10 / 35
10
しおりを挟む
キルが去ってからのお茶会は殺伐としていた。
なぜか他のメンバーが恐ろしい形相をしていたのだ。
「殿下、俺は白昼夢を見ているのでしょうか?」
「大丈夫だ、俺にも見えた」
「この世の終わりです」
「何も大袈裟な」
「ルル嬢、大袈裟ではないのです」
「そうですよ、ましてやあの氷の騎士の氷を解かす令嬢が現れたのですから」
「……」
あれだけ自然にやってのけたのだからかなり手馴れているんじゃないかと思っていたのだが、違っていたらしいのだ。
誰にもなびかない、氷の騎士。
その話題で持ちきりになり時間があっという間に過ぎって行った。
馬車の中で今日の出来事を話すとやはり両親も固まってしまったのだ。
「女装はおうちの中だけにしないとやばいですわね」
「そうだな、氷の騎士に目を付けられるとはかなり緊迫しているからね」
「お父さま、あの笑顔は犯罪ですわ」
妹よなぜ嬉しそうに話すんだ!
なぜ目をキラキラさせているんだ!
妹の姿に俺は遠い目をしてしまった。
その日を境に引きこもることにしたと言いたいのだが、できなかった。
何かにつけたお城から招待状が届き、無視したいのだが無視することもできづにいる。
結論から言えば、キルには男の子の格好でもあったのだがすぐにばれてというより始めからわかっていたそうで、無意識の笑顔だったそうだ。
これが無意識で出るなんてすごい、この笑顔を見たご婦人が今医務室に運ばれていった。
キルの笑顔の破壊力に医務室は今日も繁盛していた。
キルの人気は今じゃうなぎのぼりだ。
絵師によるキルの笑顔の似顔絵もかなり売れているとのことで、感謝のしるしに俺はドレスをプレゼントさてれしまったのだが、なんで男の子の格好をしている俺にドレスプレゼントするかなと絵師に聞くと、むろん絵になるからだそうだ。
キルはどっちでもいいそうなので、無理してまでドレスを着る必要はないですね。
行けばキルと一緒にいるので、俺が一人で歩いているとどこからともなくご婦人がキルを読んできてくれる。
キル俺が来ているのがわかると探してくれているそうだ。
どうやらご婦人たちに頼んでくれているらしいと最近になって判明したことだ。
騎士団はと言えば、氷を溶かしてくれたと感謝され、護衛にどうぞとあてがわれたのだ。
小さな俺を抱き上げて運ぶキルの笑顔は蕩けるような笑顔です。
なぜか他のメンバーが恐ろしい形相をしていたのだ。
「殿下、俺は白昼夢を見ているのでしょうか?」
「大丈夫だ、俺にも見えた」
「この世の終わりです」
「何も大袈裟な」
「ルル嬢、大袈裟ではないのです」
「そうですよ、ましてやあの氷の騎士の氷を解かす令嬢が現れたのですから」
「……」
あれだけ自然にやってのけたのだからかなり手馴れているんじゃないかと思っていたのだが、違っていたらしいのだ。
誰にもなびかない、氷の騎士。
その話題で持ちきりになり時間があっという間に過ぎって行った。
馬車の中で今日の出来事を話すとやはり両親も固まってしまったのだ。
「女装はおうちの中だけにしないとやばいですわね」
「そうだな、氷の騎士に目を付けられるとはかなり緊迫しているからね」
「お父さま、あの笑顔は犯罪ですわ」
妹よなぜ嬉しそうに話すんだ!
なぜ目をキラキラさせているんだ!
妹の姿に俺は遠い目をしてしまった。
その日を境に引きこもることにしたと言いたいのだが、できなかった。
何かにつけたお城から招待状が届き、無視したいのだが無視することもできづにいる。
結論から言えば、キルには男の子の格好でもあったのだがすぐにばれてというより始めからわかっていたそうで、無意識の笑顔だったそうだ。
これが無意識で出るなんてすごい、この笑顔を見たご婦人が今医務室に運ばれていった。
キルの笑顔の破壊力に医務室は今日も繁盛していた。
キルの人気は今じゃうなぎのぼりだ。
絵師によるキルの笑顔の似顔絵もかなり売れているとのことで、感謝のしるしに俺はドレスをプレゼントさてれしまったのだが、なんで男の子の格好をしている俺にドレスプレゼントするかなと絵師に聞くと、むろん絵になるからだそうだ。
キルはどっちでもいいそうなので、無理してまでドレスを着る必要はないですね。
行けばキルと一緒にいるので、俺が一人で歩いているとどこからともなくご婦人がキルを読んできてくれる。
キル俺が来ているのがわかると探してくれているそうだ。
どうやらご婦人たちに頼んでくれているらしいと最近になって判明したことだ。
騎士団はと言えば、氷を溶かしてくれたと感謝され、護衛にどうぞとあてがわれたのだ。
小さな俺を抱き上げて運ぶキルの笑顔は蕩けるような笑顔です。
15
お気に入りに追加
1,343
あなたにおすすめの小説

【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。


悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
妹が破滅フラグしか無い悪役令嬢だったので、破滅フラグを折りまくったらBL展開になってしまった!
古紫汐桜
BL
5歳のある日、双子の妹を助けた拍子に前世の記憶を取り戻したアルト・フィルナート。
アルトは前世で、アラフィフのペンネームが七緒夢というBL作家だったのを思い出す。
そして今、自分の居る世界が、自分が作家として大ブレイクするきっかけになった作品。
「月の巫女と7人の騎士」略して月七(つきなな)に転生した事を知る。
しかも、自分が転生したのはモブにさえなれなかった、破滅フラグしかない悪役令嬢「アリアナ」が、悪役令嬢になるきっかけとなった双子の兄、アルトであると気付く。
アルトは5歳の春、アルトの真似をして木登りをしまアリアナを助けようとして死んでしまう。
アルトは作中、懺悔に苦しむアリアナが見つめた先に描かれた絵画にしか登場しない。
そう、モブにさえなれなかったザコ。
言わば、モブ界の中でさえモブというKING of モブに転生したのだ。
本来なら死んでいる筈のアルトが生きていて、目の前に居る素直で可愛い妹が、破滅エンドしかない悪役令嬢アリアナならば、悪役令嬢になるきっかけの自分が生きているならば、作者の利点を生かして破滅フラグを折って折って折りまくってやろうと考えていた。
しかし、何故か攻略対象達から熱い視線を向けられているのが自分だと気付く。

ある国の皇太子と侯爵家令息の秘め事
きよひ
BL
皇太子×侯爵家令息。
幼い頃、仲良く遊び友情を確かめ合った二人。
成長して貴族の子女が通う学園で再会し、体の関係を持つようになった。
そんな二人のある日の秘め事。
前後編、4000字ほどで完結。
Rシーンは後編。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・
相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。
といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。
しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる