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13 ハルトside

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 俺はハルトと言う。

 一応王族に連なるものだ。

 俺はオメガのセイ結婚し今は辺境の地を任され王都と辺境を行き来している。

 これでも騎士団長をしている身としてはかなり忙しいのだ。

 それでも我が子はすごくかわいいので、帰れるときは思いっきり甘やかすのだ。

 セイとリューンには呆れられたが仕方ないだろ!!!!

 毎日一緒の奴らに言われたくない!!!

 今俺たちは不安なことが一つある。

 セイが妊娠しているのだが、匂いがするのだ。

 この匂いは発情期を迎えたオメガが発する匂いで、妊娠しているオメガは発しないのだ。

 産み月マジかになればなるほど匂いが強くなっていくのがわかる。

 それもシンと同じ匂いをまき散らしているのだ。

 シンはそろそろなのか少し匂いがきつくなってきているので、それに引かれてくる奴らも多い。

 そんな時、俺の甥っ子どもが側近含めシンの番として立候補してきたのだ。

 はっきり言ってこれほど心強いものはない。

 「俺としてはお前たちが引き受けてくれるならそんなありがたいことはない」

 「知らないやつに渡したくはない」

 「俺たちの姫さんは自分の危険性を理解してないからね」

 「まだオメガという自覚がないんだよ」

 「匂いが濃くなっているから後一、二年で発情期に入るだろうからね」

 「俺らの奥さんより匂い濃いからお前たち大変だぞ」

 他人事のように言う奴らに俺は怒りを覚えた。

 確かに俺一人で守るより兄貴と一緒に守った方がいいのはわかっている。

 兄貴は赦せても他の奴……そういえば側近候補の奴らも匂いに当てられていた。

 「なら、兄貴の側近候補と俺の側近候補合わせて8人も追加でいいか?」

 「……それなら完璧な守りになるな」

 「そのほかに近衛から外の守りを強化してもらえばいい」

 「父上も大喜びだな」

 「俺たちように離宮を建てさせてからの嫁入りだな」

 「そうだな」

 徐々にまとまっていく話も後は王宮に帰ってから決めなければならないことばかりだった。

 「お前たちが帰る時には俺も一緒に行って陛下に話をする」

 「そうしてもらえると助かります」

 結局俺たちは候補というより決定事項で話は済んだ。

 離宮を建て、シンを呼べば完璧だ。

 その前に父上の説得が先だった。

 一番厄介なことなんだよな。

 やはりここは叔父上に頼んで丸め込んでもらうしかない。

 弟大好き人間の父上ならちょろいと思う。
 
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