モブの兄姉は悪役令嬢と攻略対象だった

りまり

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   何で俺はここにいるんだ。

   俺は殿下の婚約者でも何でもないのに何故姉様と一緒に並ばなければならないんだ。

   そんな事を考えていると、隣国の王子が挨拶に来た。

   「ご無沙汰しております」

   「小さい時以来だからな」

   「本当に立派になられて、後は結婚して後継ぎを見せてあげれば両親も安心するのに」

   「そうは思うのですが、いかんせん中々の理想の人に巡り合わずに今に至ります」

   「理想が高いからだろ」

   「君に言われたくないよ」

   怖いんですけど、何気ない会話なのに殺気がするんですけど、何でこんな場所に俺いるんだろ。

   遠い目になりながらもなんとか正気に戻り口元を痙攣らせながらも笑顔を作った。

   「俺にはこいつらがいるからな、二人に巡り会えて幸せ者だよ」

   蕩けるような目でこちらを見つめている。

   「これは惚気られてしまった」

   「殿下ったら嫌ですわ」

   「何を言う!
   本当の事だぞ、きちんと気持ちを伝えないとな」

   「こんな所で気持ち言われでも、恥ずかしいだけです」

   「相変わらず恥ずかしがり屋だな、そんなところも可愛らしくって好きなんだがな」

   マジ勘弁して下さい。

   恥ずか死ねるんですけど、早く部屋に戻りたい。

   笑顔を顔に貼り付けてニコニコしているが、もうすでにHPはゼロに等しい。

   「殿下もうからかうのは辞めて上げないとローの目が死んでますよ」

   「可愛いからつい構いたくなってしまうんだ」

   「仲が良く羨ましい、所で今日はローズ嬢はいらっしゃらないのですか?」

   「その事なんだが、後で話があるんだが」

   「わかった、後ほど」

   そう言うと去って行った。

   一通り挨拶が済むとダンス始まった。

   俺もダンスホールに出て父や兄さまの所に行こうとした時ご令嬢たちに捕まった。

   「ローズさま今日はどうなさったんですの?」

   「今日の衣装楽しみにしてましたのに残念ですわ」

   「勘弁して下さい」

   「今回残念がっているのは私たちだけではございませんわよ、あちらでチラチラこちらを伺っているご子息の方達はローズさまと踊りたかったのでしょうね」

   「こちらの格好でもよろしいと思うんですけど、男心ですかね」

   ウフフと言いながら去って行った。

   ようやく家族の元に辿り着いた時はすでに満身創痍だったということは言うまでもない。
   

   

   

  

   

   
   
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