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本編
変わる未来
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自分の置かれている状況に呆然としていだけど、このままじゃいけない。師匠と王様に、どう説明してら良いの?兎に角、師匠の部屋に行こう。
「師匠の部屋に行きますから、待ってて下さい」
「魔眼の持ち主の所か?」
私が頷くとオーウェンさんは一緒に行くと言い出した。待ってて言ったよね!?私の話を聞いて!
お城の人が驚くとか師匠の体調が悪いから大勢で行くのは良くないと言っても聞いてくれない。結局、私が根負けして全員で行く事になった。師匠が休んでいる部屋をノックしてから入ると、ベッドの上の師匠が私の顔を見て一瞬、安堵の表情をみせたけど後ろの二人に気付いて目を見開いた。
「……エルフ殿……さっきの魔力は貴殿の?」
「流石、魔眼の持ち主だ。如何にも私の転移魔法の魔力だ」
師匠の答えに納得したのかオーウェンさんが大きく頷くと、修理した魔具を師匠に渡した。
「小僧と娘の頼みだ。二人に感謝しろ」
「ありがとうございます」
師匠は茫然としながら、渡された魔具を見詰めていた。暫く見ていた師匠が震える手で眼鏡をかけると、目をパッチリ開いて部屋の中を見ていたら顔を抑えて俯いた。呻き声を上げた師匠が、少し乱暴に顔を上げるとランバートさんを睨んだ。
「未来視か?」
「ええ、新しい未来の様です。以前、視た内容と異なります」
「師匠、何が視えたのですか?」
ランバートさんが師匠に尋ねると、またムッとして彼を睨んでから話を始めた。
師匠が視たのは古代魔具兵器を破壊するランバートさんともう一つの人の影と、破壊して平和になった後の出来事。だけど、平和になった後の出来事は、絶対に話したく無いらしい。ランバートさんと関係しているのか、時々、睨んでいるけど何で?
「古代魔具兵器の破壊か……まだ残っていたのか?」
オーウェンさんが古代魔具兵器と聞いて眉間にシワを寄せた。エルフの世界でも問題になったその兵器は、当時の人々とエルフが協力して全て破壊したと思っていたらしい。
「マガユダ帝国をご存知でしょうか?」
オーウェンさんが首を横に振ると、ランバートさんがポーチから世界地図を取り出した。
「今、自分達がいる国がここになります。問題のマガユダは山を二つ越えた、ここにです」
地図の上を指しながらランバートさんが説明する両脇から、師匠とオーウェンさんが覗き込んでいる。へー、こんなに高い山を挟んだ先の国だったんだ。
「兵器のある場所は何処だ?」
「おそらく、遺跡に近いこの砦か……帝都の軍施設のここ」
兵器は大きいから可能性が高いのは砦の方らしい。オーウェンさんは頷くと、ランバートさんの服の襟を引っ張る様に掴んだ。え?軽々と掴んでますけど、大人の男性ですよね!?
「成る程……小僧、行くぞ」
「「は?」」
師匠とランバートさんの驚きの声が重なる。しかも、ランバートさんの顔が青ざめていて、見ている私も驚いた。
「イリーナ、これをお前と魔眼の持ち主が飲め」
逃げ腰のランバートさんを掴んだままのオーウェンさんが、ポイっと小さな袋を投げたので慌てて掴まえる。転移魔法を発動しているのか、部屋の壁がグニャリと歪む。
「また!?ちょっ……ま、待って!」
「煩い。行くぞ。直ぐに戻る」
嫌がるランバートさんを無視して、オーウェンさんが私に向けて手を振ると二人は壁に現れた黒い渦の中に消えた。
「……え?師匠、転移魔法って……何度も使えました?」
「いや、そんなはずは……エルフだからか?」
師匠と二人で茫然と二人が消えた壁を見詰めていた。
「師匠の部屋に行きますから、待ってて下さい」
「魔眼の持ち主の所か?」
私が頷くとオーウェンさんは一緒に行くと言い出した。待ってて言ったよね!?私の話を聞いて!
お城の人が驚くとか師匠の体調が悪いから大勢で行くのは良くないと言っても聞いてくれない。結局、私が根負けして全員で行く事になった。師匠が休んでいる部屋をノックしてから入ると、ベッドの上の師匠が私の顔を見て一瞬、安堵の表情をみせたけど後ろの二人に気付いて目を見開いた。
「……エルフ殿……さっきの魔力は貴殿の?」
「流石、魔眼の持ち主だ。如何にも私の転移魔法の魔力だ」
師匠の答えに納得したのかオーウェンさんが大きく頷くと、修理した魔具を師匠に渡した。
「小僧と娘の頼みだ。二人に感謝しろ」
「ありがとうございます」
師匠は茫然としながら、渡された魔具を見詰めていた。暫く見ていた師匠が震える手で眼鏡をかけると、目をパッチリ開いて部屋の中を見ていたら顔を抑えて俯いた。呻き声を上げた師匠が、少し乱暴に顔を上げるとランバートさんを睨んだ。
「未来視か?」
「ええ、新しい未来の様です。以前、視た内容と異なります」
「師匠、何が視えたのですか?」
ランバートさんが師匠に尋ねると、またムッとして彼を睨んでから話を始めた。
師匠が視たのは古代魔具兵器を破壊するランバートさんともう一つの人の影と、破壊して平和になった後の出来事。だけど、平和になった後の出来事は、絶対に話したく無いらしい。ランバートさんと関係しているのか、時々、睨んでいるけど何で?
「古代魔具兵器の破壊か……まだ残っていたのか?」
オーウェンさんが古代魔具兵器と聞いて眉間にシワを寄せた。エルフの世界でも問題になったその兵器は、当時の人々とエルフが協力して全て破壊したと思っていたらしい。
「マガユダ帝国をご存知でしょうか?」
オーウェンさんが首を横に振ると、ランバートさんがポーチから世界地図を取り出した。
「今、自分達がいる国がここになります。問題のマガユダは山を二つ越えた、ここにです」
地図の上を指しながらランバートさんが説明する両脇から、師匠とオーウェンさんが覗き込んでいる。へー、こんなに高い山を挟んだ先の国だったんだ。
「兵器のある場所は何処だ?」
「おそらく、遺跡に近いこの砦か……帝都の軍施設のここ」
兵器は大きいから可能性が高いのは砦の方らしい。オーウェンさんは頷くと、ランバートさんの服の襟を引っ張る様に掴んだ。え?軽々と掴んでますけど、大人の男性ですよね!?
「成る程……小僧、行くぞ」
「「は?」」
師匠とランバートさんの驚きの声が重なる。しかも、ランバートさんの顔が青ざめていて、見ている私も驚いた。
「イリーナ、これをお前と魔眼の持ち主が飲め」
逃げ腰のランバートさんを掴んだままのオーウェンさんが、ポイっと小さな袋を投げたので慌てて掴まえる。転移魔法を発動しているのか、部屋の壁がグニャリと歪む。
「また!?ちょっ……ま、待って!」
「煩い。行くぞ。直ぐに戻る」
嫌がるランバートさんを無視して、オーウェンさんが私に向けて手を振ると二人は壁に現れた黒い渦の中に消えた。
「……え?師匠、転移魔法って……何度も使えました?」
「いや、そんなはずは……エルフだからか?」
師匠と二人で茫然と二人が消えた壁を見詰めていた。
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