1 / 31
1
しおりを挟む
婚約者だと紹介され彼の顔を見た途端走馬灯のようにあの苦しかった日々が思いだされた。
私はその場で気を失ってしまったおかげでその場は解散になったようだが、両親は一体何を考えているのだ。
道理で兄が険しい顔で私を気遣ってくれたと思った。
私は幼少期彼のせいで死にかけたことがあるのだ、だから幼少期に言っていた婚約者云々というのは流れたと思っていたのに今更なんで蒸し返してきたんだ。
私の名前はレナ・マグニエールと言います。
辺境伯家の長女として生まれ、当たり前のように兄と一緒に剣術と体術を習い馬も操っていた。
それは辺境伯家に生まれた者の定めで、領民でさえそれは同じなのだ。
だから妹が生まれ当たり前のように私たちと一緒に練習をするのだと思っていたのだが、妹は生まれつき体が弱く成人まで生きられないとさえ言われたぐらい年中熱を出していた。
妹が生まれてから妹中心の生活が始まり、お姉ちゃんなんだからと我慢をさせられ10歳になるころには両親を頼ろうとは思わなくなっていたぐらいだ
極めつけは兄や妹の誕生日会はやってもらえても私の誕生日の日になると妹は決まって熱を出しプレゼントだけ受け取りそれでおしまいになっていた。
妹が生まれるまではきちんとしてもらった誕生日パーティーもどこかいい思い出になっているし、兄弟の誕生日も妹が嫌がるからと欠席させられている。
兄はそんな私を不憫に思い数人の使用人に頼み兄と二人だけの誕生日を過ごした。
祖父母はそんな両親に何度も苦言を言ってくれたのだが、両親の心には響かなかったのかもしれない。
両親が間違いに気づいた時には私は死にかけていたのだから……
私はその場で気を失ってしまったおかげでその場は解散になったようだが、両親は一体何を考えているのだ。
道理で兄が険しい顔で私を気遣ってくれたと思った。
私は幼少期彼のせいで死にかけたことがあるのだ、だから幼少期に言っていた婚約者云々というのは流れたと思っていたのに今更なんで蒸し返してきたんだ。
私の名前はレナ・マグニエールと言います。
辺境伯家の長女として生まれ、当たり前のように兄と一緒に剣術と体術を習い馬も操っていた。
それは辺境伯家に生まれた者の定めで、領民でさえそれは同じなのだ。
だから妹が生まれ当たり前のように私たちと一緒に練習をするのだと思っていたのだが、妹は生まれつき体が弱く成人まで生きられないとさえ言われたぐらい年中熱を出していた。
妹が生まれてから妹中心の生活が始まり、お姉ちゃんなんだからと我慢をさせられ10歳になるころには両親を頼ろうとは思わなくなっていたぐらいだ
極めつけは兄や妹の誕生日会はやってもらえても私の誕生日の日になると妹は決まって熱を出しプレゼントだけ受け取りそれでおしまいになっていた。
妹が生まれるまではきちんとしてもらった誕生日パーティーもどこかいい思い出になっているし、兄弟の誕生日も妹が嫌がるからと欠席させられている。
兄はそんな私を不憫に思い数人の使用人に頼み兄と二人だけの誕生日を過ごした。
祖父母はそんな両親に何度も苦言を言ってくれたのだが、両親の心には響かなかったのかもしれない。
両親が間違いに気づいた時には私は死にかけていたのだから……
122
お気に入りに追加
3,639
あなたにおすすめの小説

最初からここに私の居場所はなかった
kana
恋愛
死なないために媚びても駄目だった。
死なないために努力しても認められなかった。
死なないためにどんなに辛くても笑顔でいても無駄だった。
死なないために何をされても怒らなかったのに⋯⋯
だったら⋯⋯もう誰にも媚びる必要も、気を使う必要もないでしょう?
だから虚しい希望は捨てて生きるための準備を始めた。
二度目は、自分らしく生きると決めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
いつも稚拙な小説を読んでいただきありがとうございます。
私ごとですが、この度レジーナブックス様より『後悔している言われても⋯⋯ねえ?今さらですよ?』が1月31日頃に書籍化されることになりました~
これも読んでくださった皆様のおかげです。m(_ _)m
これからも皆様に楽しんでいただける作品をお届けできるように頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします(>人<;)

「わかれよう」そうおっしゃったのはあなたの方だったのに。
友坂 悠
恋愛
侯爵夫人のマリエルは、夫のジュリウスから一年後の離縁を提案される。
あと一年白い結婚を続ければ、世間体を気にせず離婚できるから、と。
ジュリウスにとっては亡き父が進めた政略結婚、侯爵位を継いだ今、それを解消したいと思っていたのだった。
「君にだってきっと本当に好きな人が現れるさ。私は元々こうした政略婚は嫌いだったんだ。父に逆らうことができず君を娶ってしまったことは本当に後悔している。だからさ、一年後には離婚をして、第二の人生をちゃんと歩んでいくべきだと思うんだよ。お互いにね」
「わかりました……」
「私は君を解放してあげたいんだ。君が幸せになるために」
そうおっしゃるジュリウスに、逆らうこともできず受け入れるマリエルだったけれど……。
勘違い、すれ違いな夫婦の恋。
前半はヒロイン、中盤はヒーロー視点でお贈りします。
四万字ほどの中編。お楽しみいただけたらうれしいです。
※本編はマリエルの感情がメインだったこともあってマリエル一人称をベースにジュリウス視点を入れていましたが、番外部分は基本三人称でお送りしています。

余命わずかな私は家族にとって邪魔なので死を選びますが、どうか気にしないでくださいね?
日々埋没。
恋愛
昔から病弱だった侯爵令嬢のカミラは、そのせいで婚約者からは婚約破棄をされ、世継ぎどころか貴族の長女として何の義務も果たせない自分は役立たずだと思い悩んでいた。
しかし寝たきり生活を送るカミラが出来ることといえば、家の恥である彼女を疎んでいるであろう家族のために自らの死を願うことだった。
そんなある日願いが通じたのか、突然の熱病で静かに息を引き取ったカミラ。
彼女の意識が途切れる最後の瞬間、これで残された家族は皆喜んでくれるだろう……と思いきや、ある男性のおかげでカミラに新たな人生が始まり――!?

【完結】愛していないと王子が言った
miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。
「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」
ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。
※合わない場合はそっ閉じお願いします。
※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。

夫と親友が、私に隠れて抱き合っていました ~2人の幸せのため、黙って身を引こうと思います~
小倉みち
恋愛
元侯爵令嬢のティアナは、幼馴染のジェフリーの元へ嫁ぎ、穏やかな日々を過ごしていた。
激しい恋愛関係の末に結婚したというわけではなかったが、それでもお互いに思いやりを持っていた。
貴族にありがちで平凡な、だけど幸せな生活。
しかし、その幸せは約1年で終わりを告げることとなる。
ティアナとジェフリーがパーティに参加したある日のこと。
ジェフリーとはぐれてしまったティアナは、彼を探しに中庭へと向かう。
――そこで見たものは。
ジェフリーと自分の親友が、暗闇の中で抱き合っていた姿だった。
「……もう、この気持ちを抑えきれないわ」
「ティアナに悪いから」
「だけど、あなただってそうでしょう? 私、ずっと忘れられなかった」
そんな会話を聞いてしまったティアナは、頭が真っ白になった。
ショックだった。
ずっと信じてきた夫と親友の不貞。
しかし怒りより先に湧いてきたのは、彼らに幸せになってほしいという気持ち。
私さえいなければ。
私さえ身を引けば、私の大好きな2人はきっと幸せになれるはず。
ティアナは2人のため、黙って実家に帰ることにしたのだ。
だがお腹の中には既に、小さな命がいて――。

婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)

本日より他人として生きさせていただきます
ネコ
恋愛
伯爵令嬢のアルマは、愛のない婚約者レオナードに尽くし続けてきた。しかし、彼の隣にはいつも「運命の相手」を自称する美女の姿が。家族も周囲もレオナードの一方的なわがままを容認するばかり。ある夜会で二人の逢瀬を目撃したアルマは、今さら怒る気力も失せてしまう。「それなら私は他人として過ごしましょう」そう告げて婚約破棄に踏み切る。だが、彼女が去った瞬間からレオナードの人生には不穏なほつれが生じ始めるのだった。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる