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14 アリス&ルーカス

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 ルーカスさまはかなり落ち込み鬱陶しさ100%です。

 キースさまもルーカスさまを慰めることなく淡々と説教してますし、なぜでしょう落ち込んでいる姿に耳が見えてきたんですけど……

 やばいです。
 
 その姿がとても可愛らしく映るんですけど、周りを見ると私だけじゃなかったようでほかの女生徒も思ったのか、顔を赤らめチラチラ王子さまを見てます。

 「あれでは子犬のようではありませんか」

 「セーラもそう思います?」

 「ええ、あれでは怒っていても許してあげたくなってしまいますわ」

 「そうなのよ、あれだけ怖かったし、近寄りたくなかったのですが、あれを見てますと頭を撫でてあげたくなってしまいますわ」

 「「「「同感です」」」」

 「あのかわいらしさは一体何でしょう!!!」

 「かわいすぎますわ」

 「そう思ってしまう私たちは異常なのでしょうか!!!」

 ガヤガヤとテンション高く舞い上がっている女生徒を抑えるのはかなり大変でした。





 俺は久々に怒られている。

 いつものように正座をさせられうなだれているといきなり奇声をが聞こえた。

 何か言っているようだが聞こえない。
 
 俺の従者をしている幼馴染のキースが頭を抱えだした。

 「本当に反省してくださいよ」

 「している。
 今回は俺の早とちりだし、アリス嬢にも悪いことをしたと思っている」

 「アリス嬢はお優しい方ですから許してくれると思いますが、彼女は夢とはいえあなたに断罪されているんですからね」

 「それも踏まえて近づけば威嚇されているじゃないか!!!!!」

 「それは仕方ありませんよ、出会いからしてあれでは威嚇したくなります」

 「だからそれも反省している」

 一層騒がしくなる外野をよそに俺はキースにお説教を食らっていた。

 「本当にわかっているなら、今度こそアリス嬢に謝ってください」

 俺はうなずきアリスの側に行くと声をかけた。

 「ごめん、人を見極められずにあなたを傷つけてしまった」

 「……」

 アリスは何を思ったのか俺の頭を撫で始めたのだ。

 「柔らかいですわ」

 「「「「「キャー(≧∇≦)7」」」」」

 女生徒の悲鳴が響いたのだ。

 「なんなんだ!」

 「王子さまが説教されている姿が子犬の用でしたのでつい頭を撫でてしまいました」

 「……」

 「これでお相子ですね」

 アリスはにっこり笑ってくれたが、やはり怖いのか体が震えていた。

 今はまだ信頼に値しないだろうが、信頼してもらえるように努力しようと思った。



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