公爵家の長男だけど優秀な弟がいるので僕は騎士となりのし上ります

りまり

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冒険者編

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 「お父様やり過ぎですよ」

 「……レオン、俺と手合せしろ」

 「いいですよ、俺が勝ったら討伐に連れてってください」

 「なら、俺が勝ったらやらせろ」

 「……普通はあの儀式の時だけじゃないのですか?」

 「そうだが……レオンとやった時と他の奴とやった時では魔力の循環が違うんだ」

 「たまたまではなく?」

 「それを確かめたくって抱きたいんだ!」

 お父様に抱かれると絶対に一週間は身動き取れない。

 ここは絶対に負けられない。
 
 「いいですよ」

 明日、お父様との真剣勝負となり部屋で精神統一し気を落ち着かせていた。

 お互い負けられない戦いだが、負ける気がしない。

 俺は明日のことを考え早めに寝ることにした。

 勿論結界は忘れずにかけて寝ました。

 翌朝練習場に行くとすでに話を聞きつけた野次馬が押し寄せていた。

 「まるで見世物だな」

 「それだけお前の腕が気になるんだろ」

 「納得いく結果が出ればいいのですが、それにしてもかなりの数ですね」

 「そうだな、だからと言って上がって実力が出せなかったと言い訳は通用しないぞ」

 「言いませんよ、これぐらいの見物人がいて丁度いいと思いますよ」

 「そうだな」

 「お二人ともよろしいですね、では始めて下さい」

 バードの合図のもと試合は始まったのだが、剣をかまえたきり動くことはしなかった。

 お互い隙がないのだ。

 さすがお父様です。

 だてに領主はしてませんね。

 だからと言ってこのままではらちが明かないのでこちらから仕掛けることにした。

 「良い殺気だな」

 「おほめに扱り光栄ですが、余裕ですね」

 「これぐらいでやられていては隊長は務まらんよ」

 「そうですよね、ではさらに上げさせてもらいます」

 俺はスピードを上げて剣を繰り出すが交わされたり受け止められて払われる。

 五分五分の戦いの中、かれこれ二時間近く戦っていたと思う。

 バードに止めに入らなければ永遠に続いていた。

 「レオンはすごいな、この体力バカに体力で負けてないとは」

 「俺は回復魔法をかけながら試合をしていたので、もしかけていなければすでにスタミナ切れでダウンしてますよ」

 「……それはそれですごいと思うぞ」

 「魔法のセンスがあるとは思っていたがここまですごいとは思わなかったよ」

 「レオン様上達しましたね、ここに居た頃よりさらに強くなっていてびっくりしましたよ」

 「バードに褒められるなんて、嬉しいな」

 「ここまでやるとは予想以上だぞ」

 「お父様は魔力がそれだけあるのに使わないのですか?」

 「誰しもがお前のように自由に魔法を使うことが出来ないんだよ」

 初めて聞く真実に俺は愕然としてしまった。


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