15 / 83
第四話 箱入り系動画配信者 1
しおりを挟む
約一月後の夕食どきに、実瑠のLINEアプリにある投稿があったので、そのグループLINEをチェックすると以下の様にあったらしい。
『家出して来ちゃったw』
もう既に峰輿家の一員となっていた実瑠は、投稿した動画を評価し合う知り合いを、紹介すべきか悩みはじめる。
「どうかした?」
奈津美さんが気を利かせて実瑠にきっかけを提供すると、知り合いの家出JKに関して、『もう一人の実瑠』が説明し始めた。
それによると、斎藤家も霧坂家同様に時代錯誤な親を持って、動画配信に就いて度々強く厳しく、徹底的に否定されていたらしい。
父親は警察官僚でそれなりな生活はさせても、偶に食卓へ並べは怒鳴られて、母親には毎日怒りをぶつけられている。
警察官僚で正義を振りかざすのは勝手でも、その信念を正しく扱えなければ、どうのしょうもない事だってあるだろう。
確かに動画配信者の中に逮捕者がいるかも知れないが、全ての者がそうではないし、そもそもとしてビジネスをやっている。
ひとによっては収益率も低く安定もしないどころか、ゼロの段階から抜け出せない場合もあって、呑み込み辛い場合だってある。
しかし、実瑠もその知人も女子高校生ながらも、多少なりとも成果を出しているなら、あとはそれを増やす環境は欲しい。
最も重要なことは、マーケットの性質や規模の他に、ユーザーに意識や関心を持ってもらえるような『マーケティング』。
これは知識や経験の量や質も影響するだろうから、早熟の段階にある者には難しいが、運営側のサポートに頼れなくもない。
それを徹底的にくどくしつこく片っ端から否定されて、集中砲火を受け続けるほうが、余程子の将来に悪影響がある。
とにかく会ってみないことには始まらないので、奈津美さんに何とか了解を取って、その家出人を迎えに行こうとした。
裏実瑠が止めて居場所を確認すると、近くの駅にいる事が分かったので、食べ終わった後の食器をシンクに一旦置いておく。
料理の旨味を意識しながら実瑠を視ると、いつも『無?』みたいな顔が緊張感のある顔で、俺も何故かソワソワしてきた。
何時の間にか家主がいなかったが、車を出しに行っているとわかっているので、萌香も連れて預かった鍵でドアを締めた。
奈津美さんは自前の紅いプリウスで登場して、俺がナビシートに萌香と実瑠が後部座席に、それぞれ乗り込むと駅に向かった。
『家出して来ちゃったw』
もう既に峰輿家の一員となっていた実瑠は、投稿した動画を評価し合う知り合いを、紹介すべきか悩みはじめる。
「どうかした?」
奈津美さんが気を利かせて実瑠にきっかけを提供すると、知り合いの家出JKに関して、『もう一人の実瑠』が説明し始めた。
それによると、斎藤家も霧坂家同様に時代錯誤な親を持って、動画配信に就いて度々強く厳しく、徹底的に否定されていたらしい。
父親は警察官僚でそれなりな生活はさせても、偶に食卓へ並べは怒鳴られて、母親には毎日怒りをぶつけられている。
警察官僚で正義を振りかざすのは勝手でも、その信念を正しく扱えなければ、どうのしょうもない事だってあるだろう。
確かに動画配信者の中に逮捕者がいるかも知れないが、全ての者がそうではないし、そもそもとしてビジネスをやっている。
ひとによっては収益率も低く安定もしないどころか、ゼロの段階から抜け出せない場合もあって、呑み込み辛い場合だってある。
しかし、実瑠もその知人も女子高校生ながらも、多少なりとも成果を出しているなら、あとはそれを増やす環境は欲しい。
最も重要なことは、マーケットの性質や規模の他に、ユーザーに意識や関心を持ってもらえるような『マーケティング』。
これは知識や経験の量や質も影響するだろうから、早熟の段階にある者には難しいが、運営側のサポートに頼れなくもない。
それを徹底的にくどくしつこく片っ端から否定されて、集中砲火を受け続けるほうが、余程子の将来に悪影響がある。
とにかく会ってみないことには始まらないので、奈津美さんに何とか了解を取って、その家出人を迎えに行こうとした。
裏実瑠が止めて居場所を確認すると、近くの駅にいる事が分かったので、食べ終わった後の食器をシンクに一旦置いておく。
料理の旨味を意識しながら実瑠を視ると、いつも『無?』みたいな顔が緊張感のある顔で、俺も何故かソワソワしてきた。
何時の間にか家主がいなかったが、車を出しに行っているとわかっているので、萌香も連れて預かった鍵でドアを締めた。
奈津美さんは自前の紅いプリウスで登場して、俺がナビシートに萌香と実瑠が後部座席に、それぞれ乗り込むと駅に向かった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる