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 魔の森で採取した花はある公爵家のお嬢様のところに持ち込まれた。

 その公爵家は私のところと敵対している家で、そこの令嬢もいけ好かなかった。

 この家なら王子にあることないこと吹き込んでいたことを突き止めている。

 初めて会った王子に高慢だと言われたのもうなずける。

 そこからは早かった。

 早速父であるエンジュ公爵家当主に相談し、起こりうるすべても事柄から王家を守らなければならない。

 家族は私が冒険家として依頼を受けていることをしっている。

 そのかわり危険な目に合わないようにといつも釘を刺されていることは言うまでもない。

 「お父様いらっしゃいますか」

 「エマか珍しいな」

 「お父様にお話ししたいことがありまして、今よろしいですか?」

 「ああ、今ひと段落したところだから構わないよ」

 中に入るとお兄様もいた。

 お兄様は学園を卒業後お父様の仕事を手伝って時期公爵になるために修行を積んでいる。

 「お兄様も一緒なら良かったです。
   今ギルドから連絡がありまして、魔の森に咲く花を取ってきて欲しいと言うものでした」

   「花を?」

   「ただの花なら問題はありません。
   その花は惚れ薬の材料になるのです」

   「本当か!」

   「はい、ギルドで監視をしてもらうとある公爵家の令嬢だとわかりました」

   「何、もしやあれか?」

   「あれです」

 「そうかあれか……フフフフ」

 お父様笑いが止まらないようです。

 そうですよね。

 ただ観賞用にするならまだしもそれを使うとなったらおとりつぶしです。

 目の上のたんこぶを片づけることができるんです嬉しいですよね。

 「私もギルドに行き、その後の動向を確認してきます」

 「わかった。
 私は城に行き、陛下に知らせに行く」

 「では俺は王子のところに行って警護してくるかな」

 お兄様はちょっとチャラく見えますが優秀です。

 私のお兄様ですから当たり前ですよね。

 私たちはそれぞれの持ち場に行き公爵令嬢が動くのを待った。



 
   



 
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