折角ＢＬ小説の世界に転生したので満喫したいと思います

１７

　ハルト父上さまが出かけてからどのくらい立ったのだろう。

　帰って来たのだ。

　皆ケガをしているようだが、命に別状はないようだ。

　俺はハルト父上さまのところに駆け出し抱き着いたのだ。

　「お帰りなさい！！！！
　フェンリルの家族は大丈夫でしたか！」

　矢継ぎ早に話す俺を苦笑しながら見つめ、頭を撫でてくれるだけだった。

　「後で話すから、今はけが人を休ませたいんだ」

　俺は獣人の彼に教えてもらったポーションを持っていたので、ケガを軽減してもらうために一人一人に配ったのだが、どうやらかなりの効き目らしく皆全快していたのだ。

　「あれ……これそんなに効くの？」

　「……シンこれは一体……」

　「獣人の彼にポーションていう回復薬を教えてもらったんだ」

　「そうか……助かったよ」

　父上さまは何か言いたげだが聞かないでいてくれた。

　父上さまたちが討伐に出てから、弟が生まれました。

　母上さまに似たかわいい子です。

　今日はささやかですがパーティーが開かれます。

　その為俺はおめかしのために磨かれているのです。

　それこそもみくちゃです。

　終わるころには俺はぐたりしてしまった。

　俺は両親の側で挨拶して回った。

　ようやく解放されたとき、庭に出るとフェンリルがそこにいたのだ。

　「お帰り」

　（ただいま、俺たちのためにありがとう）

　「家族は大丈夫だった？」

　（ああ、両親は駄目だったが、弟が助かった）

　「そうか、これからはどうするの？」

　（ここの地で暮らす許可をもらったから、俺たちはそっちで暮らす）

　「これでお別れだね」

　（そうだな、助けてくれたありがとう）

　そういうとフェンリルは立ち去って行った。

　また一緒にいたいと思ったけど、フェンリルはそうは思っていないことが分かった。

　それより、弟の寝ている場所を気にしていることから番なんだろうと思ったのだ。

　多分だけど、王子たちの番は弟なんだと思う。

　弟は誰からも愛されるキャラなんだろうなと思った。

　多分俺は悪役令息あたりに当たり、弟はいじめる役なんだろうと思った。