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本編
あれれ?
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練習用の部屋で二人で待っていると、先生が入って来た。ランバートさんが、どこまでダンスを覚えているかみる為に最初に二人で踊る事になった。はぁ……今日は、何回、足を踏んじゃうかなぁ?
「足を踏むと思います。先に謝っときます。ごめんなさい」
俯いて自分の足を見ながら言うと、彼は小さな声で笑う。
「俺は丈夫だから気にせず踊れば良いよ」
不安で泣きそうな私を安心させる様に笑う彼に、自然と肩の力が抜けた。音楽が流れ始めて部屋の中に響く。差し出された手を掴むと、自然と身体が動いた。あれ?……私……踊れてる……なんで?
「上手いじゃないか。俺の方がヤバい。ステップ忘れてたらごめん」
部屋の中をクルクルと回り踊る。ランバートさんが誉めてくれたけど、私自身が一番驚いている。
「こんなに踊れたの……初めてですよ」
「マジ?」
本当に会話する余裕があるなんて驚きですよ。一曲、終わって先生の元に行くと何度も頷いていた。こんなにご機嫌な先生は初めて見ました。
「勇者様、ステップは忘れていない様ですね、安心しました。そして、イリーナ様」
「はい」
「素晴らしいです!きっと長身の勇者様と踊る事で身長のバランスが良くなったのでしょう。これならパーティーも問題無しです」
初めて笑顔で誉められて嬉しくなる。身体が覚えいるうちに何度も踊ると良いと言って、先生は違う曲を掛ける。二人で顔を見合せて思わず笑うと、次の曲に合わせて踊り出した。身体がこんなに軽い……ダンスが楽しいのは初めて!相手が違うだけで、こんなに違うの?
「イリーナは凄いな。これも踊れるのか。俺は、覚えるのに時間が掛かって先生が怖かったよ」
「そうなんですか?ランバートさんの方が余裕ありますよ」
「そりゃ、カッコ悪い所、見せたくないからな」
結局、習った四曲の全てを二人で続けて踊って、今日の練習は終わりになった。さて、早く部屋に戻って着替えよう。そう思っていたら、ランバートさんから散歩に誘われた。王妃様から昨日の謝罪の中で滞在中は王妃様の庭を何時でも見て良いって言われたので、今からゆっくり見に行かないと言う。行きたい!昨日は、全然見てないから見たい!でも……
「着替えてから行きませんか?私、歩きにくいので」
動きにくいドレスを指してアピールする。ゆっくり見るには、普段着が一番ですよ。少し考える素振りを見せた彼は、ポンと手を叩くと楽しそうに笑う。
「歩き疲れたら、俺が抱き上げるから問題ないよ」
何が問題無いのかな?お義父様から散々、怒られたのにまだ分からないかな?なんで触る事を躊躇わないのかな!
「……女性に簡単には触らないって、お義父様から言われましたよね?」
「あ……はい……」
「抱き上げるのは、良い事ですか?悪い事ですか?」
幼い子供を叱るみたいになったけど仕方がない。ねぇ、私なら触っても良い訳?違うよね?女性は皆、触るのダメでしょう?
笑顔で答えを待っていると、段々と彼の顔色が悪くなる。うん?答えは?
「えっと……ダメな事です」
「ですよね。着替えてから行きましょう」
「もう少しだけ、このままではダメか?」
「え?なんで?」
疑問をそのまま言葉にして首を傾げると、ウッと詰まる声の後で彼が真っ赤な顔を背けながら私に言った。
「凄く似合ってるから、もう少し見ていたい」
ボッと音が聞こえた気がする。熱い頬を両手で包みながら、彼の言葉に黙って頷いた。
あれれ?結局、ドレスのままで散歩に出かける事になっちゃった
「足を踏むと思います。先に謝っときます。ごめんなさい」
俯いて自分の足を見ながら言うと、彼は小さな声で笑う。
「俺は丈夫だから気にせず踊れば良いよ」
不安で泣きそうな私を安心させる様に笑う彼に、自然と肩の力が抜けた。音楽が流れ始めて部屋の中に響く。差し出された手を掴むと、自然と身体が動いた。あれ?……私……踊れてる……なんで?
「上手いじゃないか。俺の方がヤバい。ステップ忘れてたらごめん」
部屋の中をクルクルと回り踊る。ランバートさんが誉めてくれたけど、私自身が一番驚いている。
「こんなに踊れたの……初めてですよ」
「マジ?」
本当に会話する余裕があるなんて驚きですよ。一曲、終わって先生の元に行くと何度も頷いていた。こんなにご機嫌な先生は初めて見ました。
「勇者様、ステップは忘れていない様ですね、安心しました。そして、イリーナ様」
「はい」
「素晴らしいです!きっと長身の勇者様と踊る事で身長のバランスが良くなったのでしょう。これならパーティーも問題無しです」
初めて笑顔で誉められて嬉しくなる。身体が覚えいるうちに何度も踊ると良いと言って、先生は違う曲を掛ける。二人で顔を見合せて思わず笑うと、次の曲に合わせて踊り出した。身体がこんなに軽い……ダンスが楽しいのは初めて!相手が違うだけで、こんなに違うの?
「イリーナは凄いな。これも踊れるのか。俺は、覚えるのに時間が掛かって先生が怖かったよ」
「そうなんですか?ランバートさんの方が余裕ありますよ」
「そりゃ、カッコ悪い所、見せたくないからな」
結局、習った四曲の全てを二人で続けて踊って、今日の練習は終わりになった。さて、早く部屋に戻って着替えよう。そう思っていたら、ランバートさんから散歩に誘われた。王妃様から昨日の謝罪の中で滞在中は王妃様の庭を何時でも見て良いって言われたので、今からゆっくり見に行かないと言う。行きたい!昨日は、全然見てないから見たい!でも……
「着替えてから行きませんか?私、歩きにくいので」
動きにくいドレスを指してアピールする。ゆっくり見るには、普段着が一番ですよ。少し考える素振りを見せた彼は、ポンと手を叩くと楽しそうに笑う。
「歩き疲れたら、俺が抱き上げるから問題ないよ」
何が問題無いのかな?お義父様から散々、怒られたのにまだ分からないかな?なんで触る事を躊躇わないのかな!
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「あ……はい……」
「抱き上げるのは、良い事ですか?悪い事ですか?」
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「ですよね。着替えてから行きましょう」
「もう少しだけ、このままではダメか?」
「え?なんで?」
疑問をそのまま言葉にして首を傾げると、ウッと詰まる声の後で彼が真っ赤な顔を背けながら私に言った。
「凄く似合ってるから、もう少し見ていたい」
ボッと音が聞こえた気がする。熱い頬を両手で包みながら、彼の言葉に黙って頷いた。
あれれ?結局、ドレスのままで散歩に出かける事になっちゃった
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