もう一人のオレがみんな美少女で家に住みついてますが何か

第十話 大人達の飲み会 4

　その翌週に前回同様の要領で俺の自宅へと、今度はビールを大量に持ち込んで、コッソリ作ったツマミ料理も一斉に並ぶ。

　枝豆に餃子と野菜炒め等と来れば、恐らく夕食の残りかも知れないが、冷めても調味料無しでも充分にツマミとして機能する。

　と謂うのも奈津美さんと紫英流の知識やスキルで、食材の旨味を活かし切りながら、下ごしらえも最低限ながら絶妙だった。

　ビールも発泡酒やノンアルコールも併せて、全て人数分が用意されていたが、やはり真胡都が暴走するのだろうか。

　いや、今回は真胡都の顔が急接近したところへ、ビールの様に紫英流が吶喊しては、牽制し合いながらも点心料理の様だった。

　焼き鳥も数種類あったのでそれを活用しては、唐揚げもレモンをグッと絞って、テッペンにあったやつを奈津美さんは咥える。

　一点集中的にかけたので想像以上に酸味が突撃して、咳き込む隙に真胡都はタレの焼き鳥をワンピース口で引っ張った。

　そのまま俺の口に転がしては何時も通りに、他を出し抜いて横目に挑発しては、更に腰を遣って下を絡める真胡都。

　またしても遅れを取る紫英流は餃子を咥えて、顎を引きながら俺の口を弄び始めるには参るが、以外にも口内ではミラクルか。

　甘くややしょっぱい焼き鳥のタレと餃子が一体化して、ひき肉やニラと鶏肉の食感や旨味が、何故かフュージョンしたのか。

　更に唐揚げを食べきって仕切り直した奈津美さんが、口からビールを流し込んでは、どうしても腰を遣って舌を絡める。

　コッソリと集まった深夜の飲み会は、今週も過剰なくらい静かに荒れ狂っては、三人揃って呆ける横でビールとツマミを食べる。

　オンナの闘いが繰り広げられる俺の自宅は、乱れ咲く桜の如く咲いては散って、ツマミとビールを口にすればまた絡まる。

　料理も旨いしビールも割と俺に合っているが、毎回の展開にやや呆れながらも、何だかんだで俺はこの三神に甘えているのか。

　料理の旨味とビールの麦と炭酸が溶け込んで、意識さえも壊しながらも三神すら甘えさせるには、圧巻の光景が部屋に残滓を残す。