24 / 88
幼少期
23
しおりを挟む
お茶会の日から二・三日は、何事もなく過ぎた。
穏やかにこのまま領地に帰りたいなと思っていたらお城からお茶会のお誘いが来たのだ。
お城に向かう馬車の中で聞いたのだが、あの時の薬師は辺境の地にある塔に送られ、そこで薬師として働くことが決まり、すでに現地に向かっているとのことだ。
「具合が悪いからと断ることはできませんか?」
今更ながら諦めの悪い俺である。
行きたくないアピールはしておく!!!
「今日はお茶会ではなく騎士の練習を見ると言うことで、俺と一緒にお城に行くことが前もって決まっていたということにすればいい」
王様には連絡済みであり、了解を取っているとのこと。
やること早いです!!!
なら結果を先に聞きたかったよ。
最近の両親は俺を揶揄うのが楽しいのか、中々答えを言ってくれないことが多いのだ。
その度にやきもきして胃が痛くって仕方ない。
大げさに胃の当たりを押さえて痛がると慌てて謝るが、初めだけでまた同じことを繰り返している。
今回もまた同じことを繰り返しているのだ。
「いい加減にしないとお兄さまに嫌われますよ」
「だってかわいいんだもん」
「いい年こいてもんはないでしょ」
「だって……」
「嫌いだ……」
とうとう俺は切れて部屋に立てこもってしまった。
食料はかなりの量あるので大丈夫だし、水も魔法で出すことができるので立てこもるのには最適だ。
俺を揶揄う両親に腹を立て立てこもること五日目にとうとう両親が折れた。
これでも前世の記憶があるのだから普通の子供と違う。
両親は俺に謝り二度としないと約束させ、バードにも確認させた。
バードに同じことを繰り返したら次は冒険者になるために家を出ると宣言したので多分やらないだろう。
バードもため息を付き、両親を説教していたのにはびっくりした。
流石バードだ!
家で一番頼りになるのはバードしかいない!
と言っていいだろう!
俺は頼れるバードと一緒に剣の練習をするべく中庭に出ると、お父様が素振りをしていた。
お父様が剣を素振りするたびに剣が喜んでいるように鳴っているのだ。
バードの聞くとその音を聞くことができるのは一握りの人間だけで、魔剣と呼ばれる魔力を帯びた剣の継承者ぐらいしか聞けなかったと言っている。
「でも俺には剣が喜んでいるように聞こえます」
「ならダニエル様に剣を振ってもらって嬉しいのでしょう」
バードの音が聞こえる言葉他言無用と言われ両親にも言わないようにと釘を刺されてしまった。
チート過ぎる能力に宝の持ち腐れにならないように力をつけようとさらに頑張ることにした。
穏やかにこのまま領地に帰りたいなと思っていたらお城からお茶会のお誘いが来たのだ。
お城に向かう馬車の中で聞いたのだが、あの時の薬師は辺境の地にある塔に送られ、そこで薬師として働くことが決まり、すでに現地に向かっているとのことだ。
「具合が悪いからと断ることはできませんか?」
今更ながら諦めの悪い俺である。
行きたくないアピールはしておく!!!
「今日はお茶会ではなく騎士の練習を見ると言うことで、俺と一緒にお城に行くことが前もって決まっていたということにすればいい」
王様には連絡済みであり、了解を取っているとのこと。
やること早いです!!!
なら結果を先に聞きたかったよ。
最近の両親は俺を揶揄うのが楽しいのか、中々答えを言ってくれないことが多いのだ。
その度にやきもきして胃が痛くって仕方ない。
大げさに胃の当たりを押さえて痛がると慌てて謝るが、初めだけでまた同じことを繰り返している。
今回もまた同じことを繰り返しているのだ。
「いい加減にしないとお兄さまに嫌われますよ」
「だってかわいいんだもん」
「いい年こいてもんはないでしょ」
「だって……」
「嫌いだ……」
とうとう俺は切れて部屋に立てこもってしまった。
食料はかなりの量あるので大丈夫だし、水も魔法で出すことができるので立てこもるのには最適だ。
俺を揶揄う両親に腹を立て立てこもること五日目にとうとう両親が折れた。
これでも前世の記憶があるのだから普通の子供と違う。
両親は俺に謝り二度としないと約束させ、バードにも確認させた。
バードに同じことを繰り返したら次は冒険者になるために家を出ると宣言したので多分やらないだろう。
バードもため息を付き、両親を説教していたのにはびっくりした。
流石バードだ!
家で一番頼りになるのはバードしかいない!
と言っていいだろう!
俺は頼れるバードと一緒に剣の練習をするべく中庭に出ると、お父様が素振りをしていた。
お父様が剣を素振りするたびに剣が喜んでいるように鳴っているのだ。
バードの聞くとその音を聞くことができるのは一握りの人間だけで、魔剣と呼ばれる魔力を帯びた剣の継承者ぐらいしか聞けなかったと言っている。
「でも俺には剣が喜んでいるように聞こえます」
「ならダニエル様に剣を振ってもらって嬉しいのでしょう」
バードの音が聞こえる言葉他言無用と言われ両親にも言わないようにと釘を刺されてしまった。
チート過ぎる能力に宝の持ち腐れにならないように力をつけようとさらに頑張ることにした。
43
お気に入りに追加
4,417
あなたにおすすめの小説

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される

いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな?
そして今日も何故かオレの服が脱げそうです?
そんなある日、義弟の親友と出会って…。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)



久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる