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ギルマスに言われるがまま旅立ち、何とか次の町に着いた時、そこには王都にいるはずのギルマスがいたのだ。
「遅かったな」
「何故ここにいるんですか?」
「勇者がお前さんを探す旅に出た」
「怖いこと言わないで下さいよ。僕と彼はあの日はじめて会ったばかりですよ。そんなに好かれる要素なんかないです」
「そればっかは分からねえ、ただ言えるのはこのままいくとお前さん宰相閣下と勇者に監禁されて一生部屋からだして貰えなくなるぞ」
「本当に怖いですから」
「あくまで可能性の話だ」
僕は怖くなってきた。どうしてこんなにも執着されるのか、されるようなことした覚えはないのにだ。
僕とギルマス改めてルークさんと旅することになった。
1ヶ所に留まることが出来ないので、数日で場所を移していくのだが僕一人では容易ではなかったと思う。ルークさんがいてくれてよかったと思えた。
「そろそろ追いつくかもな」
「なんでそんな怖いこと言うんですか!!!!」
こっちはまたあんな仕打ちされるんじゃないかと怖いのだ。
何日もご飯がもらえない、本当に飢えて死ぬかとさえ思ったし、暴力を振るわれた時は骨折さえ覚悟した。
「あんな生活嫌だ……」
「それなら宰相閣下と勇者殿に懇願書を突き付けておいたら、宰相閣下は屋敷の使用人をすべて解雇したし、勇者は同胞騎士に嘘つきだと言うレッテルをはっていたよ」
「それでもあれだけのことをされたらトラウマになります!!!!」
「あの二人は全然自覚してないからな、自分たちの外見がどう映るかなんて気にもしてない」
「無自覚だから許せなんて無理ですからね」
僕は憤りを感じた。
何もしてないのに変な噂は立てられ、そのせいで自分の言い分は聞いてもらえない挙句無視されたり暴力を振るわれたこともあった。だから旅に出たのにあんな生活二度とごめんだ!!!!
「すべて調べて国王陛下に報告済みだから安心しろ、あいつらがお前に執着するならそれを利用して回避するぐらいはしないとな」
そんなんで大丈夫なのかと心配になるがこの世界での僕ははっきり言って無力だ。
不本意だが誰かを頼るしかない。
そんなことを考えていたからか、前から見知った顔が歩いてくるのが見えた。
慌てて隠れようとしたが、二人が僕の前を素通りしていった。
あれだけ執着していたのにだ。
「今のお前を見ても異世界人とは思わないぞ」
「服装と髪の色を変えただけなのに……」
「そんなもんさ」
釈然としないが見つからなかったのならそれでいいかと思った。
結局僕自身を見ていたのではないと証明されたことだけは分かった。
「遅かったな」
「何故ここにいるんですか?」
「勇者がお前さんを探す旅に出た」
「怖いこと言わないで下さいよ。僕と彼はあの日はじめて会ったばかりですよ。そんなに好かれる要素なんかないです」
「そればっかは分からねえ、ただ言えるのはこのままいくとお前さん宰相閣下と勇者に監禁されて一生部屋からだして貰えなくなるぞ」
「本当に怖いですから」
「あくまで可能性の話だ」
僕は怖くなってきた。どうしてこんなにも執着されるのか、されるようなことした覚えはないのにだ。
僕とギルマス改めてルークさんと旅することになった。
1ヶ所に留まることが出来ないので、数日で場所を移していくのだが僕一人では容易ではなかったと思う。ルークさんがいてくれてよかったと思えた。
「そろそろ追いつくかもな」
「なんでそんな怖いこと言うんですか!!!!」
こっちはまたあんな仕打ちされるんじゃないかと怖いのだ。
何日もご飯がもらえない、本当に飢えて死ぬかとさえ思ったし、暴力を振るわれた時は骨折さえ覚悟した。
「あんな生活嫌だ……」
「それなら宰相閣下と勇者殿に懇願書を突き付けておいたら、宰相閣下は屋敷の使用人をすべて解雇したし、勇者は同胞騎士に嘘つきだと言うレッテルをはっていたよ」
「それでもあれだけのことをされたらトラウマになります!!!!」
「あの二人は全然自覚してないからな、自分たちの外見がどう映るかなんて気にもしてない」
「無自覚だから許せなんて無理ですからね」
僕は憤りを感じた。
何もしてないのに変な噂は立てられ、そのせいで自分の言い分は聞いてもらえない挙句無視されたり暴力を振るわれたこともあった。だから旅に出たのにあんな生活二度とごめんだ!!!!
「すべて調べて国王陛下に報告済みだから安心しろ、あいつらがお前に執着するならそれを利用して回避するぐらいはしないとな」
そんなんで大丈夫なのかと心配になるがこの世界での僕ははっきり言って無力だ。
不本意だが誰かを頼るしかない。
そんなことを考えていたからか、前から見知った顔が歩いてくるのが見えた。
慌てて隠れようとしたが、二人が僕の前を素通りしていった。
あれだけ執着していたのにだ。
「今のお前を見ても異世界人とは思わないぞ」
「服装と髪の色を変えただけなのに……」
「そんなもんさ」
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