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本編
図書室に行く
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朝食の後、王様達は祖父母の事を調べると言ったけど、私は参加させて貰えない。祖父母の出方次第では危険と言われれば大人しく従うしかなかった。その代わり空いた時間に勉強したいと言ったら、図書室に行く許可をくれた。
「これを持っていけば借りる事も出来ますよ」
「ありがとうございます」
王様から渡されたカードは、何度も使える貸出許可証らしい。失くさない様にしなきゃ。良かった。魔具の勉強もだけど、魔石についても専門書を読みたかったんだよね。師匠の本は魔法の専門書が多いし、自分の稼ぎじゃ沢山は買えないから嬉しい。
「ランバート君。護衛も兼ねて君が案内して下さいね」
「はい」
早速、私達はお城の図書室に行く事にした。早く読みたい!どんな本があるか楽しみ。久しぶりにゆっくり本が読めると思うと自然と頬が緩んでいた。
ランバートさんと木々を抜けてお城に近づくと、その大きさに圧倒されて立ち止まり見上げた。はー、凄い。
「イリーナ、行こうか」
急に立ち止まった私を一歩離れた場所で、ランバートさんが待っていて慌てて追い付く。お城の二階の奥にあった図書室には、天井に届きそうな程高い本棚と壁に埋め込まれた棚に沢山の本が並ぶ。圧倒されるほどの本の量に心が踊った。
早速、受付でカードを出して読みたい本の場所を聞く。教えて貰った場所は人が少なく直ぐにお目当てを見付ける事が出来た。うっ!重い……でも、この本は上下巻纏めて借りたい。他の本を減らそうかなぁ。棚の横に私ある机の上に乗せた本は五冊だけど、二冊だけかなり厚い。うーん、どっちを後回しにしよう……
「どうした?本が見付からないのか?」
「……ちょっと重いから減らそうと思っ……」
息がかかりそうな程、顔が近い彼に驚いて一歩下がったら本棚にぶつかった。足が縺れて転びそうになった私を、危なげなくうけとめた彼はしっかり立った事を確認すると軽々と重い本を持った。
「俺が持つから減らさなくても良い」
そう言って彼は先に受付に歩いて行く。私も慌てて追い掛けて半分持つと言ったけど、首を横に振った。
「オーウェン殿から薬を渡されただろう?」
「はぁ、今朝、貰って飲みました」
急にどうしたのかと問えば、オーウェンさんが薬を渡す時は急を要する時が多いらしい。師匠は倒れたから必要だけど、私は体調に問題なんか無いのに……あれ?本当に何でだろう?
「だから、イリーナは無理し過ぎだ。これくらい甘えて良いんだよ」
「…………はい、お願いします」
甘えて良いと言われても、よく分からないし体調も悪くない。だけど、これ以上、食い下がっても無駄な気がして、諦めて運ぶのをお願いした。受付で貸出の手続きを済ませ、王族居住区に戻る途中で女性の甲高い声が聞こえてきた。……何ごと?
「勇者様!やっと私と結婚する気になったのですね!」
「「は?」」
私とランバートさんの声が重なる。驚いている私達に向かって走って近付いてくる女性は、ピンク色のフワフワしたドレスを着てケーキみたいに飾りでモコモコした帽子を被っていた。えっと、この人……し、知り合いですか?
チラッと彼の顔に視線を向けると、笑顔は消えて蒼く輝く瞳は暗く沈んで見えた。
「我が家に婿にきて下さるのね!さぁ、我が家へ参りましょう!!」
一人で話しを進めた女性が彼の腕に身体を近付けた瞬間、バチッと音と共に女性の手が弾かれた。え?えっと……え?本当に何が起きたの?
「……今のは……」
女性が驚きながら彼の顔を見た途端、青ざめた表情に変わる。ガタガタと震え始めた女性を後から追い掛けてきたらしい人達が、謝りながら何処かに連れて行った。
あの人、何がしたかったんだろう……
「これを持っていけば借りる事も出来ますよ」
「ありがとうございます」
王様から渡されたカードは、何度も使える貸出許可証らしい。失くさない様にしなきゃ。良かった。魔具の勉強もだけど、魔石についても専門書を読みたかったんだよね。師匠の本は魔法の専門書が多いし、自分の稼ぎじゃ沢山は買えないから嬉しい。
「ランバート君。護衛も兼ねて君が案内して下さいね」
「はい」
早速、私達はお城の図書室に行く事にした。早く読みたい!どんな本があるか楽しみ。久しぶりにゆっくり本が読めると思うと自然と頬が緩んでいた。
ランバートさんと木々を抜けてお城に近づくと、その大きさに圧倒されて立ち止まり見上げた。はー、凄い。
「イリーナ、行こうか」
急に立ち止まった私を一歩離れた場所で、ランバートさんが待っていて慌てて追い付く。お城の二階の奥にあった図書室には、天井に届きそうな程高い本棚と壁に埋め込まれた棚に沢山の本が並ぶ。圧倒されるほどの本の量に心が踊った。
早速、受付でカードを出して読みたい本の場所を聞く。教えて貰った場所は人が少なく直ぐにお目当てを見付ける事が出来た。うっ!重い……でも、この本は上下巻纏めて借りたい。他の本を減らそうかなぁ。棚の横に私ある机の上に乗せた本は五冊だけど、二冊だけかなり厚い。うーん、どっちを後回しにしよう……
「どうした?本が見付からないのか?」
「……ちょっと重いから減らそうと思っ……」
息がかかりそうな程、顔が近い彼に驚いて一歩下がったら本棚にぶつかった。足が縺れて転びそうになった私を、危なげなくうけとめた彼はしっかり立った事を確認すると軽々と重い本を持った。
「俺が持つから減らさなくても良い」
そう言って彼は先に受付に歩いて行く。私も慌てて追い掛けて半分持つと言ったけど、首を横に振った。
「オーウェン殿から薬を渡されただろう?」
「はぁ、今朝、貰って飲みました」
急にどうしたのかと問えば、オーウェンさんが薬を渡す時は急を要する時が多いらしい。師匠は倒れたから必要だけど、私は体調に問題なんか無いのに……あれ?本当に何でだろう?
「だから、イリーナは無理し過ぎだ。これくらい甘えて良いんだよ」
「…………はい、お願いします」
甘えて良いと言われても、よく分からないし体調も悪くない。だけど、これ以上、食い下がっても無駄な気がして、諦めて運ぶのをお願いした。受付で貸出の手続きを済ませ、王族居住区に戻る途中で女性の甲高い声が聞こえてきた。……何ごと?
「勇者様!やっと私と結婚する気になったのですね!」
「「は?」」
私とランバートさんの声が重なる。驚いている私達に向かって走って近付いてくる女性は、ピンク色のフワフワしたドレスを着てケーキみたいに飾りでモコモコした帽子を被っていた。えっと、この人……し、知り合いですか?
チラッと彼の顔に視線を向けると、笑顔は消えて蒼く輝く瞳は暗く沈んで見えた。
「我が家に婿にきて下さるのね!さぁ、我が家へ参りましょう!!」
一人で話しを進めた女性が彼の腕に身体を近付けた瞬間、バチッと音と共に女性の手が弾かれた。え?えっと……え?本当に何が起きたの?
「……今のは……」
女性が驚きながら彼の顔を見た途端、青ざめた表情に変わる。ガタガタと震え始めた女性を後から追い掛けてきたらしい人達が、謝りながら何処かに連れて行った。
あの人、何がしたかったんだろう……
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