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本編
魔物の最後 side オーウェン
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本日、二話連続更新。
時系列が少し戻ります。
「死に逝くモノに語る必要は無い」
両手に溜めた魔力を魔物に放つ。左手の最大氷魔法・氷河が先に当たり魔物の全身が氷つく。小僧はイリーナを連れて回避したし、此で遠慮なく次が放てる。
「何故、人間の味方をする!エルフは中立では無いのか!!」
驚愕の表情を浮かべる魔物は氷ついてなお私に戯れ言を言っていた。
「味方?違うな……お前、友の妻を……ドラゴンを殺め取り込んだな」
私の指摘に言葉を失くした魔物が氷河の氷を溶かそうと足掻く。最大魔法が簡単に溶けるか戯けが。
「ドラゴンを殺めた罪。死を持って償え」
動かない手足を必死に動かそうとする魔物に向かって、右手に溜めた最大炎魔法・爆炎を放つ。
「嫌だ、まだ終わっていない!復讐は、主の復活は!!」
「魔王は浄化された」
私の言葉と同時に炎が魔物を覆い尽くし一瞬で氷は見えなくなった。大きな破裂音と共に爆風が吹き荒れる。石造りの建物が大きな音と元に崩壊した。
興味もなく奴が魔王に執着する理由は謎のままだが、遥か昔、友と約束した事を思い出していた。
『友ヨ……』
『どうした』
『頼ミガアル』
急に頼み事等と珍しい事を言い出した友に、視線を向けると彼の眼には後悔が浮かんでいた。
『妻ヲ探シテクレ……妻ノ魔石ヲ』
『海のドラゴン』
友が巣から離れた隙に襲われた妻の魔石は見付からないまま月日だけが流れてはいたが、急に何を言い出す。
『我ハ永クナイ』
『そうか』
そう言い出した友に動揺した私は、素っ気ない返事をしただけだった。
その後、自分の魔石と身体を使って剣を打てと言い出した時には驚いたが、結果として魔王を倒し妻の魔石が見付かった。
爆風が収まり防御壁を解除すると、足元の瓦礫を取り除き目的の魔石を拾い上げた。あの時、友の願い通りに剣を造り、その剣を使った小僧が魔王を倒した。友の願いも全て叶った……その後は、どうしたものか。
「ふう……やり過ぎたか?まぁ、良い」
「オーウェンさん、無事ですか!」
私を呼ぶ声はイリーナ。その後には小僧と剣に姿を変えた永遠の友がいた。
「あぁ、心配するな。友よ、見付けたぞ」
『……アア、間違ナイ。妻ノ魔石ダ……アリガトウ』
無機質な剣に姿を変えたはずの友が涙を流している気がした。小僧も何も言わずに魔石に触れるだけだった。
魔物の魔石を粉砕し手元に残った友の番の魔石。この魔石は……
「小僧、剣を貸せ」
小僧から剣を受け取ると、魔石同士を近付ける。融合させる為に魔力を流すと、最初から一つだったかの様に直ぐに溶け合い蒼い色が更に深まった。
「何をしたのですか?」
「友の番の魔石を融合させた。馴染むまで暫く、時間を必要とする。先ずは城に帰るか」
小僧に剣を返した後、二人を親元へ返す為に転移の準備をする。小僧が魔物の毒にヤられた事を思い出して手に視線を向けると、既に元通りに治っていた。イリーナの魔法か……この後は彼女に魔法を教えるながら、二人を行く末を見るのも悪くないな。
「二人共、行くぞ」
「「はい」」
三人で中に入った転移の渦が閉じる時、その隙間からこの城の兵士の姿が見えた。あぁ、怒りで忘れてたが奴は何処かの国で姿を変え、中に入り込んでいたのか…… 私には関係無いがな。
時系列が少し戻ります。
「死に逝くモノに語る必要は無い」
両手に溜めた魔力を魔物に放つ。左手の最大氷魔法・氷河が先に当たり魔物の全身が氷つく。小僧はイリーナを連れて回避したし、此で遠慮なく次が放てる。
「何故、人間の味方をする!エルフは中立では無いのか!!」
驚愕の表情を浮かべる魔物は氷ついてなお私に戯れ言を言っていた。
「味方?違うな……お前、友の妻を……ドラゴンを殺め取り込んだな」
私の指摘に言葉を失くした魔物が氷河の氷を溶かそうと足掻く。最大魔法が簡単に溶けるか戯けが。
「ドラゴンを殺めた罪。死を持って償え」
動かない手足を必死に動かそうとする魔物に向かって、右手に溜めた最大炎魔法・爆炎を放つ。
「嫌だ、まだ終わっていない!復讐は、主の復活は!!」
「魔王は浄化された」
私の言葉と同時に炎が魔物を覆い尽くし一瞬で氷は見えなくなった。大きな破裂音と共に爆風が吹き荒れる。石造りの建物が大きな音と元に崩壊した。
興味もなく奴が魔王に執着する理由は謎のままだが、遥か昔、友と約束した事を思い出していた。
『友ヨ……』
『どうした』
『頼ミガアル』
急に頼み事等と珍しい事を言い出した友に、視線を向けると彼の眼には後悔が浮かんでいた。
『妻ヲ探シテクレ……妻ノ魔石ヲ』
『海のドラゴン』
友が巣から離れた隙に襲われた妻の魔石は見付からないまま月日だけが流れてはいたが、急に何を言い出す。
『我ハ永クナイ』
『そうか』
そう言い出した友に動揺した私は、素っ気ない返事をしただけだった。
その後、自分の魔石と身体を使って剣を打てと言い出した時には驚いたが、結果として魔王を倒し妻の魔石が見付かった。
爆風が収まり防御壁を解除すると、足元の瓦礫を取り除き目的の魔石を拾い上げた。あの時、友の願い通りに剣を造り、その剣を使った小僧が魔王を倒した。友の願いも全て叶った……その後は、どうしたものか。
「ふう……やり過ぎたか?まぁ、良い」
「オーウェンさん、無事ですか!」
私を呼ぶ声はイリーナ。その後には小僧と剣に姿を変えた永遠の友がいた。
「あぁ、心配するな。友よ、見付けたぞ」
『……アア、間違ナイ。妻ノ魔石ダ……アリガトウ』
無機質な剣に姿を変えたはずの友が涙を流している気がした。小僧も何も言わずに魔石に触れるだけだった。
魔物の魔石を粉砕し手元に残った友の番の魔石。この魔石は……
「小僧、剣を貸せ」
小僧から剣を受け取ると、魔石同士を近付ける。融合させる為に魔力を流すと、最初から一つだったかの様に直ぐに溶け合い蒼い色が更に深まった。
「何をしたのですか?」
「友の番の魔石を融合させた。馴染むまで暫く、時間を必要とする。先ずは城に帰るか」
小僧に剣を返した後、二人を親元へ返す為に転移の準備をする。小僧が魔物の毒にヤられた事を思い出して手に視線を向けると、既に元通りに治っていた。イリーナの魔法か……この後は彼女に魔法を教えるながら、二人を行く末を見るのも悪くないな。
「二人共、行くぞ」
「「はい」」
三人で中に入った転移の渦が閉じる時、その隙間からこの城の兵士の姿が見えた。あぁ、怒りで忘れてたが奴は何処かの国で姿を変え、中に入り込んでいたのか…… 私には関係無いがな。
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