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家庭教師に勉強を教わり午後から剣術を習いと忙しかった。
空いた時間は図書館に行き錬金術の本を眺めた。
カイ師のところに何度か足を運んだが、中から楽しそうな話声が聞こえてきて入ることができなかった。
「元気ないが、どうした」
「なんでもないです」
ガゼボでお茶をしながらボーと花を眺めていると声をかけられた。
顔を見なくてもわかる。
カイ師の声だ。
「最近来ないが、どうかしたか?」
「勉強が忙しいだけです」
「ならいいが……」
「……カイ師は……兄さまと姉さまと仲がいいですね」
「そうだな、魔力の相性がいいのか側にいるだけで魔力循環が自然にされるからな」
「……そうなんですね」
「お前もすごいと思うぞ。
お前の魔力はいるだけで癒し効果があるからな」
「だから……」
俺は合点がいった。
最近俺は一人で寝ている。
食事も最近は一人でとっている。俺以外はみな一緒に取っていることは護衛の騎士に聞いている。
カイ師にあってから俺の周りはガラリと変わった。
護衛の騎士は少し、イヤかなり乱暴になった。
それに俺が歩いているとこそこそと噂をする姿も見受けられた。
侍女も俺が頼んでもなかなかやってくれなくなり最近は自分でやっている。
食事もだんだん持ってきてくれなくなり、食べれる時は冷めたスープと硬いパンを食べていた。
ベットから起きれない日が続き、侍女に嫌味を言われる日もあった。
騎士に無理やり起こされることもあった。
またここに来る前に戻っただけだと思うが、でもあの時は執事や侍女たちがかばってくれた。
ここでは誰もかばってくれない。
侍女や騎士に暴力を振るわれることも日常茶飯事になり、弱り傷の癒える日がなくなり見えないところは青あざと内出血で赤黒くなっていた。
気まぐれなのか、カイ師が部屋にやってきた。
俺に会うと、びっくりされた。
「どうしてこんなことになっているんだ」
カイ師は俺の父親に連絡してくれ、王城から実家に避難させられた。
実家ではすでに魅了の力は解除されているのか、俺の姿を見ても嫌な顔されなかった。
「ローズちゃんよね?」
「そうです」
「あの時はごめんね。
いくら魅了の力が働いていてとはいえ小さなあなたを王家に預けてしまって」
「……あの時は王城が安全だったから……」
「今度は王城内とは……変わったことは……あれか、ローズの婚約者にどうかと送った娘か」
「わかりません。
ただ、確かに一人の令嬢の周りに集まっているのは事実です」
「ならなぜ君はかからなかったんだ」
「俺は興味がなかったんです。
それに、その令嬢が近くにいると虫唾が走るんですよ」
「なるほどな」
「なら、まずはローズの傷を癒すことが優先だな」
「俺は戻り、魅力にかかった人間を正常にしてくる」
そういうとカイ師は出て行った。
その後俺の治療ははじめられた。
空いた時間は図書館に行き錬金術の本を眺めた。
カイ師のところに何度か足を運んだが、中から楽しそうな話声が聞こえてきて入ることができなかった。
「元気ないが、どうした」
「なんでもないです」
ガゼボでお茶をしながらボーと花を眺めていると声をかけられた。
顔を見なくてもわかる。
カイ師の声だ。
「最近来ないが、どうかしたか?」
「勉強が忙しいだけです」
「ならいいが……」
「……カイ師は……兄さまと姉さまと仲がいいですね」
「そうだな、魔力の相性がいいのか側にいるだけで魔力循環が自然にされるからな」
「……そうなんですね」
「お前もすごいと思うぞ。
お前の魔力はいるだけで癒し効果があるからな」
「だから……」
俺は合点がいった。
最近俺は一人で寝ている。
食事も最近は一人でとっている。俺以外はみな一緒に取っていることは護衛の騎士に聞いている。
カイ師にあってから俺の周りはガラリと変わった。
護衛の騎士は少し、イヤかなり乱暴になった。
それに俺が歩いているとこそこそと噂をする姿も見受けられた。
侍女も俺が頼んでもなかなかやってくれなくなり最近は自分でやっている。
食事もだんだん持ってきてくれなくなり、食べれる時は冷めたスープと硬いパンを食べていた。
ベットから起きれない日が続き、侍女に嫌味を言われる日もあった。
騎士に無理やり起こされることもあった。
またここに来る前に戻っただけだと思うが、でもあの時は執事や侍女たちがかばってくれた。
ここでは誰もかばってくれない。
侍女や騎士に暴力を振るわれることも日常茶飯事になり、弱り傷の癒える日がなくなり見えないところは青あざと内出血で赤黒くなっていた。
気まぐれなのか、カイ師が部屋にやってきた。
俺に会うと、びっくりされた。
「どうしてこんなことになっているんだ」
カイ師は俺の父親に連絡してくれ、王城から実家に避難させられた。
実家ではすでに魅了の力は解除されているのか、俺の姿を見ても嫌な顔されなかった。
「ローズちゃんよね?」
「そうです」
「あの時はごめんね。
いくら魅了の力が働いていてとはいえ小さなあなたを王家に預けてしまって」
「……あの時は王城が安全だったから……」
「今度は王城内とは……変わったことは……あれか、ローズの婚約者にどうかと送った娘か」
「わかりません。
ただ、確かに一人の令嬢の周りに集まっているのは事実です」
「ならなぜ君はかからなかったんだ」
「俺は興味がなかったんです。
それに、その令嬢が近くにいると虫唾が走るんですよ」
「なるほどな」
「なら、まずはローズの傷を癒すことが優先だな」
「俺は戻り、魅力にかかった人間を正常にしてくる」
そういうとカイ師は出て行った。
その後俺の治療ははじめられた。
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