【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

3

　リーフたちが屋敷に来てから五年の歳月が過ぎました。

　「お姉さま、どこに行くんですか？」

　「今日はお花の手入れをしに行こうと思っています」

　「お姉さまも好きですね、土いじりのどこがいいのですか？」

　「手をかければかけるだけきれいに咲いてくれるから、それを見るのが好きなの」

　「そうなんだ、お姉さまは相変わらず変ですね」

　相変わらず着飾り似合わないドレスを身にまとい、あの匂いを振りまいている。

　ザンザとお友達のアレクにはその後も防犯カメラなるものを開発してもらい、それも睡眠時間を削って屋敷のいたるところに設置してもらったのだ。

　開発は並々ならぬ努力の賜物で、今に至っているのです。

　はっきり言って死角がないほど設置させてもらっています。

　それとは別に働いている人全員に女性ならピアスを、男性ならネクタイピンを防犯カメラと同じ機能を付けてもらい全員につけてもらった。
　
　もちろん私も付けている。

　すでにお守りと化しているのだが、ないと不安で仕方ないのだ。

　屋敷中に設置されている防犯カメラは、使用人は全員知っているがどこに設置されているかは私と執事とお父様とメイド長だけだ。

　カモフラージュで認識阻害を取り付けているので認識されないのだ。

　知らないのはお義母さまとリーフだけだ。

　夢の中のようにならないように、何かあった時のために私は常に監視された生活を送った。

　たまに何もしていないのに、リーフは私に文句を言われたとか虐められたとお父様に訴えていたがすべて監視カメラを見てリーフの言いがかりとわかり、お父様はかなりご立腹していた。

　少しづつ悪夢は違う形で見るようになっていったが、いつも最後は断罪で終わるのだ。

　そんなある日、年の合う令嬢がいないからと伯爵家に王子の婚約話が持ち上がってきたのだ。

　始めは私に来た話だったが、リーフがまた我儘を言ったらしくお父様は考えていたが、私はかわいいリーフの方がいいと言ったのだ。

　私はかわいくもないしきれいでもないから王子様に似合わないと言ったのだ。

　私が隣に立てば王子様が笑われてしまうから敷いては国を笑われているのと同じだ方と説得したのだ。

　お父様は迷っていたが、私の後押しがありリーフが婚約者になったのだ。

　数が月立ったある日、リーフが王子様の婚約者として正式に発表された。

　正式に発表されるとあれだけ見ていた悪夢を見なくなり、熟睡できるようになりあれだけお肌に吹き出物ができていたのが徐々に良くなっていった。

　本当であれば家庭教師を雇い礼儀作法やその他の勉強をしなければならないのだが、少しでも先生に私が褒められれば家庭教師を辞めさせて言った挙句すべて私のせいにしていたリーフは知らない、辞めさせられた家庭教師はお父様にリーフに辞めさせられたのだと訴えたのだ。

　そのため、学園に上がるためにはそれなりの学力と礼儀作法が必要になるためメイド長と執事に頼み仕事の合間に勉強を見てもらいあとは独学で学べるものは学んだ。
　
　リーフは王妃となるためにそれはそれは厳しい礼儀作法が必要だからと毎週王宮に行き勉強していると自慢気に行っていたが、付いていけないリーフに頭を抱えているお父様を見ていたのでなんと答えていいのかわからなかった。

　ザンザとアレクに作っていただいたものはすべて商業ギルドに登録して商品として売り出してます。

　お陰様で、個人資産が増えてうれしい限りです。

　これなら屋敷を出てもやっていけます。