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本編
モヤモヤする
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目を覚ました翌日から、師匠やオーウェンさんの指導の元、魔力のコントロールの練習に集中している。今まで少ない魔力でやってきた修理作業も、回復した多量の魔力では調整が難しい。魔石の回復は簡単になった分、他の作業は失敗の連続で気分が落ち込んでいた。今日もオーウェンさんの指導で魔具の修理をしようとして壊してしまって終了となった。
「午後は貴族としての勉強だったな」
オーウェンさんの言葉に無言で頷いて、ため息を吐いた。師匠の養子になったから御披露目パーティーに出ないといけないらしい。座学はお母さんや師匠から教わっていたから問題無しだったけど……
「マナーもダンスも……うんざりです」
言葉使いは『わたし』と『わたくし』とか細かい指摘に、ダンスなんてサッパリの私は先生の足を踏んだり散々な結果で、そろそろ本気で逃げ出したい。その上……
「小僧は、今日も居ないのか?」
一緒に練習するはずのランバートさんが居ない。と言うか、あの日、目を覚ました後に会ってから一度も会ってない。震える声で言った言葉は何だったんだろう?心配したって言ったのに、目を覚ましたら一度も会いに来ないし、私から行っても居なかったり忙しいと断られて……モヤモヤする。
考え込んでいたら眉間にシワが寄ってしまって、自分の指で摘まんで解す。
「今日は、ギルドに行くそうです」
今朝、部屋に届いた伝言はそれだけ。本人が来ないので、詳しく聞く事すら出来ない。
「私……嫌われる様な事したかなぁ?」
思わずオーウェンさんに愚痴を溢してしまう程、モヤモヤした気持ちが晴れない。何か気分転換が出来れば良いけど……
「本でも借りて読んだらどうだ?少しは晴れるだろう」
「そうですね……前に借りた本も読み終わったし、そうします」
初日借りた本は重いから、無限収納ポーチに入れてあるし、場所も覚えたから大丈夫。そう思うと少しだけ心と身体が軽くなった気がした。
「さて、私は研究室に行く。何かあったら連絡しろ」
「はい、ありがとうございました」
オーウェンさんとの訓練が終わったその足でお城の図書室へ行くと、返却手続きをしてから中に入る。何度見ても圧巻の図書の中を歩きながら、魔具の資料やダンスの解説の本も借りてみる。暇潰しも兼ねて、恋愛小説も一冊だけ借りてみた。貸出手続きを済ませてから、ポーチに入れて部屋に戻る。ダンスレッスンの開始まで時間ごがあるから、一冊だけ読むことにした。
どれにしよう……ダンスの本は先生に直接、確認したいから後にして……直ぐに読み終わりそうな恋愛小説かな。
これ、前に住んでた町の友達が薦めてくれたけど……ベタな恋愛モノ……失敗したかなぁ。ハッピーエンドは良いけど……今の私にはキツいわ。
どうして、ランバートさんは会ってくれないのかなぁ……優しくしてくれたのは弟弟子だったから?私は……もう要らないの?どんどん後ろ向きな考えばかりが、頭の中を埋め尽くして涙が溢れる。モヤモヤとした気持ちが全身を侵食していく気がして頭を大きく振って考えを消そうとしたけど消えない。
「もうヤダ……お母さん……やっぱり怖くて聞けないよ」
一人の部屋の中に私の泣き声だけが響く。泣いても仕方ないけど……今は泣かせて欲しい……
私の中で彼に会えない事が、悲しく感じなくなるまで、あとどれくらい必要ですか?
「午後は貴族としての勉強だったな」
オーウェンさんの言葉に無言で頷いて、ため息を吐いた。師匠の養子になったから御披露目パーティーに出ないといけないらしい。座学はお母さんや師匠から教わっていたから問題無しだったけど……
「マナーもダンスも……うんざりです」
言葉使いは『わたし』と『わたくし』とか細かい指摘に、ダンスなんてサッパリの私は先生の足を踏んだり散々な結果で、そろそろ本気で逃げ出したい。その上……
「小僧は、今日も居ないのか?」
一緒に練習するはずのランバートさんが居ない。と言うか、あの日、目を覚ました後に会ってから一度も会ってない。震える声で言った言葉は何だったんだろう?心配したって言ったのに、目を覚ましたら一度も会いに来ないし、私から行っても居なかったり忙しいと断られて……モヤモヤする。
考え込んでいたら眉間にシワが寄ってしまって、自分の指で摘まんで解す。
「今日は、ギルドに行くそうです」
今朝、部屋に届いた伝言はそれだけ。本人が来ないので、詳しく聞く事すら出来ない。
「私……嫌われる様な事したかなぁ?」
思わずオーウェンさんに愚痴を溢してしまう程、モヤモヤした気持ちが晴れない。何か気分転換が出来れば良いけど……
「本でも借りて読んだらどうだ?少しは晴れるだろう」
「そうですね……前に借りた本も読み終わったし、そうします」
初日借りた本は重いから、無限収納ポーチに入れてあるし、場所も覚えたから大丈夫。そう思うと少しだけ心と身体が軽くなった気がした。
「さて、私は研究室に行く。何かあったら連絡しろ」
「はい、ありがとうございました」
オーウェンさんとの訓練が終わったその足でお城の図書室へ行くと、返却手続きをしてから中に入る。何度見ても圧巻の図書の中を歩きながら、魔具の資料やダンスの解説の本も借りてみる。暇潰しも兼ねて、恋愛小説も一冊だけ借りてみた。貸出手続きを済ませてから、ポーチに入れて部屋に戻る。ダンスレッスンの開始まで時間ごがあるから、一冊だけ読むことにした。
どれにしよう……ダンスの本は先生に直接、確認したいから後にして……直ぐに読み終わりそうな恋愛小説かな。
これ、前に住んでた町の友達が薦めてくれたけど……ベタな恋愛モノ……失敗したかなぁ。ハッピーエンドは良いけど……今の私にはキツいわ。
どうして、ランバートさんは会ってくれないのかなぁ……優しくしてくれたのは弟弟子だったから?私は……もう要らないの?どんどん後ろ向きな考えばかりが、頭の中を埋め尽くして涙が溢れる。モヤモヤとした気持ちが全身を侵食していく気がして頭を大きく振って考えを消そうとしたけど消えない。
「もうヤダ……お母さん……やっぱり怖くて聞けないよ」
一人の部屋の中に私の泣き声だけが響く。泣いても仕方ないけど……今は泣かせて欲しい……
私の中で彼に会えない事が、悲しく感じなくなるまで、あとどれくらい必要ですか?
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