もう一人のオレがみんな美少女で家に住みついてますが何か

草薙銀之介

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第十五話 霧坂実瑠のスイッチトライアル 4

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 中々予算を弾むとは言ってもデパートの飲食店で、シニアや家族連れの客がメインターゲットと、質もそれなりに良いだろう。

 それに予算帯も高級と言う程でもないか、頻繁には無理でもたまには有りでも、将来予算を吐き出す必要は無い事には注意。

 いや、折角の機会だから音に怯えても入店して、……どうでもいいが実瑠と優花が並ぶなら、むしろ拒否する事に抵抗を覚える。

 俺は刺し身定食にしたが優花は焼き魚定食、実瑠は天ぷら定食をそれぞれオーダーして、長めに待機すると日本食の膳が並ぶ。

 焼き魚も割と奈津美さんや紫英流が用意出来て、天ぷらに至っては油の処理等が面倒になりそうで、何よりも店だと何かが違う。

 それぞれ『The・日本食』だが、その中でも刀工が魅せる各種魚介の刺し身はまさにそれで、解凍食材にしてはそれなりだった。

 醤油は店オリジナルなのだろうか、独自の甘味が微かに利いたモノで食材の旨味を殺さない様な、その様な工夫が有るのか。

 酒にはまだ時間的に早く実瑠と優花の手前で、セレクトした緑茶は黄色く渋みの在る酸味は、高級茶葉らしくもスッキリしていた。

 天ぷらも軽く佳い音がしてタレや塩につけても、メリケン粉や食材にマッチしていると見えて、優花はフニフニして止まらない。

 実瑠も同じく素早く自然に変化しながら、家庭では出せない微かな旨味の違いを観たか、艶と糖質の利いた米も吟味する。

 また、付け合せもそれぞれ充実して、香物は酸味が強くも程良く吸い物もメイン料理に合わせて、細かく工夫されているのか。

 店の内情は知るに及ばなくも充実した、そんな仮にも職人芸によって奥行きある、峰輿飯とはまた違う密度が在った気がした。

 若干羨ましくも思えた二人の料理も気になる、俺の刺し身定食へは俺自身の手で支払いが可能で、予算的にも余裕は在るのか。

 当店は決済アプリでも支払いが可能で、価格帯も三桁台から有り得て千五百円也と、けして払えない額では無いがかなりギリ。

 これから俺は予算再構築に努める事になるが、表裏一体の実瑠と一緒に不足分の支払いをと、努める三人の有志は確かな救済か。


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