資格オタクの喪女が異世界に召喚されたら大変なことになってしまいました

りまり

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 どこかに行ってしまったおじさんは気にせず、侍女たちに連れられ食堂に行くととてもいい匂いがした。

 お腹が空いていたのでもりもり食べるぞ!!!!

 私は食事をしながら先ほど言われたことを思い返していた。

 もし私のことを逆恨みしているとしても辻褄が合いません。

 兄が父と失踪したのが私が二十歳になってからです。

 その教え子であれば年齢はゆうに私より言っているはずなのに……

 年齢を誤魔化しているとすれば怖い……

 三十路近くで制服着ているかと思うと鳥肌ものだ。

 私がそんな考えを巡らせていると、知らない女性たちが立っていた。

 「あなたがあの女と一緒に来たっていう子?」

 「ええ、巻き込まれてしまったみたいで……」

 「あの女が言っていたのだけど、あなたがあの女に意地悪していたって本当なの?」

 「そのことなのですが……先ほども聞かれて答えたのですが学生に対して意地悪するなどありえません。
 ましてや私の働いていた会社は朝は早くから夜遅くまで缶詰状態でしたから……それに兄の教え子であればどう考えても私と同じか年上だと思うのです。
 ……忘れたい過去だったのですっかり忘れていたのですが……兄の教え子がやたらと私に絡んできたことがあるんです。その人と彼女が似てるんですけど……まさかですよね……」

 「それって何年前の話?
 あの女が、おとなしく虐められるタイプには見えないから真相を確かめたくって……突然ごめんなさいね」

 「兄と父が失踪したのは八年前で彼女であればその時にはすでに25歳になっていたと思います」

 「……マジか……それはジョシュア様には言ったの?」

 「いえまだ言ってません」

 あの草臥れたおじさんはジョシュア様と言うのか……私の話を聞いた女性たちは騒めきたちすぐにジョシュア様に知らせることを勧められた。

 ご飯も食べ終わったので彼女たちに案内してもらうことにした。

 入り組んでいるお城の作りだが何故か見覚えがあった。

 すごく懐かしかったのだ。

 すると侍女さんは何を思ったのか突然言い出したのだ。

 「本当はお嬢様がいたんですよ」

 「えっ?
 今は結婚でもして嫁がれたのですか?」

 「いいえ、異世界にご家族で行かれてそれっきり……陛下と王太子様は戻ってこられたのですが……お嬢様は未だ戻らないのです」

 「そうなんですね……」
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