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 陛下の思惑とは違い、中々話がすすまなかった。

 セーラ様はルーカスさまをどれだけ愛しているかをさめざめと泣いて語っていた。

 ルーカスさまと結婚したくって婚約解消したことも言っていたのだ。

 「それは悪いことをした。
 確かに君とのことはいいなと思ったよ。
 友達思い出し、会話も楽しかったけど、だからって結婚するかどうかは違うよね?
 ましてや、君は婚約していたじゃないか」

 「そんな……ルーカスさまと結婚したいから婚約解消したのに……」

 「君は最低だね、あれだけ尽くしてくれたのに……」

 「私はそんなこと頼んでないのに……向こうがしてきたんです!!!!」

 確かに向こうさんは溺愛してましたけど……でもそれってまんざらでもなかったのに……私は控え室で聞いていたのだが、あれだけ私に自慢してきたのによく言うなと思ってしまった。

 確かにルーカスさまといい雰囲気になってきた時ぐらいから、婚約者様の話をしなくなっていた。

 婚約解消も一方的だったというではないか!!!!

 何故私がそんなこと知っているかと言うと、実は控室に彼もいるからだ。

 彼曰く、自分を溺愛しているようにしろと強要までしていたそうです。

 彼は彼女からされたことをさめざめと泣きながら語ってくれた。

 彼は不当な扱いを受けていたのがよくわかる。

 私は彼を慰めつつ、話を聞き色々情報を集めた。

 彼も話すだけ話すとすっきりしたのか、始めの頃のような暗い顔はしてなかった。

 すっきりし、こんな女と別れられてよかったとさえ言ったのだ。

 セーラ様は私が思っている以上に外ずらいいんですけど~~~

 そういえば……私の前でもいい人ぶっていたもんな~~

 私は陛下にそのことをメモに書き持って行ってもらうと、陛下はニヤリと笑い、反撃したのだ。

 だてに年は取ってないですね。

 私の渡したメモには彼にした行為を事細かく書いたのだ。

 ついでに彼は言った内容を録音していたし、行動は録画されていた。

 それでは言い逃れも出来ず結局爵位剥奪の上国外追放となってしまったのだ。
 
 せっかく控えていたのに出る幕なかったんですけど……

 「ありがとうな、色々聞き出してくれて助かったよ」

 「いいえ、相当鬱憤が溜まっていたのでしょうね、聞いていて少しかわいそうになっちゃいましたよ」

 「彼は本当にいい奴だからな、その気になればいい女が見つかるさ」

 「そうですね」

 私は興味がなかったので、あいまいな返事だけをしたのだ。
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