56 / 67
56
しおりを挟む
数日後、両親は何食わぬ顔で帰ってきた。
私は執事から連絡を受け、両親に合いに行くと目がうつろな父親と口元がやけに醜くゆがんだ義母が応接室でお茶を楽しんでいたのだ。
「お帰りなさい、新婚旅行行っていたと聞きました」
「そうなのよ、本当は知らせてからと思っていたんだけど、この人がいいと言うから……」
「気にしないでください、こちらもかなりバタバタしてまともに話聞けなかったと思いますから」
私は父に近づき、父の腕に魔石の埋まったブレスレットを付けたのだ。
すると父は呻きだし、のたうち回った後動かなくなってしまったのだ。
義母はのたうち回る父の腕からブレスレットを外そうとしたが、中々外れず焦っていた。
「それは、はめた本人が取らなければとれないようにできているんです」
「それでも娘なの!!!!
こんなに苦しんでいるんだから外してあげなさいよ!!!!!」
「苦しんでいる?
その原因を作った張本人が言います?
あり得ないんですけど~~」
私は小ばかにしたように義母に向かって失笑した。
それに腹を立てたのか、いきなり引っ叩いてきたのだ。
私は余裕でそれを避け、義母の腕を取り投げ飛ばしたのだ。
腰を強かに打った義母は腰を擦りながら喚き散らした。
「色々やらかしてますよね、違法行為までやってるし」
「何を言っているの?
大体それをあたしがやったっていう証拠はないはずよ!!!」
「何故証拠がないはずと言い切れるんですか?」
「やっていないからに決まっているでしょ!!!!」
私は今まで集めた資料をチラつかせ、ニヤリと笑って見せた。
かなり動揺しているのか汗が噴き出したのだ。
「調べれば調べるほど、まー色々出てきましたよ」
「あなた、捏造したのね!!!」
「やめてください、あなたのような犯罪者と一緒にされたくありません」
ギャーギャー喚き散らす義母に嫌気がさし、小出しに証拠を見せて行った。
相手もそれぐらいじゃ真実を話さないのは分かっていた。
長期戦になるのは覚悟の上だった。
私は執事から連絡を受け、両親に合いに行くと目がうつろな父親と口元がやけに醜くゆがんだ義母が応接室でお茶を楽しんでいたのだ。
「お帰りなさい、新婚旅行行っていたと聞きました」
「そうなのよ、本当は知らせてからと思っていたんだけど、この人がいいと言うから……」
「気にしないでください、こちらもかなりバタバタしてまともに話聞けなかったと思いますから」
私は父に近づき、父の腕に魔石の埋まったブレスレットを付けたのだ。
すると父は呻きだし、のたうち回った後動かなくなってしまったのだ。
義母はのたうち回る父の腕からブレスレットを外そうとしたが、中々外れず焦っていた。
「それは、はめた本人が取らなければとれないようにできているんです」
「それでも娘なの!!!!
こんなに苦しんでいるんだから外してあげなさいよ!!!!!」
「苦しんでいる?
その原因を作った張本人が言います?
あり得ないんですけど~~」
私は小ばかにしたように義母に向かって失笑した。
それに腹を立てたのか、いきなり引っ叩いてきたのだ。
私は余裕でそれを避け、義母の腕を取り投げ飛ばしたのだ。
腰を強かに打った義母は腰を擦りながら喚き散らした。
「色々やらかしてますよね、違法行為までやってるし」
「何を言っているの?
大体それをあたしがやったっていう証拠はないはずよ!!!」
「何故証拠がないはずと言い切れるんですか?」
「やっていないからに決まっているでしょ!!!!」
私は今まで集めた資料をチラつかせ、ニヤリと笑って見せた。
かなり動揺しているのか汗が噴き出したのだ。
「調べれば調べるほど、まー色々出てきましたよ」
「あなた、捏造したのね!!!」
「やめてください、あなたのような犯罪者と一緒にされたくありません」
ギャーギャー喚き散らす義母に嫌気がさし、小出しに証拠を見せて行った。
相手もそれぐらいじゃ真実を話さないのは分かっていた。
長期戦になるのは覚悟の上だった。
73
お気に入りに追加
4,363
あなたにおすすめの小説

母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します

【完結】姉は全てを持っていくから、私は生贄を選びます
かずきりり
恋愛
もう、うんざりだ。
そこに私の意思なんてなくて。
発狂して叫ぶ姉に見向きもしないで、私は家を出る。
貴女に悪意がないのは十分理解しているが、受け取る私は不愉快で仕方なかった。
善意で施していると思っているから、いくら止めて欲しいと言っても聞き入れてもらえない。
聞き入れてもらえないなら、私の存在なんて無いも同然のようにしか思えなかった。
————貴方たちに私の声は聞こえていますか?
------------------------------
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています

誤解なんですが。~とある婚約破棄の場で~
舘野寧依
恋愛
「王太子デニス・ハイランダーは、罪人メリッサ・モスカートとの婚約を破棄し、新たにキャロルと婚約する!」
わたくしはメリッサ、ここマーベリン王国の未来の王妃と目されている者です。
ところが、この国の貴族どころか、各国のお偉方が招待された立太式にて、馬鹿四人と見たこともない少女がとんでもないことをやらかしてくれました。
驚きすぎて声も出ないか? はい、本当にびっくりしました。あなた達が馬鹿すぎて。
※話自体は三人称で進みます。

願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31

婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。

【完結】婚約破棄され毒杯処分された悪役令嬢は影から王子の愛と後悔を見届ける
堀 和三盆
恋愛
「クアリフィカ・アートルム公爵令嬢! 貴様との婚約は破棄する」
王太子との結婚を半年後に控え、卒業パーティーで婚約を破棄されてしまったクアリフィカ。目の前でクアリフィカの婚約者に寄り添い、歪んだ嗤いを浮かべているのは異母妹のルシクラージュだ。
クアリフィカは既に王妃教育を終えているため、このタイミングでの婚約破棄は未来を奪われるも同然。こうなるとクアリフィカにとれる選択肢は多くない。
せめてこれまで努力してきた王妃教育の成果を見てもらいたくて。
キレイな姿を婚約者の記憶にとどめてほしくて。
クアリフィカは荒れ狂う感情をしっかりと覆い隠し、この場で最後の公務に臨む。
卒業パーティー会場に響き渡る悲鳴。
目にした惨状にバタバタと倒れるパーティー参加者達。
淑女の鑑とまで言われたクアリフィカの最期の姿は、良くも悪くも多くの者の記憶に刻まれることになる。
そうして――王太子とルシクラージュの、後悔と懺悔の日々が始まった。

王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる