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学園復帰編
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アラン先生の短い講義の次はリュカ様との組み手。魔力切れになったり魔法封じされた場合を想定して、接近戦の練習をしていたけど今日は折角だから武器を選ぼうと言う。
「武器を選ぶですか?」
「そう。武器は使う人に合ったモノでないと危険なんだ」
へぇ、そうなんだ。魔法の勉強しかしてこなかったから分からないわ。その前にずぶ濡れのリュカ様が気になるけど本人は気にしないのかしら?
「話の前に着替えましょう」
「うん?これぐらい、そのうち乾くさ」
え?えぇぇぇ!?いや、気にしましょうか!足元に水溜まり出来てますよ!
濡れている事を気にしないリュカ様は、顔に貼り付く髪をかき上げると壁の側にある棚の前に立って何か見ていた。
「ルナ、リュカは何してるの?」
棚の前で練習用の木剣見ているリュカ様を不思議そうに見ながらミューが私に尋ねた。
「私が使える武器を探してくれているの」
「武器?何で?杖があるじゃない」
「杖?」
「杖で叩けば良いのに~ダメなの?」
ミューに言われるまで杖で攻撃=魔法って思い込んでいたけど、そっか杖で叩いても良いのか。確かに杖なら軽いし何時も持ち歩いているし邪魔にならないわ。
「ミュー天才」
「てんさい?」
「頭いいわ!私、杖で叩くって思い付かなかったわ。ありがとう」
お礼を言ってミューを撫でていると、棚の前にいるリュカ様が木で出来た短い剣を選んで戻ってきた。
私がミューを撫でまわして褒めている姿に気付いて不思議そうに首を傾げた彼は、何も聞かずに木の剣を目の前に出した。
「これは短剣なんだ」
「短剣?短剣にしては長くないですか?」
リュカ様が選んだ剣は長さが四・五十センチはありそうな剣。確かに騎士団で使っているロングソードより短いけど、それでも私には長く感じた。
「一般的に短剣は短いイメージだが、作り手によっては長めの物もあるんだ」
驚きながらも試しに持ってみると、リュカ様の持つ剣より軽く片手で握るようになっていた。確かに軽いし短いけど、これをどうやって持ち歩くの?
「リュカ、貴方の脳ミソは飾りですか?魔法使いが剣を下げて歩いていたら不審者でしょう」
アラン先生の直球な指摘に思わず私も頷きそうになった。確かに私でも使えそうに見えますが、ローブの中に隠せる程短くはない。リュカ様も顎に手を当てて考える仕草を見せた。
「ねぇ、杖で叩けば良いのよ。剣なんて邪魔だわ」
「「杖?」」
おうむ返しに復唱する二人にミューは得意気に胸を張って説明を始めた。翁さんの鱗を素材にしている私の杖は、普通の杖より丈夫だしチョーカーの中にあるから持ち歩く時に邪魔にもならない。ミューの話を聞いて納得したように頷く二人は杖を出すように言った。
「強度をみてみましょう」
「使えそうなら訓練の内容を打撃と防御に変えよう」
促された私がチョーカーに触れて杖を呼び出すと、背後からざわめきが聞こえて振り返ると魔法師団の団員達が杖に注目していた。あれ?何でこんなに注目されているの?
「これが爺さんの鱗を使った杖か。完成品を見るのは初めてだな」
「逆鱗とは珍しい物が手に入りましたね。木材は使っていないのですか?」
「はい、木では相性が悪くて金属で作りました」
リュカ様とアラン先生は私の手の中の杖を見ていた。私の杖は細く真っ直ぐな金属で出来た本体の先に逆鱗の固定する為の窪みがある。折角、貰った逆鱗を余り削りたくなくて金属の台座にピッタリと嵌め込み、更に欠けないようにした。
「この金属は何だ?」
「ソフィア様から魔力伝導率が良いと頂いて……何か聞いてません」
しまった~材料名が分からないと強度も分からないわ。ドラゴンの素材と相性が良いと聞いて喜んでいたけど、冷静な考えれば伝導率が良い=高いレア素材よね。……考えれば考える程ヤバい素材な気がしてきた。私の馬鹿~何で確認してから受け取らなかったのよ!
「伝導率が……ミスリル?」
「……師匠が渡したなら間違いないかと」
お互いに顔を見合せ苦笑いする二人を見て血の気が引く。ミスリルは入手困難な素材ではないけど人気があるからかなり高額な素材。あぁぁぁ!ど、どうしよう。ミスリルだったの?お金!ソフィア様に迷惑かけた!
「誤解だ馬鹿ども。ルナがパニックになっているじゃないか」
グルグル考えて泣きそうになっていた私の頭の上に手を置いたソフィア様は、リュカ様達に呆れた様な視線を向けていた。
「これはドラゴンの脱皮した皮さ」
「「「皮!?」」」
え?えぇぇぇ!?金属にしか見えない。自分の手の中の杖を改めて見るけど、白銀色に輝く金属にしか見えない。アラン先生も細い目を見開いているから珍しいはず。
「じいさんの皮だから相性は問題ないし強度もある。何よりルナを気に入っていたからね。役立つからって他にも預かっているのさ」
「婆さん、初めて聞いたぞ」
私も初めて聞いた新事実にリュカ様が呆れた様な表情で突っ込む。それでもソフィア様は何でもない事の様に、翁さんから皮以外にも爪や魔結晶、魔石も預かっていると言う。
「じいさんが沢山押し付けるから参ったよ。量も多いから私が預かって必要な時に渡す事になったのさ」
……ソフィア様、それ重大案件では?
