくなっていたぐらいだ

 極めつけは兄や妹の誕生日会はやってもらえても私の誕生日の日になると妹は決まって熱を出しプレゼントだけ受け取りそれでおしまいになっていた。

 妹が生まれるまではきちんとしてもらった誕生日パーティーもどこかいい思い出になっているし、兄弟の誕生日も妹が嫌がるからと欠席させられている。

 兄はそんな私を不憫に思い数人の使用人に頼み兄と二人だけの誕生日を過ごした。

 祖父母はそんな両親に何度も苦言を言ってくれたのだが、両親の心には響かなかったのかもしれない。

 両親が間違いに気づいた時には私は死にかけていたのだから……
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