折角ＢＬ小説の世界に転生したので満喫したいと思います

26

　ようやくお偉いさんが到着したようだ。

　出入口はすごい賑わいで、人だかりができていた。

　「すごい人気ですね」

　「元Ｓ級冒険者にして、王弟で、騎士団長とその奥方が来るのよ」

　「……逃げたほうがいいのかな……」

　「無理」

　「だよね……」

　中に入ってくればきたで凄い歓声だ。

　我が両親ながらすごい人気だ。

　両親はギルドの中をキョロキョロ見回し、俺を見つけるといきなり俺めがけて飛んできたのだ。

　そしてありったけの力だ俺を抱きしめた。

　「ぐるじい……」

　危うくつぶされるかと思ったぞ！！！！

　「元気そうでよかった」

　「危うく死にかけました！！！」

　「すまんすまん、つい力が入っちまって」

　親子のじゃれあいをしていると、フェンリルに絡んでいたお姉さんがとんでも発言をしたのだ。

　「失礼な物言いするな！！！！
　彼らは我々の憧れなんだからな！！！」

　失礼発言に周りがびっくりした。

　そういう俺もかなりびっくりだ。

　「憧れなら、彼の家族構成は知ってるんだろ」

　「家族構成ぐらい当たり前です！！！

　彼にはセイさまと言う奥さんとシン様……シンさま……」

　ようやく気が付いたようだ。

　俺は呆れつつ、ギルドマスターの方を見ると鬼の形相で立っているのだ。

　こっわ、ありゃ―相当絞られるな。

　絞られるどころか、ランクも下げられたそうだ。

　自業自得なので同情はしない。

　俺は久々の親子水入らずで過ごした。

　弟はお留守番で、根性叩き直している最中だそうです。

　でも……直るのかな？

　直らなければ、修道院に送り込むそうなのでそこんとこは両親にお任せだ。

　今日一日色々な話をした。

　一生分話した気がした。

　話疲れて眠るまでずーっと話していた。