公爵家の長男だけど優秀な弟がいるので僕は騎士となりのし上ります

りまり

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幼少期

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 お茶会の日から二・三日は、何事もなく過ぎた。

 穏やかにこのまま領地に帰りたいなと思っていたらお城からお茶会のお誘いが来たのだ。

 お城に向かう馬車の中で聞いたのだが、あの時の薬師は辺境の地にある塔に送られ、そこで薬師として働くことが決まり、すでに現地に向かっているとのことだ。

 「具合が悪いからと断ることはできませんか?」

 今更ながら諦めの悪い俺である。
 
 行きたくないアピールはしておく!!!

 「今日はお茶会ではなく騎士の練習を見ると言うことで、俺と一緒にお城に行くことが前もって決まっていたということにすればいい」

 王様には連絡済みであり、了解を取っているとのこと。

 やること早いです!!!

 なら結果を先に聞きたかったよ。

 最近の両親は俺を揶揄うのが楽しいのか、中々答えを言ってくれないことが多いのだ。

 その度にやきもきして胃が痛くって仕方ない。

 大げさに胃の当たりを押さえて痛がると慌てて謝るが、初めだけでまた同じことを繰り返している。

 今回もまた同じことを繰り返しているのだ。

 「いい加減にしないとお兄さまに嫌われますよ」

 「だってかわいいんだもん」

 「いい年こいてもんはないでしょ」

 「だって……」

 「嫌いだ……」

 とうとう俺は切れて部屋に立てこもってしまった。

 食料はかなりの量あるので大丈夫だし、水も魔法で出すことができるので立てこもるのには最適だ。

 俺を揶揄う両親に腹を立て立てこもること五日目にとうとう両親が折れた。

 これでも前世の記憶があるのだから普通の子供と違う。

 両親は俺に謝り二度としないと約束させ、バードにも確認させた。

 バードに同じことを繰り返したら次は冒険者になるために家を出ると宣言したので多分やらないだろう。

 バードもため息を付き、両親を説教していたのにはびっくりした。

 流石バードだ!

 家で一番頼りになるのはバードしかいない!

 と言っていいだろう!

 俺は頼れるバードと一緒に剣の練習をするべく中庭に出ると、お父様が素振りをしていた。

 お父様が剣を素振りするたびに剣が喜んでいるように鳴っているのだ。

 バードの聞くとその音を聞くことができるのは一握りの人間だけで、魔剣と呼ばれる魔力を帯びた剣の継承者ぐらいしか聞けなかったと言っている。

 「でも俺には剣が喜んでいるように聞こえます」

 「ならダニエル様に剣を振ってもらって嬉しいのでしょう」

 バードの音が聞こえる言葉他言無用と言われ両親にも言わないようにと釘を刺されてしまった。

 チート過ぎる能力に宝の持ち腐れにならないように力をつけようとさらに頑張ることにした。

 
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