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本編
勇者様は天然の様です
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心臓が止まりそうな程の驚きの目覚めの後、勇者様を叩き起こした。目を覚ました勇者様は、普通に朝の挨拶してから部屋を出ていった。アンタなにしてんの?
「リナ!ランディーと鍛練してくるから、朝飯をこいつの分も頼む」
「は~い」
一階から聞こえた師匠の声に返事をすると、二人は近付かない様にと言って外へ出た。自分の実力は分かってますから行きませんよ。
何時もの二倍ほどの朝食を作ってから窓から外の様子を確認すると、まだ模擬戦をしていた。二人共、朝から元気だね。
「ご飯出来ましたよ!早く来ないと、無くなるよ~」
私が大きな声で叫ぶと、勇者様が師匠を足で蹴り飛ばしてから、私の方を見た。
「今、行くから待って!」
は?いや……そうじゃないでしょ!!!!師匠が木にめり込んでるけど生きてる!?
「し、師匠……?」
「ゴホッ……この馬鹿力が……ゴホッ、ゴホッ」
何度も噎せ込みながら師匠が立ち上がる。フラフラと歩く師匠の背中には、どす黒いオーラが見える気がする。うわ……師匠が本気で怒ってる。
勇者様は早くご飯が食べたいのか家に向かって歩いてくるけど、後ろから追い付いた師匠が肩に手を置いた瞬間、彼に投げ飛ばされた。……え?……は?ウソ、え?師匠って、そんなに軽かった?
「あ、あの……勇者様、師匠が……」
「名前で呼んでくれないのか?」
今、そこ?気になるところがそこ!?天然なの!?違うでしょ!後ろの師匠が!
私の視線に気付いた勇者様が、やっと後ろを振り返って師匠を見た。どす黒いオーラの師匠に向かって、勇者様は苦笑いしているだけだ。怖くないの?
「師匠、ご飯食べてから続きしましょ。俺、腹ペコで力が出ませんよ」
ニコニコと笑みを浮かべる勇者様は、地面に座り込んだままの師匠の手を掴んで立ち上がらせた。二人が並ぶと改めて勇者様の体格の良さが目立つ。師匠も強いし背が高いけど細身。勇者様は筋肉質な体型で大柄。たくさん食べるのかな?
「うわ、旨そう!いただきます」
「おい、リナの分は残しておけよ」
手を洗った二人がテーブルにつくと、凄い勢いで食べ物が消えて行く。空になった皿を下げて新しい料理を出すと、また直ぐに消えて空になる。もっと作った方が良かったかな。
「旨い!料理上手だな。師匠の料理は不味いから助かった」
「お前、相変わらずシレッと毒を吐くな」
乾いた笑いしかでない。二人の会話もだけど、私の分のご飯が残らなかった。う~ん、甘いの焼こうかな?
「まさか、全部食べたのか?」
「え?イリーナの分は?」
おーい、気付いて無かったの?私、ずっと立ったまま皿を下げてましたよ。私が苦笑いで返すと、勇者様が更に慌てる姿が可笑しくて、久しぶりに声を出して笑った。
「気にしないで下さい。甘いの食べたくなったから、パンケーキを焼きます」
「甘いの……食べたいです」
甘いのと聞いて勇者様の目がキラキラと期待の眼差しになる。え?まだ、食べるの?この人の胃袋は底なしなの?
「……リナ、それもこのバカの分も焼いてくれるか?」
「はい……食べたら買い出しに行って来ますね」
師匠が肩を落として頷いた。今晩も泊まるなら、何時もの三倍の量がいるかな?
「買い出しの時は、ランディーお前も行け。荷物持ちしろ」
「了解です」
師匠の言葉にニコニコと笑顔で返事をする姿は、勇者様と言うより子供の様で私はまた笑った。
結局、パンケーキは10枚焼いたけど、残りませんでした。マジか~
「リナ!ランディーと鍛練してくるから、朝飯をこいつの分も頼む」
「は~い」
一階から聞こえた師匠の声に返事をすると、二人は近付かない様にと言って外へ出た。自分の実力は分かってますから行きませんよ。
何時もの二倍ほどの朝食を作ってから窓から外の様子を確認すると、まだ模擬戦をしていた。二人共、朝から元気だね。
「ご飯出来ましたよ!早く来ないと、無くなるよ~」
私が大きな声で叫ぶと、勇者様が師匠を足で蹴り飛ばしてから、私の方を見た。
「今、行くから待って!」
は?いや……そうじゃないでしょ!!!!師匠が木にめり込んでるけど生きてる!?
「し、師匠……?」
「ゴホッ……この馬鹿力が……ゴホッ、ゴホッ」
何度も噎せ込みながら師匠が立ち上がる。フラフラと歩く師匠の背中には、どす黒いオーラが見える気がする。うわ……師匠が本気で怒ってる。
勇者様は早くご飯が食べたいのか家に向かって歩いてくるけど、後ろから追い付いた師匠が肩に手を置いた瞬間、彼に投げ飛ばされた。……え?……は?ウソ、え?師匠って、そんなに軽かった?
「あ、あの……勇者様、師匠が……」
「名前で呼んでくれないのか?」
今、そこ?気になるところがそこ!?天然なの!?違うでしょ!後ろの師匠が!
私の視線に気付いた勇者様が、やっと後ろを振り返って師匠を見た。どす黒いオーラの師匠に向かって、勇者様は苦笑いしているだけだ。怖くないの?
「師匠、ご飯食べてから続きしましょ。俺、腹ペコで力が出ませんよ」
ニコニコと笑みを浮かべる勇者様は、地面に座り込んだままの師匠の手を掴んで立ち上がらせた。二人が並ぶと改めて勇者様の体格の良さが目立つ。師匠も強いし背が高いけど細身。勇者様は筋肉質な体型で大柄。たくさん食べるのかな?
「うわ、旨そう!いただきます」
「おい、リナの分は残しておけよ」
手を洗った二人がテーブルにつくと、凄い勢いで食べ物が消えて行く。空になった皿を下げて新しい料理を出すと、また直ぐに消えて空になる。もっと作った方が良かったかな。
「旨い!料理上手だな。師匠の料理は不味いから助かった」
「お前、相変わらずシレッと毒を吐くな」
乾いた笑いしかでない。二人の会話もだけど、私の分のご飯が残らなかった。う~ん、甘いの焼こうかな?
「まさか、全部食べたのか?」
「え?イリーナの分は?」
おーい、気付いて無かったの?私、ずっと立ったまま皿を下げてましたよ。私が苦笑いで返すと、勇者様が更に慌てる姿が可笑しくて、久しぶりに声を出して笑った。
「気にしないで下さい。甘いの食べたくなったから、パンケーキを焼きます」
「甘いの……食べたいです」
甘いのと聞いて勇者様の目がキラキラと期待の眼差しになる。え?まだ、食べるの?この人の胃袋は底なしなの?
「……リナ、それもこのバカの分も焼いてくれるか?」
「はい……食べたら買い出しに行って来ますね」
師匠が肩を落として頷いた。今晩も泊まるなら、何時もの三倍の量がいるかな?
「買い出しの時は、ランディーお前も行け。荷物持ちしろ」
「了解です」
師匠の言葉にニコニコと笑顔で返事をする姿は、勇者様と言うより子供の様で私はまた笑った。
結局、パンケーキは10枚焼いたけど、残りませんでした。マジか~
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