公爵家の長男だけど優秀な弟がいるので僕は騎士となりのし上ります

りまり

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幼少期

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 俺が自分の匂いを嗅いでいるのに気付いたお母様が説明してくれた。

 どうやら番からは甘くっていい匂いがするらしいのだが、俺は全く感じない。

 「二人からは匂いませんよ?」

 「……それはそれでちょっと複雑だな」

 「一度王宮医師に診てもらったほうが良いかもな」

 「そうですね、一度腕の良い医師に診せます」

 お父様とお母様は俺を抱きしめてくれた。

 「俺にも抱きしめさせろ」

 「嫌です!」

 「この子は俺たちのかわいい子だ」

 両親からの愛情を感じた瞬間だった。

 「いい加減帰ってくれませんかね?」

 「嫌だ!
 俺もここで生活する」

 とうとう駄々をこね始めた王様を騎士が入ってきて引きずるように連れて行った。

 「あれが始まると梃子でも動かないからね」

 「宰相もきちんとわかって騎士を何人も用意してくれたようだね」

 「毎回だと学習するさ」

 この国大丈夫なのかな?

 「大丈夫だよ、部下が優秀だからね」

 「そうそう、トップがバカでアホでも部下が優秀だと何とか成り立つものだよ」

 俺も考えていることがわかったのか、説明してくれた。

 うん、騎士さんたちも無表情で王様連れ出したから常日頃のことなんだろうなと思ってしまった。

 「レオンには悪いけど、明日からのお茶会は断る理由がなくなっちゃったから出てもらうことになるけど…ごめんね」

 「それとも宰相に山のような仕事ぶち込んでもらうか!」

 「それだと晩餐に招待されて、余計に身の危険を感じるよ」

 「確かに」

 俺は明日のお茶会は強制参加なのが決定した瞬間だった。

 さすがに十歳で掘られるのは嫌だから、昼間に行って帰るのが一番安心だと思った。

 いや、もしかしたら王様は猫なのかもしれない!

 でもわざわざ子供に掘らせる必要ないしな。

 親には聞けない質問だなと思い苦笑してしまった。

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