「武器を選ぶですか?」
「そう。武器は使う人に合ったモノでないと危険なんだ」
へぇ、そうなんだ。魔法の勉強しかしてこなかったから分からないわ。その前にずぶ濡れのリュカ様が気になるけど本人は気にしないのかしら?
「話の前に着替えましょう」
「うん?これぐらい、そのうち乾くさ」
え?えぇぇぇ!?いや、気にしましょうか!足元に水溜まり出来てますよ!
濡れている事を気にしないリュカ様は、顔に貼り付く髪をかき上げると壁の側にある棚の前に立って何か見ていた。
「ルナ、リュカは何してるの?」
棚の前で練習用の木剣見ているリュカ様を不思議そうに見ながらミューが私に尋ねた。
「私が使える武器を探してくれているの」
「武器?何で?杖があるじゃない」
「杖?」
「杖で叩けば良いのに~ダメなの?」
ミューに言われるまで杖で攻撃=魔法って思い込んでいたけど、そっか杖で叩いても良いのか。確かに杖なら軽いし何時も持ち歩いているし邪魔にならないわ。
「ミュー天才」
「てんさい?」
「頭いいわ!私、杖で叩くって思い付かなかったわ。ありがとう」
お礼を言ってミューを撫でていると、棚の前にいるリュカ様が木で出来た短い剣を選んで戻ってきた。
私がミューを撫でまわして褒めている姿に気付いて不思議そうに首を傾げた彼は、何も聞かずに木の剣を目の前に出した。
「これは短剣なんだ」
「短剣?短剣にしては長くないですか?」
リュカ様が選んだ剣は長さが四・五十センチはありそうな剣。確かに騎士団で使っているロングソードより短いけど、それでも私には長く感じた。
「一般的に短剣は短いイメージだが、作り手によっては長めの物もあるんだ」
驚きながらも試しに持ってみると、リュカ様の持つ剣より軽く片手で握るようになっていた。確かに軽いし短いけど、これをどうやって持ち歩くの?
「リュカ、貴方の脳ミソは飾りですか?魔法使いが剣を下げて歩いていたら不審者でしょう」
アラン先生の直球な指摘に思わず私も頷きそうになった。確かに私でも使えそうに見えますが、ローブの中に隠せる程短くはない。リュカ様も顎に手を当てて考える仕草を見せた。
「ねぇ、杖で叩けば良いのよ。剣なんて邪魔だわ」
「「杖?」」
おうむ返しに復唱する二人にミューは得意気に胸を張って説明を始めた。翁さんの鱗を素材にしている私の杖は、普通の杖より丈夫だしチョーカーの中にあるから持ち歩く時に邪魔にもならない。ミューの話を聞いて納得したように頷く二人は杖を出すように言った。
「強度をみてみましょう」
「使えそうなら訓練の内容を打撃と防御に変えよう」
促された私がチョーカーに触れて杖を呼び出すと、背後からざわめきが聞こえて振り返ると魔法師団の団員達が杖に注目していた。あれ?何でこんなに注目されているの?
「これが爺さんの鱗を使った杖か。完成品を見るのは初めてだな」
「逆鱗とは珍しい物が手に入りましたね。木材は使っていないのですか?」
「はい、木では相性が悪くて金属で作りました」
リュカ様とアラン先生は私の手の中の杖を見ていた。私の杖は細く真っ直ぐな金属で出来た本体の先に逆鱗の固定する為の窪みがある。折角、貰った逆鱗を余り削りたくなくて金属の台座にピッタリと嵌め込み、更に欠けないようにした。
「この金属は何だ?」
「ソフィア様から魔力伝導率が良いと頂いて……何か聞いてません」
しまった~材料名が分からないと強度も分からないわ。ドラゴンの素材と相性が良いと聞いて喜んでいたけど、冷静な考えれば伝導率が良い=高いレア素材よね。……考えれば考える程ヤバい素材な気がしてきた。私の馬鹿~何で確認してから受け取らなかったのよ!
「伝導率が……ミスリル?」
「……師匠が渡したなら間違いないかと」
お互いに顔を見合せ苦笑いする二人を見て血の気が引く。ミスリルは入手困難な素材ではないけど人気があるからかなり高額な素材。あぁぁぁ!ど、どうしよう。ミスリルだったの?お金!ソフィア様に迷惑かけた!
「誤解だ馬鹿ども。ルナがパニックになっているじゃないか」
グルグル考えて泣きそうになっていた私の頭の上に手を置いたソフィア様は、リュカ様達に呆れた様な視線を向けていた。
「これはドラゴンの脱皮した皮さ」
「「「皮!?」」」
え?えぇぇぇ!?金属にしか見えない。自分の手の中の杖を改めて見るけど、白銀色に輝く金属にしか見えない。アラン先生も細い目を見開いているから珍しいはず。
「じいさんの皮だから相性は問題ないし強度もある。何よりルナを気に入っていたからね。役立つからって他にも預かっているのさ」
「婆さん、初めて聞いたぞ」
私も初めて聞いた新事実にリュカ様が呆れた様な表情で突っ込む。それでもソフィア様は何でもない事の様に、翁さんから皮以外にも爪や魔結晶、魔石も預かっていると言う。
「じいさんが沢山押し付けるから参ったよ。量も多いから私が預かって必要な時に渡す事になったのさ」
……ソフィア様、それ重大案件では?
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