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 あれから五年が過ぎました。

 あっという間です。

 五年たっても変わりません。

 環境が変わらないんです。

 確かに女装はしなくなりましたが、それでもやることは同じです。

 相変わらずです。

   ただ最近、アーリー王子の周りに女性の影が見え隠れ違った。

   積極的にいいよっていた。

   いたが、ガン無視していた。

   兄にもいいよっていたが、それもガン無視だった。

   時たま女性が発せられる言葉の中に攻略出来ないとか、なんで悪役令嬢なのにからんでこないのかと叫んでいるところをみると前世持ちらしいが、はっきり言えば関わり合いになりたくない!

   こんなアホみたいな女に関わり合ったら最後だ。

   もう少しで兄姉とアーリー王子は卒業するとそれぞれ忙しくなる。

   今だけしかのんびりできないのだ。

   そんな時に、姉に殺されそうになったと言い出したのだ。

 最初はざわついたがすぐに静けさを取り戻した。

 「アーリー様聞いてください。
 わたくしセディ様に階段から突き落とされたんです」

 「そうなのか……その割には大したケガもしてないようだが」

 真剣な顔で言っているが、なんでこんな場面なのに俺の腰に手をまわしながら言うかな。

 「そんな悪魔みたいな女から離れてください」

 「女って誰?」

 もしかして俺のこと言っていないよな。

 確かにまだ体は華奢だけど身長はそれなりに伸びた!

 アーリー様や兄さまから見たらまだ頭一つ分小さいけど……(まだ成長盛りだもん)

 「あなた以外いないじゃありませんか!
 わたくしに嫌がらせばかりしているじゃないですか」

 「離してください。
 姉さまにお仕置きしていただきますよ」

 「それもいいかも……」

 やだこの人想像して立っている。

 お姉さまはどんな躾したんですか!

 「俺男なんですけど……」

 「へぇ」

 すごい顔になってるんですけど……それも上から下までガン見なんですけど……怖い。

 「アーリーわかったわよ」

 お姉さまは書類の束をもって戻ってきた。

 「この男爵令嬢調べればいろいろでてきたわよ」

 「そうだろうな、ローズにいじめられたって言いだしたし」

 「ローズ様がそのようなことするはずありませんわ」

 「いつでもどこでむ騎士の方々や我々が見守っているんですから!」

 「そうですね。ローズ様に指一本触れさせぬために日夜努力を惜しまない」

 「もちろんセディ様や王妃様のご褒美は格別ですもの」

 うっとりとお姉さまをみる彼女たちはどこかアーリー様を思い出す。

 そうなんですね。

 お姉さまこの子たちにも調教を施していたんですね。

 そうすると、学園にいる間は誰かしらに監視されていることになるんですね。

 なんか泣けてきました。

 泣いていいですよね。



 

   

 
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